Monday, June 17, 2024

シアトルの初夏 法則は無窮の過去から存在しています。

Laws have existed since time immemorial.



「大ざっぱな言い方ですが、大霊は宇宙の霊的意識の集合体であると言ってよいかと思うのですが……」

「結構です。ただその意識にも、次元の異なる側面が無限にあるということを忘れないでください。いかなる生命現象も、活動も、大霊の管轄外で起きることはありません。摂理ないし自然法則は、自動的に宇宙間のすべての存在を包括するものだからです。たった一つの動き、たった一つの波動――動物の世界であろうと鳥類の世界であろうと、植物の世界であろうと昆虫の世界であろうと、根菜の世界であろうと花の世界であろうと、海の世界であろうと人間の世界であろうと、あるいは霊の世界であろうと――その法則によって規制を受けないものは何一つ存在しないのです。宇宙は漫然と存在しているのではありません。莫大なスケールをもった、一個の調和体なのです。

それを解くカギさえ手にすれば、悟りへのカギさえ手にすれば、いたって簡単なことなのです。つまり宇宙は法則によって支配されており、その法則は大霊の意志が顕現したものだということです。法則が大霊であり、大霊は法則であるということです。

その大霊は、人間を大きくしたようなものでないという意味では非人格的存在ですが、その法則が人間の霊的・精神的・物質的の全活動を支配しているという意味では、人間的であると言えます。要するに、あなたがたは、人類として、宇宙の大霊の枠組みの中に存在し、その枠組みの中の不可欠の存在として寄与しているということです」

「ということは、神の法則は完全な形で定着しているということでしょうか。それとも新しい法則がつくられつつあるのでしょうか」


「法則は無窮の過去から存在しています。完全である以上、その法則の枠外で起きるものは何一つありえないのです。すべての事態にそなえてあります。ありとあらゆる可能性を認知しているのです。もしも新たに法則をこしらえる必要が生じるようなことがあれば、神は完全でなくなります。予測しなかった事態が生じたことを意味するからです」

「こう考えてよろしいでしょうか――神の法則は完全性の青写真(ブループリント)のようなもので、われわれはそのブループリントにゆっくりと合わせる努力をしつつあるところである、と」


「なかなかいい譬(たと)えです。皆さんは地上という進化の途上にある世界における進化しつつある存在です。その地球は、途方もなく大きな宇宙のほんの小さな一部にすぎませんが、その世界に生じるあらゆる事態にそなえた法則によって支配されております。

その法則の枠外に出ることはできないのです。あなたの生命、あなたの存在、あなたの活動のすべてが、その法則によって規制されているのです。あなたの思念、あなたの言葉、あなたの行為、つまり、あなたの生活全体をいかにしてその法則に調和させるかを、あなたみずから工夫しなければならないのです。

それさえできれば、病気も貧乏も、そのほか、無知の暗闇から生まれる不調和の状態がすべて無くなります。自由意志の問題について問われると、必ずわたしが、自由といっても無制限の自由ではなく、自然法則によって規制された範囲での自由です、と申し上げざるをえないのは、そのためです」

シルバーバーチ

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