Wednesday, July 27, 2022

シアトルの夏 古代霊は語る おしまいに Words at the end of the book




  「私はこうした形で私に出来る仕事の限界を、もとより十分承知しておりますが、同時に自分の力の強さと豊富さに自信をもっております。自分が偉いと思っているというのではありません。


私自身はいつも謙虚な気持です。本当の意味で謙虚なのです。というのは、私自身はただの道具に過ぎない───私をこの地上に派遣した神界のスピリット、すべてのエネルギーとインスピレーションを授けてくれる高級霊の道具にすぎないからです。

が私はその援助の全てを得て思う存分に仕事をさせてもらえる。その意味で私は自信に満ちていると言っているのです。

 私一人ではまったく取るに足らぬ存在です。が、そのつまらぬ存在もこうして霊団をバックにすると、自信をもって語ることが出来ます。霊団が指示することを安心して語っていればよいのです。

威力と威厳にあふれたスピリットの集団なのです。進化の道程をはるかに高く昇った光り輝く存在です。人類全体の進化の指導に当たっている、真の意味で霊格の高いスピリットなのです。

 私には出しゃばったことは許されません。ここまではしゃべってよいが、そこから先はしゃべってはいけない、といったことや、それは今は言ってはいけないとか、今こそ語れ、といった指示を受けます。

私たちの仕事にはきちんとしたパターンがあり、そのパターンを崩してはいけないことになっているのです。いけないという意味は、そのパターンで行こうという約束が出来ているということです。

私よりすぐれた叡知を具えたスピリットによって定められた一定のワクがあり、それを勝手に越えてはならないのです。

 そのスピリットたちが地上経綸の全責任をあずかっているからです。そのスピリットの集団をあなた方がどう呼ぼうとかまいません。とにかく地上経綸の仕事において最終的な責任を負っている神庁の存在なのです。

私は時おり開かれる会議でその神庁の方々とお会い出来ることを無上の光栄に思っております。その会議で私がこれまでの成果を報告します。するとその方たちから、ここまではうまく行っているが、この点がいけない。だから次はこうしなさい、といった指図を受けるのです。
 実はその神庁の上には別の神庁が存在し、さらにその上にも別の神庁が存在し、それらが連綿として無限の奥までつながっているのです。

神界というのはあなたがた人間が想像するよりはるかに広く深く組織された世界です。が地上経綸の仕事を実施するとなると、こうした小さな組織が必要となるのです。

 私自身はまだまだ未熟で、決して地上の一般的凡人から遠くかけ離れた存在ではありません。私にはあなたがたの悩みがよくわかります。私はこの仕事を通じて地上生活を長く味わってまいりました。

あなたがた(列席者)お一人お一人と深くつながった生活を送り、抱えておられる悩みや苦しみに深く係わりあってきました。が、振り返ってみれば、何一つ克服できなかったものがないこともわかります。

 私たちはひたすらに人類の向上の手助けをしてあげたいと願っています。私たちも含めて、これまでの人類が犯してきた過ちを二度と繰り返さないために、正しい霊的真理をお教えするためにやって来たのです。そこから正しい叡知を学び取り、内部に秘めた神性を開発するための一助としてほしい。

そうすれば地上生活がより自由でより豊かになり、同時に私たちの世界も、地上から送られてくる無知で何の備えも出来ていない厄介な未熟霊に悩まされることもなくなる。そう思って努力してまいりました。

 私はいつも言うのです。私たちの仕事に協力してくれる人は理性と判断力と自由意志とを放棄しないでいただきたいと。私たちの仕事は協調を主眼としているのです。決して独裁者的な態度を取りたくありません。ロボットのようには扱いたくないのです。

死の淵を隔てていても、友愛の精神で結ばれたいのです。その友愛精神のもとに霊的知識の普及に協力し合い、何も知らずに迷い続ける人々の肉体と心と霊に自由をもたらしてあげたいと願っているのです。


 語りかける霊がいかなる高級霊であっても、いかに偉大な霊であっても、その語る内容に反撥を感じ理性が納得しない時は、かまわず拒絶さなるがよろしい。人間には自由意志が与えられており、自分の責任において自由な選択が許されています。

私たちがあなたがたに代って生きてあげるわけにはまいりません。援助は致しましょう。指導もしてあげましょう。心の支えにもなってあげましょう。が、あなた方が為すべきことまで私たちが肩がわりしてあげるわけにはいかないのです。

 スピリットの中には自らの意志で地上救済の仕事を買って出る者がいます。またそうした仕事に携われる段階まで霊格が発達した者が神庁から申しつけられることもあります。私がその一人でした。私は自ら買って出た口ではないのです。が依頼された時は快く引き受けました。

 引き受けた当初、地上の状態はまさにお先まっ暗という感じでした。困難が山積しておりました。がそれも今では大部分が取り除かれました。まだまだ困難は残っておりますが、取り除かれたものに比べれば物の数ではありません。

 私たちの願いはあなた方に生き甲斐ある人生を送ってもらいたい───持てる知能と技能と天賦の才とを存分に発揮させてあげたい。そうすることが地上に生を享けた真の目的を成就することにつながり、死と共に始まる次の段階の生活に備えることにもなる。そう願っているのです。

 こちらでは霊性がすべてを決します。霊的自我こそ全てを律する実在なのです。そこでは仮面も見せかけも逃げ口上もごまかしもききません。すべてが知れてしまうのです。

 私に対する感謝は無用です。感謝は神に捧げるべきものです。私どもはその神の僕にすぎません。神の仕事を推進しているだけです。よろこびと楽しみを持ってこの仕事に携わってまいりました。もしも私の語ったことがあなたがたに何かの力となったとすれば、それは私が神の摂理を語っているからにほかなりません。


 あなたがたは、ついぞ、私の姿をご覧になりませんでした。この霊媒の口を使って語る声でしか私をご存知ないわけです。が信じて下さい。私も物事を感じ、知り、そして愛することの出来る能力を具えた実在の人間です。

こちらの世界こそ実在の世界であり、地上は実在の世界ではないのです。そのことは地上という惑星を離れるまでは理解できないことかも知れません。

 では最後に皆さんと共に、こうして死の淵を隔てた二つの世界の者が、幾多の障害をのり超えて、霊と霊、心と心で一体に結ばれる機会を得たことに対し、神に感謝の祈りを捧げましょう。

 神よ、忝(カタジケナ)くもあなたは私たちに御力の証を授け給い、私たちが睦み合い求め合って魂に宿れる御力を発揮することを得さしめ給いました。あなたを求めて数知れぬ御子らが無数の曲りくねった道をさ迷っております。

幸いにも御心を知り得た私たちは、切望する御子らにそれを知らしめんと努力いたしております。願わくはその志を佳しとされ、限りなき御手の存在を知らしめ給い、温かき御胸こそ魂の憩の場となることを知らしめ給わんことを。

 では神の御恵みの多からんことを。」                                            シルバー・バーチ
  

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