─── One day’s séance ───
そこでシルバーバーチ霊団の各メンバーがかわるがわるそのテーブルを動かすことによって挨拶した。最も、これは誰であるかが明確に分かるのは二人だけで、それ以外は挨拶の仕方にこれといった特徴はないのであるが、霊団を構成しているのが複数の男性のインディアンと英国人、二人のかつての国教会の牧師、著名なジャーナリスト一人、
アラブ人が一人、ドイツ人の化学者が一人、中国人が一人、英国人の女性が二人であることは分かっている。その全員がテーブルによる挨拶を終わるころには、そろそろ霊媒のモーリス・バーバネルの入神(トランス)の用意が整う。
トランスは段階的に行われる。軽いトランスの段階でシルバーバーチが〝主の祈り〟を述べ、出席者との間で挨拶ていどの会話を交わす。その間によくシルバーバーチは、霊媒をもっと深くトランスさせたいのでもう少し待ってほしい、と述べることがある。
いよいよ望み通りのトランス状態になるとシルバーバーチはまず祈りの言葉をのべ、それが速記されていく。その日の祈りは次のようなものだった。
「神よ。私たちは到達しうるかぎりの高く尊く清きものとの調和を求めて祈りを捧げるものです。私たちはあなたの中に完全なる愛と叡知の精髄と、宇宙の全生命活動を支配する永遠不減の大精神の存在を確信いたしております。小さき人間の精神ではあなたのすべてを捉らえることはできませぬ。それゆえに人間が抱くあなたについての概念は、ことごとく真理の全体像のおぼろげな反映にすぎないのでございます。
しかし同時に私たちは、全宇宙をその愛の中に抱擁し、規律と不変性をもって、過失も欠陥も汚損もなく統括し支配している絶対的摂理の驚異を理解することはできます。
すなわち、あなたはその叡知によって全存在の一つ一つの側面、活動の一つ一つが管理され、すべてが一つのリズムのある、調和のとれた宇宙機構の中で滞ることなく流動しております。その中にあってあなたの子等はそれぞれの定められた位置を有し、全体に対して必須にして不可欠の役割を演じているのでございます。
その一つ一つの小さな火花があなたの巨大なる炎の存在に貢献いたしております。私どもは各自に潜在する未熟なる霊の萠芽がその始源であるあなたとのつながりに気づき、永遠に切れることのない霊的きずなによって結ばれていることを悟ることによって、その霊性を存分に発揮することになるよう指導いたしております。
私たちの仕事は、人間が今発揮している資質よりさらに精妙なる霊的資質を発揮することによって、今は手の届かない高所を目指し、待ち受ける霊の宝庫へ一歩でも近づこうとする向上心を鼓舞すべく、力と知識と叡知の源であるあなたの存在を説くことにあります。
宇宙には、資格ある者なら自由にそして存分にわがものとすることのできる、莫大な霊的宝庫が存在いたします。そして地上よりはるかに広大な生活の場における新たな体験から生み出された叡知によって、地上世界に光明と豊かさをもたらさんとしている進化せる先輩霊もまた無数に存在いたします。
その活動の障害となるのは偏見と歪曲、迷信と無知、そして人間生活の暗黒面に所属するものすべてが蓄積せるものです。
私たちは地上世界を知識の照明によって満たし、人間がつねに真理によって導かれ、あなたの愛の存在に気づいてくれることを望んでやみませぬ。そうすることがあなたからの豊かな遺産と崇高なる宿命を悟らせ、手にした真理に則った生活を送らせてあげるゆえんとなるからに他なりませぬ。
ここにあなたの僕インディアンの祈りを捧げます」
少し間を置いてから一同に向かって───
本日もこうして皆さんとともに一堂に会し、霊の世界からの私の挨拶の言葉と愛をお届けできることをうれしく思います。前回お会いして皆さんの愛の温もりを感じて以来久しぶりですが、またこの部屋を訪れて霊的仕事の回線をつなぎ、地上の人々のためにお役に立つことができることになりました」
そう述べてから、まず最初に、しばらく病気のために欠席していた女性に向かって、
「ようこそお出でになりました。あなたのお姿が見えないと、どうも物足りなく思えるのです」と言うと、その女性が、
「これはまた有難いお言葉をいただいて恐縮です」 と月並みな挨拶をした。するとシルバーバーチが、
「いえ、事実を申し上げているのです」 と真剣な調子で述べた。 (訳者注───すぐれた指導霊による交霊会ではレギュラーメンバーは何らかの存在価値を持った者が厳選されている。中にはただ出席して椅子に腰かけているだけで好影響を及ぼす人もいる)
続いてその女性のご主人で、交霊会の速記係をしている人に挨拶をし、それから二言三言出席者と軽いやり取りをしたあと、いよいよ本題へと入っていく。たとえばその日は次のような話をした。
「ここにおいでの皆さんは人類全体の役に立つ才能、能力をお持ちの方ばかりです。これまで、その能力ゆえに、さらに豊かな才能を持つこちらの世界の者から援助を受けてこられました。
ぜひその能力を実らせて、代わって皆さんが多くの人々によろこびを与え、さらにその人たちが自分にも世の中の役に立つ資質があることに気づいてくれるようになる───こうしてお互いがお互いにのためにという輪がどんどん広がっていきます。
世間の中傷を気にしてはいけません。反発に動揺してはなりません。嫌悪の態度を見せられても気になさらないことです。あなた方がこの地上に生を受けたそもそもの使命に向かってひたすら努力している限り、そんなものによって困った事態になることはありません。
地上世界にはまだまだ奉仕の精神が足りません。絶望の淵にあえぐ人が多すぎます。心は傷つき、身体は病に冒され、解決できない問題に苦悶する人が無数にいます。
そういう人たちを真理の光の届くところまで連れてきてあげれば、悩みへの解答を見出し、乱れた生活を規律あるものにしようとする心が芽生え、すべての人間が平和と調和の中で生きていける環境作りに意欲を燃やすことになりましょう。
休暇中に私は、長い間住みなれた界層に戻ってまいりました。そこで多くのことを見聞して、それを出来るだけ皆さんにお分けしてあげるべく、こうしてまた帰ってくるのです。
そのとき私はあなた方のまったくご存知ない霊たち───私が誇りを持って兄弟と呼び姉妹と呼べる進化せる霊たちからの愛と善意をたずさえてまいります。その霊たちも地上の悩める者、苦しむ者、人生に疲れはてた者のために献身している私の仲間であり協力者なのです」
こう述べてから、一転してシルバーバーチ一流のユーモアを混じえて、
「ああ、そうそう、うっかり忘れるところでした。あなた方のことをなかなかしっかりした人たちだと感心しておりました」
「誰がですか」 と一人のメンバーが聞くと
「ですから、私が話をしてきた上層界の霊たちです」
「あなたの〝秘密の参謀(ブレーン)〟ですか」 と、別のメンバーが冗談めかして聞いた。
「いえ、いえ、そんなんじゃありません。〝父の住処〟にいる人たちです」(訳者注───ヨハネ14・2〝わが父の家には多くの住処がある〟からの引用で、これがキリスト教においてどの程度の現実味をもって理解されているか疑問であるが、 『ベールの彼方の生活』 によると、それが地上を最低界とする広大な宇宙を経綸する〝政庁〟とも言うべき実在の世界であることが分かる。
〝秘密のブレーン〟かと聞かれて〝とんでもない〟といった調子で答えているのは、人間からすれば目に見えないから秘密であるかに思えるだけで、シルバーバーチにすればごく当たり前の現実の世界なのである)
続いて別のメンバーが友人が他界した話を持ち出すと、
「この会(の霊団)も最初は小さな人数で始めましたが、その後どんどん数が増えて、今では大所帯となってきました。しかし、いくら増えても、これ以上入れられなくなるようなことはありませんから、ご心配なく」とユーモアを交えて述べた。
交霊会も終わりに近づいて、シルバーバーチは最後に次のようなメッセージを述べた。
「私はあなた方のすべてに好意を抱き、これからのちも援助の手を引っ込めるようなことは致しません。そして、きっとあなた方も私に対して好意を抱いてくださり、私の意図することに献身して下さるものと信じております。
どうか、どこのどなたであろうと、私に好意をお寄せ下さる方のすべてに私からの愛の気持ちをお伝え頂き、さらに次のメッセージをお届けください。
私に対して愛念と思念と善意と祝福をお届けくださる大勢の見知らぬ方々に対して、私は喜びと感謝の気持ちをお伝えしたく思います。私は自分がそういう情愛の運び役であることを誇りに思っております。
それは私がその方たちにとって何らかのお役に立っているからこそであると信じるからであり、たとえ私の姿を御覧になることはなくても、私はその方たちのご家庭へお邪魔していることをご承知ください。実際にお伺いしてお会いしているのです。
私にとっては愛こそが生活であり、人のために自分を役立てることが宗教であるからです。そうした私の考えにご賛同くださり、同じ生活信条を宗(むね)とされる方すべてを心から歓迎するものです」
そして最後を次の言葉でしめくくった。
「さて、みなさん、ほんの僅かな時間でもよろしい、時には日常的な意識の流れを止めて、まわりに溢れる霊の力に思いを寄せ、その影響力、そのエネルギー、永遠なる大霊の広大な顕現、その抱擁、その温もり、その保護を意識いたしましょう。
願わくはその豊かな恵みに応えるべく日常生活を律することが出来ますように。その中で神の永遠なる摂理に適っているとの認識が得られますように。どうか神の道具としての存在価値を存分に発揮し、豊かな祝福をもたらしてくれた真理の光を輝かせて、人々がわれわれの生活をその真理の模範となすことができますように」
そう言い終わると霊媒がいつものモーリス・バーバネルに戻り、一杯の水を飲み干して、それで会が終わりとなる。以上がある日のホームサークルであり、いつもこれと似たようなことが行われているのである。
More Wisdom of Silver
Birch Edited by Sylvia Barbanell
その日の出席者は六人だった。ロンドンのアパートの一室で小さなテーブルを囲んで座り、全員が両手をそのテーブルの上に軽く置いた。そしてスピリチュアリスト用に作られた、霊力の素晴らしさを讃える讃美歌を歌っているうちにテーブルが動きはじめる。
そこでシルバーバーチ霊団の各メンバーがかわるがわるそのテーブルを動かすことによって挨拶した。最も、これは誰であるかが明確に分かるのは二人だけで、それ以外は挨拶の仕方にこれといった特徴はないのであるが、霊団を構成しているのが複数の男性のインディアンと英国人、二人のかつての国教会の牧師、著名なジャーナリスト一人、
アラブ人が一人、ドイツ人の化学者が一人、中国人が一人、英国人の女性が二人であることは分かっている。その全員がテーブルによる挨拶を終わるころには、そろそろ霊媒のモーリス・バーバネルの入神(トランス)の用意が整う。
トランスは段階的に行われる。軽いトランスの段階でシルバーバーチが〝主の祈り〟を述べ、出席者との間で挨拶ていどの会話を交わす。その間によくシルバーバーチは、霊媒をもっと深くトランスさせたいのでもう少し待ってほしい、と述べることがある。
いよいよ望み通りのトランス状態になるとシルバーバーチはまず祈りの言葉をのべ、それが速記されていく。その日の祈りは次のようなものだった。
「神よ。私たちは到達しうるかぎりの高く尊く清きものとの調和を求めて祈りを捧げるものです。私たちはあなたの中に完全なる愛と叡知の精髄と、宇宙の全生命活動を支配する永遠不減の大精神の存在を確信いたしております。小さき人間の精神ではあなたのすべてを捉らえることはできませぬ。それゆえに人間が抱くあなたについての概念は、ことごとく真理の全体像のおぼろげな反映にすぎないのでございます。
しかし同時に私たちは、全宇宙をその愛の中に抱擁し、規律と不変性をもって、過失も欠陥も汚損もなく統括し支配している絶対的摂理の驚異を理解することはできます。
すなわち、あなたはその叡知によって全存在の一つ一つの側面、活動の一つ一つが管理され、すべてが一つのリズムのある、調和のとれた宇宙機構の中で滞ることなく流動しております。その中にあってあなたの子等はそれぞれの定められた位置を有し、全体に対して必須にして不可欠の役割を演じているのでございます。
その一つ一つの小さな火花があなたの巨大なる炎の存在に貢献いたしております。私どもは各自に潜在する未熟なる霊の萠芽がその始源であるあなたとのつながりに気づき、永遠に切れることのない霊的きずなによって結ばれていることを悟ることによって、その霊性を存分に発揮することになるよう指導いたしております。
私たちの仕事は、人間が今発揮している資質よりさらに精妙なる霊的資質を発揮することによって、今は手の届かない高所を目指し、待ち受ける霊の宝庫へ一歩でも近づこうとする向上心を鼓舞すべく、力と知識と叡知の源であるあなたの存在を説くことにあります。
宇宙には、資格ある者なら自由にそして存分にわがものとすることのできる、莫大な霊的宝庫が存在いたします。そして地上よりはるかに広大な生活の場における新たな体験から生み出された叡知によって、地上世界に光明と豊かさをもたらさんとしている進化せる先輩霊もまた無数に存在いたします。
その活動の障害となるのは偏見と歪曲、迷信と無知、そして人間生活の暗黒面に所属するものすべてが蓄積せるものです。
私たちは地上世界を知識の照明によって満たし、人間がつねに真理によって導かれ、あなたの愛の存在に気づいてくれることを望んでやみませぬ。そうすることがあなたからの豊かな遺産と崇高なる宿命を悟らせ、手にした真理に則った生活を送らせてあげるゆえんとなるからに他なりませぬ。
ここにあなたの僕インディアンの祈りを捧げます」
少し間を置いてから一同に向かって───
本日もこうして皆さんとともに一堂に会し、霊の世界からの私の挨拶の言葉と愛をお届けできることをうれしく思います。前回お会いして皆さんの愛の温もりを感じて以来久しぶりですが、またこの部屋を訪れて霊的仕事の回線をつなぎ、地上の人々のためにお役に立つことができることになりました」
そう述べてから、まず最初に、しばらく病気のために欠席していた女性に向かって、
「ようこそお出でになりました。あなたのお姿が見えないと、どうも物足りなく思えるのです」と言うと、その女性が、
「これはまた有難いお言葉をいただいて恐縮です」 と月並みな挨拶をした。するとシルバーバーチが、
「いえ、事実を申し上げているのです」 と真剣な調子で述べた。 (訳者注───すぐれた指導霊による交霊会ではレギュラーメンバーは何らかの存在価値を持った者が厳選されている。中にはただ出席して椅子に腰かけているだけで好影響を及ぼす人もいる)
続いてその女性のご主人で、交霊会の速記係をしている人に挨拶をし、それから二言三言出席者と軽いやり取りをしたあと、いよいよ本題へと入っていく。たとえばその日は次のような話をした。
「ここにおいでの皆さんは人類全体の役に立つ才能、能力をお持ちの方ばかりです。これまで、その能力ゆえに、さらに豊かな才能を持つこちらの世界の者から援助を受けてこられました。
ぜひその能力を実らせて、代わって皆さんが多くの人々によろこびを与え、さらにその人たちが自分にも世の中の役に立つ資質があることに気づいてくれるようになる───こうしてお互いがお互いにのためにという輪がどんどん広がっていきます。
世間の中傷を気にしてはいけません。反発に動揺してはなりません。嫌悪の態度を見せられても気になさらないことです。あなた方がこの地上に生を受けたそもそもの使命に向かってひたすら努力している限り、そんなものによって困った事態になることはありません。
地上世界にはまだまだ奉仕の精神が足りません。絶望の淵にあえぐ人が多すぎます。心は傷つき、身体は病に冒され、解決できない問題に苦悶する人が無数にいます。
そういう人たちを真理の光の届くところまで連れてきてあげれば、悩みへの解答を見出し、乱れた生活を規律あるものにしようとする心が芽生え、すべての人間が平和と調和の中で生きていける環境作りに意欲を燃やすことになりましょう。
休暇中に私は、長い間住みなれた界層に戻ってまいりました。そこで多くのことを見聞して、それを出来るだけ皆さんにお分けしてあげるべく、こうしてまた帰ってくるのです。
そのとき私はあなた方のまったくご存知ない霊たち───私が誇りを持って兄弟と呼び姉妹と呼べる進化せる霊たちからの愛と善意をたずさえてまいります。その霊たちも地上の悩める者、苦しむ者、人生に疲れはてた者のために献身している私の仲間であり協力者なのです」
こう述べてから、一転してシルバーバーチ一流のユーモアを混じえて、
「ああ、そうそう、うっかり忘れるところでした。あなた方のことをなかなかしっかりした人たちだと感心しておりました」
「誰がですか」 と一人のメンバーが聞くと
「ですから、私が話をしてきた上層界の霊たちです」
「あなたの〝秘密の参謀(ブレーン)〟ですか」 と、別のメンバーが冗談めかして聞いた。
「いえ、いえ、そんなんじゃありません。〝父の住処〟にいる人たちです」(訳者注───ヨハネ14・2〝わが父の家には多くの住処がある〟からの引用で、これがキリスト教においてどの程度の現実味をもって理解されているか疑問であるが、 『ベールの彼方の生活』 によると、それが地上を最低界とする広大な宇宙を経綸する〝政庁〟とも言うべき実在の世界であることが分かる。
〝秘密のブレーン〟かと聞かれて〝とんでもない〟といった調子で答えているのは、人間からすれば目に見えないから秘密であるかに思えるだけで、シルバーバーチにすればごく当たり前の現実の世界なのである)
続いて別のメンバーが友人が他界した話を持ち出すと、
「この会(の霊団)も最初は小さな人数で始めましたが、その後どんどん数が増えて、今では大所帯となってきました。しかし、いくら増えても、これ以上入れられなくなるようなことはありませんから、ご心配なく」とユーモアを交えて述べた。
交霊会も終わりに近づいて、シルバーバーチは最後に次のようなメッセージを述べた。
「私はあなた方のすべてに好意を抱き、これからのちも援助の手を引っ込めるようなことは致しません。そして、きっとあなた方も私に対して好意を抱いてくださり、私の意図することに献身して下さるものと信じております。
どうか、どこのどなたであろうと、私に好意をお寄せ下さる方のすべてに私からの愛の気持ちをお伝え頂き、さらに次のメッセージをお届けください。
私に対して愛念と思念と善意と祝福をお届けくださる大勢の見知らぬ方々に対して、私は喜びと感謝の気持ちをお伝えしたく思います。私は自分がそういう情愛の運び役であることを誇りに思っております。
それは私がその方たちにとって何らかのお役に立っているからこそであると信じるからであり、たとえ私の姿を御覧になることはなくても、私はその方たちのご家庭へお邪魔していることをご承知ください。実際にお伺いしてお会いしているのです。
私にとっては愛こそが生活であり、人のために自分を役立てることが宗教であるからです。そうした私の考えにご賛同くださり、同じ生活信条を宗(むね)とされる方すべてを心から歓迎するものです」
そして最後を次の言葉でしめくくった。
「さて、みなさん、ほんの僅かな時間でもよろしい、時には日常的な意識の流れを止めて、まわりに溢れる霊の力に思いを寄せ、その影響力、そのエネルギー、永遠なる大霊の広大な顕現、その抱擁、その温もり、その保護を意識いたしましょう。
願わくはその豊かな恵みに応えるべく日常生活を律することが出来ますように。その中で神の永遠なる摂理に適っているとの認識が得られますように。どうか神の道具としての存在価値を存分に発揮し、豊かな祝福をもたらしてくれた真理の光を輝かせて、人々がわれわれの生活をその真理の模範となすことができますように」
そう言い終わると霊媒がいつものモーリス・バーバネルに戻り、一杯の水を飲み干して、それで会が終わりとなる。以上がある日のホームサークルであり、いつもこれと似たようなことが行われているのである。
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