Wednesday, June 29, 2022

シアトルの夏 明日の世界 Tomorrow's world

 



〔人類が霊的法則に目覚め、その指し示す方向へ忠実に生きるようになった時の世界はどういう世界であろうか。新しい世界は一人の独裁者、一つの政府、あるいは国際連盟のような組織によってコントロールされる性質のものでないことは明らかである。人間各個による努力の結果として誕生するものであろう。その時の喜びがいかなるものであるか、それをシルバーバーチに語ってもらおう〕


地球人類は今まさに危機の真っ只中にあります。何事につけ誕生には苦しみが伴うものです。新しい秩序の誕生にも大きな苦しみが伴います。その誕生が近づくにつれて苦痛も増大してまいります。

しかし間違いなく言えることは、その新しい世界の種子がすでに地上界に根づいているということです。既得権力の座に安住している者たちがいかなる策を弄しても、それは功を奏さないでしょう。イエスは「天に為される如く地にも為されるであろう」と二千年前に述べております。それがもうすぐ実現しようとしています。

これからも地上には幾つもの大変動が生じます。崩壊もあれば隆盛もあるでしょう。皆さんには暗黒と苦難の時代の到来のように思えるかも知れません。「大変な時代になった……」そうおっしゃるかも知れません。しかし、そうした変動の背後には地上世界へ向けての大きなエネルギーの働きがあるのです。

こうして地上世界のための仕事に従事している私たちの多くは、これから先の地上はこうなるという未来像を見せていただいております。それを受け入れる能力のある地上の同志に伝え、挫けがちな心を鼓舞しております。私が見せていただいた未来像に比べると現在の地上世界がとても醜く見えます。が、私には地上世界はこれほどまで立派になり得るのだ、こうならねばならないのだということが分かっております。あとは“時間”の問題です。それを早めるのも遅らせるのも人類の自覚一つに掛かっております。

そのうち、政治も宗教も科学も学問もある一つのものの側面に過ぎないことが理解できる、新しい人類が現れるでしょう。その人類にとっては痛みも心配も喪の悲しみも不幸もなく、笑顔と明るい笑い声の世界となるでしょう。が、現段階の不幸に満ちた地上世界で最も人徳があるとされる人間は、他人の悲しみを取り除き生活を楽にしてあげられる人です。それほど不幸な人が多いということです。

これまでの人間は、何か良いものを手に入れると、それを人のために使用せずに独り占めにしようと画策し、結果的には、いずれ崩壊するに決まっているような社会組織を構築しようとしてきました。なぜなら、その基盤が間違っているからです。

大霊からいただいた資質を発達させ、それを人のために役立てる方向で使用するようになれば、永遠なるものを基盤とした社会組織が構築されるでしょう。

私たちが説いていることは決して新しいものではありません。霊的な視野をもつ人々がずっと説き続けている古くからある真理です。それを大方の人間が顧(かえり)みようとしなかっただけです。そこで私たちが改めて説き、大霊の摂理というものがあることを指摘する必要が生じたのです。人類は自らの間違った考えによって地上界を破滅の寸前にまで追いやっております。

今こそ人類は大霊とその摂理へ回帰しなくてはいけません。イヤ、すでに回帰しつつあります。私の目には、ゆっくりとではありますが、大霊の摂理が地上界に具現しつつあるのが見えます。

何よりもまず人類が知らなくてはならないのは、大霊の恩寵はみんなで分け合わなくてはいけないということです。現在の地上には今日の食べものに事欠く人がいる一方で、有り余るほど貯えている人がいます。もちろんこれは間違っています。余るほど持っている人は足らない人に分けてあげなくてはいけません。別に難しいことではないと思うのですが……

また既得権を取り壊す必要があります。摂理は寸分の狂いもなく働きます。あなた方が自分のことを忘れて人のために精を出す時、あなた方を通して大霊が働くのです。あなた方だけではありません。人間の全てに言えることです。それは無理ですとおっしゃるかも知れませんが、私は可能だと申し上げます。それが人間としての正しい生き方だからです。摂理は完ぺきで、ごまかすことは出来ません。その摂理を一つでも多く学び、それを実行に移さなくてはいけません。

長いあいだ人類は、本当は取り壊すべきものを構築することに自由意志を行使してきました。その結果として生じた暗闇に、今ゆっくりと大霊の光が射し込みつつあり、混乱と無秩序の中から新しい世界が生まれつつあります。そこには最早や持つ者と持たざる者といった不平等も不公平も差別もなく、大霊からの賜(たまもの)が全ての子等に平等に分け与えられるようになることでしょう。

その新しい世界をどのような用語で呼んでも構いません。要するに大霊の意思に適った世界の成就――大霊の霊力はもとより、新しいタイプの喜び、新しいタイプの人生、新しいタイプの幸せを求める誠心誠意の人間の貢献によって、これ以上霊界へ“出来損ない”(死後に地縛霊となってしまうような人間)を送り込まなくなるような世界のことです。

時としてその誠心誠意の努力が無駄に終わっているような感じを抱かれることがあるかも知れません。しかし、そういう時でも、世界中のあらゆる所で、あらゆる人々が、自覚するしないに関係なく、新しい世界の夜明けのために活用されているのです。大霊は我が子が破滅の道へ向かうのを黙って見ているわけには行かないのです。私があなた方に援助をお願いするのはそのためです。そうした努力を“政治”と呼ぶかどうかは、私には関心はありません。とにかくそうした働きかけは絶え間なく続けられています。地上界と霊界の協力です。もはやそれをストップさせることは不可能です。

そうした一体の努力で私たちが物質界の到るところで大きな仕事を成就していることを誇りに思っております。悲しみに暮れていた心が明るくなっております。地上の暗闇に光が射し込んでおります。知識が無知を、まだ僅かではありますが、駆逐しております。生きる意欲を失った人々を勇気づけ、人生に疲れた人々に力を与え、道を見失っている人々に導きを与え、同胞のためにボランティア的に働いている人々には援助を与えると同時に、その背後には、大霊とその子等のための仕事を鼓舞する霊の大軍が控えているとの自覚を植えつけようとしております。

また私がうれしく思うのは、皆さんが愛しまた皆さんを愛している霊界の人々をこのサークルにお連れして、その人たちが決してこの宇宙から消えてなくなったわけではないこと、死によって愛と情愛と友愛で結ばれている人々が引き裂かれるどころか相変わらず結ばれ続けていることを、これまで以上に確信させてあげることが出来ていることです。

私たちの影響力がどれほど広範囲に広がっているかをお見せできないのが残念です。地上界と霊界とのこうした結びつきを邪魔している障害を取り壊し、障害物を取り除き、そして知識をもたらすことが出来ております。人類を霊的に、精神的に、そして身体的にも自由にする、至って単純な真理です。ご存じのように私たちはただお役に立てば、それだけで満足なのです。無償の献身を通してのみ、地球人類は救われるのです。サービスです。

ここで改めて申し上げておきたいのは、私がただの道具に過ぎないということです。真理、単純な霊的真理、あなた方人間も全生命の源である大霊の一部であるとの認識を植えつけてあげたいと望んでいる大きな霊団の一人に過ぎないということです。大霊はあなた方の内部にあるのです。神性という遺産を引き継いでおり、その潜在的神性が宿されているからこそ大霊の恩寵にあずかる資格があるということ、さらに、それ故にこそその神性を妨げる障害物や慣習を廃絶しなければならないのです。私たちの仕事は魂と精神の自由だけを目的としているのではありません。物的身体も病という束縛から解放してあげることが目的の一つです。

そういう仕事に私たちは献身してきたのです。それが私たちのいうサービスです。私はあくまでも道具の一つに過ぎませんが、私を通して人類に役立つ真理が届けられることを光栄に思っております。皆さんとともにその仕事に携わってきて何年かになりますが、これからもまだまだ続きます。地上界の皆さんと霊界の私たちの連帯によって、今こそ地球人類が必要としているものをお届けしてまいります。あなた方はすでに知識をお持ちです。霊的真理を手にされています。そして、そうした霊的知識には、それをさらに価値あることのために使用する義務が伴うことを忘れないでください。

あなた方の説く真理が疑いを差しはさまれた時は、それには神性のスタンプが押されていること、そして又、その理由は私たちが常に人間の理性に訴えていることを思い出してください。言い変えれば、私たちがお届けするメッセージが、あなた方の品位を落とさせたり知性を侮辱したり、サービスと善性と誠実さの道に背を向けさせるような要素はみじんもないということです。それどころか、人間に内在する神性を認識させ、大霊とのつながりを自覚させることによって、その神性があなた方の日常の行為の全てを律するようにと願っているのです。

霊的真理を常に意識している人たちが一致団結して、物質界に立ち込めている無知の霧を晴らすためにその力を使用すれば、どれほど大きな仕事が出来ることでしょう。善性と有用性とサービスの勢力は常にあなた方の味方であることを自覚して、自信をもって前進してください。

我々の前途にはサービスの分野がいくらでも広がっております。多くの人がお座なりの説教を捨て、古い信仰を信じず、理性的懐疑に耐え得る真理を求めながらも、いずこへ向かえばそれが得られるか、迷いに迷っております。そういう人々にこそ霊的真理と霊的摂理をお届けするのです。内部に宿る霊的資質に気づかせ、自分も神であるということはどういうことなのかを理解させ、憎悪の復讐心に燃える神の前にひれ伏すような卑屈な信仰心を永久に捨て去るように指導してあげることです。

要するに私たちは、大霊の子等のために役立ちたいと願う地上の有志との協調関係を求めている霊的勢力の存在を認識していただき、霊的真理を武器として迷信の全て、暗黒の霧の全てと闘い、霊的真理の光で地上界を照らしていただきたいのです。それが私たちの仕事なのです。私たち地球浄化の大軍には霊力という武器があります。地上界の有志を鼓舞し、導き、心の支えとなり、飢えた魂に心の糧を与え、病に苦しむ人々に癒しを与え、全ての人にインスピレーションと啓示と叡智をもたらすことが出来ます。

人間の側に理解力と受容力がそなわれば、その能力に応じて霊力で満たしてあげることが出来ます。教会に属していようといまいと、どこかの宗教に属していようといまいと、科学者であろうと唯物論者であろうと哲学者であろうと、そうしたラベルにはお構いなく、受け入れる能力のそなわった人を一人でも多く見出して協力者に仕立てて行く用意があります。

Tuesday, June 28, 2022

シアトルの夏 あなた方文明人は  You civilized people



 あなた方文明人は物質界にしか通用しない組織の上に

人生を築こうと努力してきました。

言い変えれば、

大霊の摂理から遠くはずれた文明を築かんがために

教育し、修養し、努力してきたということです。


You civilized people have endeavored to build their lives 

on an organization that only works in the physical world.

 In other words,

 we have educated, trained, 

and endeavored to build a civilization 

far from the providence of the Great White Spirit.

Monday, June 27, 2022

シアトルの夏 シルバーバーチは語る 巻頭言  Silver Birch Speaks Introduction







巻頭言


本書は霊の世界の祝福を受けて物質の世界へ届けられるものです。願わくば今本書を手にされたあなたが、これを読まれることによって心の目を開き、魂に感動を覚えられんことを祈ります。生命の物的諸相の背後にある、より高い、より深い、より尊い、そしてより雄大な側面に気づくまでは、その人は暗い霧の中で生きていることになるのです。

シルバーバーチ

編集者ノート


ここに集められたシルバーバーチの教えは――シルバーバーチ自身はこれは自分の教えではなく、自分の所属界よりさらに高い界層から送られたものを自分が中継しているに過ぎないと言うのだが――全てを知り尽くした存在による、絶対に誤ることのない言葉として披露するものではない。

そもそも霊的交信なるものの目的は人間の批判的能力を殺(そ)いで盲目的に受け入れることではない。また、新しい宗教をこしらえたいという願望から行うものでもない。霊的啓示というのは固定されたものではなく、常に進歩的で、受け入れる人間の側の能力一つに掛かっているからである。

さて、シルバーバーチは常に人間の理性に訴えることを主義としている。従ってもしもその言説の中に読者の理性が納得しかねるものがあれば遠慮なく拒否するか、さらなる証明が得られるまで留保すればよい。

読者の便宜を考慮して私は、各章に掲げたテーマに関して、数多くの交霊会での霊言から適切なものを拾って編纂した。と言うことは、各章が一つの交霊会(の速記録)をそっくり文章におこしたわけではなく、三十回ないし四十回の交霊会でのシルバーバーチの霊言からの抜粋で構成されていることを承知されたい。

当然その構成に当たっては思想の流れに一貫性をもたせることに意を用いたが、さらに読み易さを考慮して文字を通常のローマン体と肉太のボールド体と斜体のイタリック体の三種類に使い分けた。

一九三八年三月

A・W・オースティン


 



序文 ハンネン・スワッファー


われわれがシルバーバーチと呼んでいる霊は実はレッド・インディアンではない。いったい誰なのか、今もって分からない。分かっているのは、その霊は大変な高級界に所属していて、その次元からは直接地上界と接触できないために、かつて地上でレッド・インディアンだった霊の霊的身体を中継してわれわれに語りかけている、ということだけである。

いずれにせよ、その霊が“ハンネン・スワッファー・ホームサークル”と呼称している交霊会の指導霊である。その霊が最近こんなことを言った。

「いつの日か私の(地上時代の)本名を明かす日も来ることでしょうが、私は仰々しい名前などを使用せずに地上の皆さんの愛と献身とを獲得し、私の説く中身の真実性によって確かに神の使徒であることを立証すべく、こうしてインディアンに身をやつさねばならなかったのです。それが神の御心なのです」

もっとも、一度だけ、シルバーバーチがその本名をもう少しで口にしそうになったことがあった。第1章の冒頭に出ている、自分が使命を仰せつかってそれを承知するに至る場面でのことだった。

ところで、私とシルバーバーチとの出会いは、一九二四年にスピリチュアリズムの真実性を確信して間もない頃のことだった。以来私は、毎週一回一時間あまりシルバーバーチの教えに耳を傾け、助言をいただき、いつしかその霊を地上のいかなる人物よりも敬愛するようになった。

シルバーバーチの地上への最初の働きかけは普通より少し変わっていた。スピリチュアリズムを勉強中の十八歳の無神論者が、ある日ロンドンの貧民街で行われていた交霊会にひやかし半分の気持で出席した。そして霊媒が次々といろんな言語でしゃべるのを聞いて、思わず吹き出してしまった。ところがその中の一人の霊が「そのうちあなたも同じようなことをするようになりますよ」と諌(いさ)めるように言った。

その日はバカバカしいという気持で帰ったが、翌週、再び同じ交霊会に出席したら、途中でうっかり居眠りをしてしまった。目覚めると慌てて非礼を詫びたが、すぐ隣に座っていた人が「今あなたは入神しておられたのですよ」と言ってから、こう続けた。

「入神中にあなたの指導霊が名前を名乗ってから、今日までずっとあなたを指導してきて、間もなくスピリチュアリストの集会で講演するようになると言っておられましたよ」

これを聞いてその青年はまた笑い飛ばしたが、それがその後間もなく現実となってしまった。

当初シルバーバーチは多くを語ることができず、それもひどいアクセントの英語だった。それが年をへるにつれて、語る回数が増えたことも手伝って、英語が飛躍的に上達し、今日ではその素朴で流麗な英語は、私がこれまで聞いたいかなる演説家もその右に出る者はいないほどである。

ところで、霊媒のバーバネルが本当に入神していることをどうやって確認するのか、という質問をよく受けるが、実はシルバーバーチがわれわれ列席者に、霊媒の手にピンを刺してみるように言ったことが一度ならずあった。恐る恐るそっと刺すと、思い切って深く刺しなさいと言う。すると当然、血が流れ出る。が、入神から覚めたバーバネルに聞いても全く記憶がないし、その傷跡も見当たらなかった。

もう一つよく受ける質問は霊媒の潜在意識の仕業でないことをどうやって見分けるのかということであるが、実はシルバーバーチとバーバネルとの間には思想的に完全に対立するものが幾つかあることが、そのよい証拠と言えよう。例えばシルバーバーチは再生説を説くが、バーバネルは通常意識の時は再生は絶対にないと主張する。そのくせ入神すると再生説を説く。

些細なことだが、もう一つの興味深い事実を紹介すると、シルバーバーチの霊言が《サイキック・ニューズ》紙に掲載されることになって速記録が取られることになるまでのことであるが、バーバネルがベッドに入ると、その日の交霊会で自分が入神中にしゃべったことが霊耳に聞こえてくるのだった。

これには訳がある。バーバネルはもともと入神霊媒となるのが嫌だったのであるが、自分がしゃべったことを後で聞かせてくれるのならという条件をシルバーバーチとの間で取りつけていたのである。速記録が取られるようになると、それきりそういう現象は止まった。

翌日その速記録が記事となったのを読んでバーバネルは、毎度のごとくその文章の美しさに驚く――自分の口から出た言葉なのに。

シルバーバーチは教えを説くことに専念しており、病気治療などは行わない。また心霊研究家が求めるような、証拠を意図したメッセージも滅多に持ち出さない。誠に申し訳ないが自分の使命は霊的教訓を説くことに限られているので、と言ってわれわれ人間側の要求の全てに応じられない理由を説明する。

最近私は各界の著名人を交霊会に招待している。牧師、ジャーナリスト、その他あらゆる分野から招いているが、シルバーバーチという人物にケチをつける者は一人としていない。その中の一人で若い牧師を招いた時、私は前もって「あなたの考えうる限りの難解な質問を用意していらっしゃい」と言っておいた。その牧師は日頃仲間の牧師からさんざん悪口を聞かされている“交霊会”というものに出席するというので、この機会に思い切ってその“霊”とやらをやり込めてやろうと意気込んで来たらしいが、シルバーバーチが例によって“摂理”というものを易しい言葉で説明すると、若者はそれきり黙り込んでしまった。難解きわまる神学がいとも簡単に解きほぐされてしまったからである。

さて、そのシルバーバーチを支配霊とする私のホームサークルは毎週金曜日の夜に開かれる。その霊言は定期的に《サイキック・ニューズ》紙に掲載される。その版権が私のホームサークルに所属するのは、サークルとしての私用を目的としてのことではなく、これを世界中に広めるためである。今ではシルバーバーチは地上のいかなる説教者よりも多くのファンをもつに至っている。あらゆる国、あらゆる民族、あらゆる肌色の人種の人々に敬愛されている。

しかし実を言うと、いったん活字になってしまうと、シルバーバーチの言葉も、その崇高さ、その温かさ、その威厳に満ちた雰囲気の片鱗しか伝えることが出来ない。交霊会の出席者は思わず感涙にむせぶことすらあるのである。シルバーバーチがどんなに謙虚にしゃべっても、高貴にして偉大なる霊の前にいることをひしひしと感じる。決して人を諌めない。そして絶対に人の悪口を言わない。

キリスト教では“ナザレのイエス”なる人物についてよく語るが、実は本当のことはほとんど知らずに語っているし、そもそもイエスという人物が実在した証拠は何一つ持ち合わせていないのである。

そのイエスをシルバーバーチは、彼が連絡を取り合っている霊団の中でも最高の霊格を持つ存在と位置づけている。長年にわたってシルバーバーチと親しく交わってきて、私はその誠実な人柄に全幅の信頼を置いているので、われわれはシルバーバーチの言う通り、新約聖書の主役であるイエス・キリストは地上で開始した霊的革新の使命に今なお携わっていると確信している。

そう信じて初めて(マタイ伝の最後に出ている)「見よ! 私はこの世の終わりまで常にあなたたちと共にいる」というイエスの言葉の真実の意味が理解できる。今の教会ではこの説明は出来ない。

これから紹介するシルバーバーチの教えを読まれるに当たってあらかじめ知っておいていただきたいのは、その全てが真っ暗闇の中で語られ、それがベテランの(盲人用の)点字速記者によって書き留められたという事実である。

元来じっくり語りかけるシルバーバーチも時には早口になることもあり、そんな時は付いて行くのは大変だったろうと察せられるが、あとで一語たりとも訂正する必要はなかった。もとよりそれはシルバーバーチの英語が完ぺきだったことにもよるであろう。が、通常の英語に直した時に要求される作業は句読点を書き込むだけで、しかもその位置はいつも、極めて自然に決まるような文章の流れになっていたというから驚きである。

シルバーバーチの哲学の基本的概念は、いわゆる汎神論である。すなわち神は大自然そのものに内在し、不変の法則として全てを支配している。要するに神とはその法則(摂理)なのである。それをシルバーバーチは「あなた方は大霊の中に存在し、また大霊はあなた方の中に存在します」と表現する。と言うことは、われわれ人間も潜在的にはミニチュアの神であり、絶対的創造原理の一部としての不可欠の存在を有しているということになる。

もっともシルバーバーチは理屈をこね回すだけの議論には耳を貸さない。人間は何らかの仕事をするためにこの地上へ来ているのだということを繰り返し説き、宗教とは「人のために自分を役立てること」と単純明快に定義する。そして、お粗末とは言えわれわれは、今この地上にあって、戦争に終止符をうち、飢餓を食い止め、神の恩寵が世界中にふんだんに行きわたる時代を招来するための、霊の道具であることを力説する。

「われわれが忠誠を捧げるのは一つの教義でもなく、一冊の書物でもなく、一個の教会でもなく、生命の大霊とその永遠不変の摂理です」――これがシルバーバーチの終始一貫して変わらぬ基本姿勢である。

それはサークルのメンバーの構成からも窺われる。当初のサークルは六人で構成されていたが、その中には三人のユダヤ人がいた。スピリチュアリズムでは民族の違いも宗教の違いにも頓着しないことの表れである。残りの三人も懐疑論者で、うち一人はメソジストの牧師だった人物で、スピリチュアリズムの真理を知ってメソジストの教義が信じられなくなり、サークルのメンバーになる前に脱会している。

シルバーバーチは、気分転換の意図もあってか、時おり自分以外の人物にも語らせている。《デイリー・メール》の創刊者ノースクリッフ、英国の小説家ゴールズワージー、同じく英国の小説家ホール・ケイン、政治家だったギルバート・パーカー、米国のジャーナリストだったホーラス・グリーリー、英国の聖職者ディック・シェパード、かの有名な大統領リンカーン、その他、サークルのメンバーの親しい知人などが声で出現している。

長年のメンバーである私は、シルバーバーチが前回での約束を忘れたという事実をついぞ知らない。そして、大切な真理を平易にそして人生に役立つ形で説くという本来の使命から一瞬たりとも逸脱したことがない。



Saturday, June 25, 2022

シアトルの夏 シルバーバーチのスピリチャルな法則 訳者解説     Translator's commentary Kazuo Kondo

 


 訳者解説     近藤千雄

 本書の中軸を構成している 「シルバーバーチ」 と名のる霊とその霊言については冒頭の訳注で解説してあるので、ここでは視点を変えて、スピリチュアリズムと呼ばれている大きな霊的な真理の流れの中で占めている位置と存在意義について解説しておきたい。

 それは冒頭に 『日本語版に寄せて』 の中で紹介されている本書の著者ニューマン氏の第二作 Spirit of the New Millnnium のタイトルに暗示されているスピリチュアリズムの淵源について解説するのが適切と考える。

 これは予備知識として、スピリチュアリズムの 「現象」 が勃発した米国も、その霊的な 「思想」 が発達した英国も、ともにキリスト教国であったことを知っておく必要がある。

 キリスト教というと誰しもイエス・キリストを思い浮かべ、いかにもイエスがその教祖であるかのような認識が一般的であるが、歴史的観点から見てもこれは西暦三二五年にコンスタンチヌス帝の命令で開かれた 「第一回ニケーヤ会議」 でキリスト教をローマの国教とすることが議決されたことから生じた誤解である。

 イエスがキリスト教とは何のつながりもないことは、拙訳 『イエス・キリスト失われた物語』 (ハート出版) をお読みになった方には明白であろう。

 その第一回の公会議は実に足掛け五カ月も続いたという。その間に百種類もあったとされるギリシャ語・ラテン語・コプト語・アルメニア語その他で記されていたイエスにまつわる文書に改ざんが施され、それが今日の 『新約聖書』 の原型となったという。

当時はラテン語とギリシャ語で書かれていて、一般庶民は教会へ通っても意味の分からない言葉で行われる祈祷や祝福を有り難く受けるだけだった。日本人にとっての仏教の儀式と似たようなものを想像すればよいであろう。

 が、実はそれだけではなかったところに問題がある。四カ月以上にも及ぶ期間に、コンスタンチヌス派の司教によって 『新約聖書』 とは全く関係のない 「ドグマ」 (独断的教義) が制定されていたことである。これは霊的な観点から見た時に極めて重大な点で、シルバーバーチはこれを Superstructure (上部構造) と呼び、キリスト教にまつわる諸悪の根源がそこにあることを指摘し、その弊害をしつこいほど説いている。

「最後の審判説」 「贖罪説」 等がそれで、イエスは方言もそんなことは説いていない。ニューマン氏が新著に使用した Millennium (ミレニアム) もその一つで、これに new (新たな) を付したことに大きな意味があることに私は直感した。

 この Millennium とは言語的には 「一千年」 であり、century が 「百年」 であるように格別の意味はないが、大文字で使うとキリスト教の 「至福千年」 を意味する。すなわちイエスが再臨してこの世を統治し、正義と平和があまねく支配する黄金時代が一千年続くという。これは 「ヨハネ黙示録」 の20:1‐7から出たものという。

手元に聖書をお持ちの方は確認していただくことにして、私の個人的な意見は控えたい。要するに強引にそういうことにしたということである。

 さてキリスト教ではイエスの 「再臨」 のことを Second Advent ないしは Second Coming と呼んでいるが、シルバーバーチを始めとする高等な霊界通信は一致して、イエスが説いた摂理が再び説かれる時代が来るという意味で、スピリチュアリズムがそれであると言い、その証拠として、このスピリチュアリズムという名のもとに始められた地上の霊的浄化運動の背後に控える最高指揮者が、ほかならぬ地上で 「ナザレのイエス」 と呼ばれた人物であるという事実を挙げている。

「スピリチュアリズムのバイブル」 とまで言われているステイントン・モーゼスの自動書記通信の中に、最高指導霊インペレーターとモーゼスとの、次のようなQ&Aがある。モーゼスが 「キリストの再臨」 について尋ねたのに対して───

「聖書の記録の言い回しには、あまりこだわらぬがよい。曖昧で、しかも誤って記されている場合が多いからである。つまりイエスが語った言葉の真意を理解できぬ者が、いい加減な印象を記録した。

それがさらに拙劣な用語で他の言語に翻訳され、結局は間違った概念が伝えられることになった。こうした制約を受けながらも、主イエスが地上時代に語ったことの中には、今まさに成就されつつあることが、特に新たなる啓示において、概略ながら多く存在する。

地上にありながら、自分の死後ふたたび地上世界で説かれることになる摂理のことを述べたのである」

───では 「帰って来る」 というのは、純粋に霊的な意味なのでしょうか。

 「その通りである。今まさに主イエスが新たな啓示をたずさえて地上界へ帰ってきつつあるのである。それを、中継の霊団を通して行っておられる。必要とあれば、自ら影響力を行使なさることもあるかもしれぬ。が、肉体に宿って再生されることは絶対にない。今はまさしく霊の時代であり、影響力も霊的である。その影響力は主イエスが地上に降りられた時代のそれと類似している」

 「〝変容の丘〟において主イエスは、影響力の通路となっていた二人の霊、すなわちモーゼとエリヤと現実に語り合った (物質化現象)。 その二人はこのたびのスピリチュアリズム及び歴史上の幾つかの霊的活動に深く関わってきており、今なお関わっておられる。

主イエスの指示のもとに、このたびの活動を鼓舞し指揮しておられる。これで我々がスピリチュアリズムの活動が宗教的なものであると述べた理由が分かるであろう」 (『インペレーターの霊訓』 〈潮文社〉 )

 ニューマン氏はこうした霊界からのメッセージこそ人類が忘れ去っている究極の真理であるとの確信から新著にあえて New (あらたな) を付して、これが理解された時代こそが本当の意味での〝黄金時代〟なのだと訴え、あえて The Ultimate Theory (究極の摂理) という大胆な副題を付した。本著 The Universe of Silver Birch はその入門書と思っていただきたい、と私への私信で述べている。

 ニューマン氏はどこかで───あえて言えば霊的な次元で───相通じ合うものがあったのだろうか、私はSTF (霊的真理普及基金) のジュフリー・クラッグス氏から 『シルバーバーチのスピリチュアルな生き方Q&A』 (ハート出版) の翻訳・出版許可通知と一緒に送られてきた出版リストの中に本書のタイトルを見つけて、早速注文をすると同時に翻訳・出版許可も申し込んでいる。

 ニューマン氏が本格的にシルバーバーチの霊言と出会ったのが一九九二年で、私はその頃毎週のように 『サイキック・ニューズ』 に掲載されるニューマン氏の記事を欠かさず読み、その顔写真を切り取ったりしている。

赤茶けてしまっているが、今も残っている。今回サイン入りで進呈していただいた新著にはそれと同じ写真が使用されていて、懐かしく思った次第である。

 もう一つ、自分でも驚いたのは、平成六年にハート出版から出版された 『古代霊シルバーバーチ・新たなる啓示』 の 「訳者あとがき」 に私がこのニューマン氏の記事を訳出して紹介している事実を、本書の編集を担当して下さった是安宏明氏から指摘されて、私がやはりニューマン氏のものの考え方によほど共感していたことを知った。

内容的に決して古さを感じさせないので、最後にそれを採録して参考に供したい。題して 『科学者よ、シルバーバーチを読め!』 《シルバーバーチを愛読している人でも、その奥深い意味まで理解している人は案外少ないものだ。それほどシルバーバーチの教えには含蓄がある。

 私に言わせれば、むしろ科学者がシルバーバーチを読めば、そしてその奥に秘められた意味を理解すれば、いま科学者を悩ませている難問への回答を見出すに違いない。現代の科学が到達した宇宙観によれば、どうやら我々が認識している世界が全てではないらしいこと、今こうして生活している世界と共存の形で無数の世界が存在しているらしいこと、それらの中にはこの地球と同じ世界もあれば全く異なる世界もあるらしい、ということである。

 最新の量子論からいっても、そうした別世界(オールターナティヴ)は地上界から絶縁した世界ではなく、この物質の世界と触れ合い、互いの原子が押し合いへし合いしていても少しもおかしくはないのだ。

 そのオールターナティヴにも、我々地球人類と同じ精神構造と身体構造をしている存在が生活している───基本的にはその意識的生活は同じであることも、十分にあり得るのだ。

 結局のところ生命とは、たぶん科学的結合をベースとして、宇宙エネルギーが組織的に形態を具えたもの、との定義にたどり着く。この定義は科学者なら誰しも納得がいく。問題は、目に見えざる世界が存在する、そのありようがしっくり認識できない点にあると言える。

 そこでシルバーバーチに登場願うことになる。シルバーバーチは平面的な〝場〟を意味する Plane と言う用語を用いずに〝状態〟を意味する state を用いている。シルバーバーチは言う───

 「すべてが混ざり合った状態にあるのです。無線電信の波動が宇宙に充満しているのと同じ状態です。いろいろな波長があり、いろいろなバイブレーションがあります。が、それらが同時に同じ場に共存できるのです。境界というものはありません。波動が異なるだけです。反応する意識の側面が違うのです」

 このことから考えると、地上生活というのは、脳髄という物質を通して活動する精神をコントロールしている、ある一定レベルの意識での生活の場ということになる。つまり五感でキャッチしたものが、脳と生命の糸 (魂の緒) を通して精神ないしは魂へと伝えられて、それぞれの反応を生じる、ということである。

 このことはさらに、人のために役立つ心がけと中庸の生活こそが意識レベルを高め、精神の活動の場を広げることになる、という考えを生む。結局〝死〟というのは、肉体から離れた魂がその意識レベルに相当したバイブレーションのオールターナティヴへ移動するだけのこと、ということになる。死後の環境に違和感を感じないというのは当然のことなのである。

 その後の進化についてもシルバーバーチは簡潔にこう述べる───

「魂が成長すれば、波動のより高い状態に適応できるようになり、自動的により高い階層で生活することになります」

 その階層の持つ電磁波の作用でそうなるのであろう。となると当然、乱れた生活をしている人間は、その乱れた波動に似合った世界へと引きつけられていくことになる。かくして聖書の通り 「麦ともみ殻が選り分けられ」 「多くの住処」 が生じるわけである》
  (『サイキック・ニューズ』一九九三年四月二四日号より)

Thursday, June 23, 2022

シアトルの夏 オーラを読む  生命を形づくるメカニズム  Read the aura: The mechanism that shapes life




 現段階の人類の霊的感覚で確認できるオーラには限度があります。全体が卵形をして肉体を包んでいて、どす黒い赤から鮮明な紫までの色彩を放散しています。

中心部はかなり安定した形体をしていますが、外部は感情を反映していて不安定です。そうした色彩と安定感から、その人物のその時の感情や性格が判断できます。

 大ざっぱに言うと、鮮明な赤色は怒りと勢い、それがどす黒くなると激情と情欲、茶色は貪欲、バラ色は愛情、黄色は知性、紫色は霊性、青色は宗教的献身、緑色は欺瞞と嫉妬心、それに強い濃淡が加わると同情心の深さを示しますが、これに加えてオーラから健康状態が読み取れます。

 ロシアの研究家シミョーン・キルリアンは、高電圧・高周波による写真撮影によって、そうしたオーラの目立った色彩の解釈とその医学的診断への応用価値を確認しています。

前章の終わり (〈補注2〉前後) で私は複数の霊的身体が一つのオーラの中に存在していて、それぞれが独自の周波数ないし振動数、ないしは波長をしていると述べましたが、これはカラー・スペクトルとも完全に一致します。

 その電磁場の一つの周波数ないしは振動数が変わると、電磁気的性質のために同質の電磁場との相互作用によってオーラに色彩の変化が生じます。

例えば考えに動揺が生じると、オーラの色彩にも揺らぎが生じます。が、その人物の性格の根幹をなしている考えや理想はオーラの中でも安定した部位に現れています。

シルバーバーチは 「私がバイブレーションという用語を用いる時、それは要するにエネルギーのことです。(中略) 宇宙に存在するものはすべてバイブレート(振動)し、放射し、活動しています」 と言っています。本章で述べることは大体この線に沿っているものと思ってください。

 では、ホワイトイーグルが説くオーラとその機能についての解説を一歩進めてみましょう。

 ホワイトイーグルが最初にあげるのはバイタル・ボディ(ダブルに相当。後述) です。これをホワイトイーグルは 「二、三インチの厚みの層をしたオーラで、青っぽい色彩をしていて、物的身体から放射している」 と述べています。

霊視能力者の目に映じているのは物的身体に浸透している生命力すなわち霊的エネルギーで、それが霊的生命と地上的生命 (物質) の媒介役をしているわけです。霊すなわち電磁気的エネルギーを通してはたらいている知性と物質は、そのようにしてつながっているわけです。

 お気づきのようにホワイトイーグルもシルバーバーチと同じように 「物的身体から放射している」 という表現をしていますが、これは厳密に言うと間違いです。が、このあと説明するように両者は渾然一体となってはたらいているので、そう表現しても良いでしょう。

 前章の最後の②で私は 「オーラはホログラム的性質をしており、情報の記憶と検索の手段となるし、いくら分割しても自己同一性を保持する手段ともなると」 述べましたが、この前半は 「オーラのホログラム的特質が情報の記憶と検索の手段となり・・・・・」 と書き改めねばならないでしょう。

これでお分かりのように、オーラという電磁場は一種のコンピュータであり、バー教授やイニューシン博士が示唆しているように、物的身体の鋳型(マトリックス)としての機能を果たしているわけです。

 では、その情報が霊と物的身体との間でやり取りされるのは一体いかなる手段によるのかということになりますが、それを科学的に検証している学者がいます。ハーバード・L・カーニング教授とウォルター・クロイ博士で、次のように述べています。

 「これらの場が電磁気的シグナルを発し、それが瞬時に体の適切な箇所の皮膚組織から穏やかに浸透する。

どうやらそのシグナルは基本的な制御機能を果たしているらしく、接触箇所から結合組織を通って臓器の細胞へ情報を伝え、代わってその臓器が同じ経路を使って内的な連絡を取り合う」

 これをV・スタンレー・アルダー女史は次のように叙述しています。


 「エセリック・ボディ (霊的磁場=ダブル) の中でも活動が活発で密度の高い部分は網状組織になっており───キメの細かい格子状の神経組織で核を構成している───その核の中心に渦巻、つまり〝生命力の中枢〟があり、これが生理学で言う内分泌腺である」

「エセリック・ボディは同じ次元の視力でみると星のように輝くもの───生命の中枢───を散りばめた、光輝あふれる蜘蛛の巣状をしているが、これを更に次元の高いアストラルな視力で見ると、まったく別の様相を呈している」

 アストラル・ボディ (幽体) の原子は水晶状をしたキメの細かい、キラキラと輝く色彩豊かな様相を呈しており、常に渦巻状の動きをしている。

それがアストラル・ボディの中心から辺縁(へんえん) へ出てきて周辺をめぐり、また内部へと戻っていく、という回転運動を繰り返している。この回転運動は前述の生命の中枢から始まる。その中枢も小さな渦巻状をしている。

こうした霊視能力による観察によって、オーラのエネルギー中枢は物的身体の健康維持に深く関わっている内分泌組織、すなわち松果体、脳下垂体、甲状腺、胸腺、膵臓、副腎、及び生殖腺の部位に集中している事実が明らかとなったわけです。

これらを東洋の古来の神秘思想では 「チャクラ」 と呼んでいます。私の推測では、これらのチャクラが閉じられる、つまり機能が低下すると、いろいろな症状が出るようです。

前出のロシアの研究家キルリアン氏は木の葉の実験で、健康な葉はキラキラと輝く整然としたオーラを構成しており、その一部を切り取っても全体としてのオーラの場は破壊されていないことを実証しています。

 この実験結果一つを見ても、オーラと呼ばれている霊的な鋳型(マトリックス)は物質の死に至るまで損なわれることがないことを認めねばならないでしょう。キルリアン氏は 「枯死していく葉からオーラが離れる瞬間に最終のきらめきを観察した」 と述べています。

 これと同じ現象はバーンハード・ルース博士による次の叙述によっても実証されています───「タネから発芽した苗木の死は、光子(フォトン) 放出の突然の増加によって知れる。ここに生き物の死には必ず光子放出の増加が伴うものなのかという疑問が生じる」

 〝光子放出〟という用語は、科学がこれを物質だけの現象と見ていること、そして研究が物質的なものに限られている事実を物語っています。常識的に考えて、もしそうだとすれば、生命のある物体の死滅に際して光子の放出は、増えるよりもむしろ減るはずなのですが・・・・・・。

 続けてルース博士は 「光の放出をコントロールしている過程が細胞内部の反応の速度に影響している」 と述べていますが、ヘルムート・フィッシャー博士はこのことに関して次のようなコメントを加えています─── 「しかし光子、すなわち〝物質的につながった量子〟が、

例えば遺伝学が指摘する調節機能として、細胞生物学的過程の制御役を果たしているということは考えられるし、あり得ることである」

 その過程に関連してF・Aポップ博士は 「このようにDNAは〝光子貯蔵庫〟の役を果たしている」 と、新しい造語を導入して述べているが、これは北京の中国科学アカデミーの研究によっても確認されています。

 ポップ博士はさらに続けて 「光子はさらに免疫活動、修復活動、さらにDNAの複製やRNAへの転写といった遺伝子コントロールの分子的基盤を提供する能力を十分にそなえている」 とのべています。

 ここでもまた科学者は、物質一辺倒の思考のためにプロセスを逆に捉えています。光子と身体機能との関係に限って言えばその通りなのですが、今までのところ彼らは、光子は貯蔵と供給を受け持つだけで、その次元で生物と無生物との区別なくDNAをコントロールしていて、その逆ではないことを認めようとしません。

 実は私はポップ博士へ宛てて、そうした次元での光子の働きの背後にオーラという霊的な電磁場が存在することを示唆する資料を送ってみました。博士は次のような丁重な礼状を送ってきました───

 「人体の優美な図柄について解説した資料(キルリアン写真などのことであろう──訳者)、有り難く拝見しました。多分、貴兄のおっしゃる通りかもしれません。科学の研究成果と太古からの伝統的医術との関連について改めてお説を窺って、とても興味深く思いました」

 私は、正直言って博士にはもう一歩踏み込んだ理解を期待していました。というのは、博士の研究成果はホワイトイーグルのオーラの説明ときわめて密接に繋がっているからなのです。しかし、その〝もう一歩が〟欠落しているようです。

 こうした科学的研究がオーラの次元にたどりつくまでに数学的計算を延々と続けている事態を見ていると、シルバーバーチが 「実相は至って単純なのです。ところが地上の人間は単純では気が済まないのです。従来の形式と慣例を後生大事にします。

コピーし、真似することが好きなのです」 という言葉がなるほどと思えてきます。科学は、何が何でも数学的計算に知的エネルギーを費やすという、昔ながらのしきたりを捨てきれないのです。
℘85
 地上生活を活性化するためには、その科学者の知性に霊的感性を加味する以外に道はありません。古代の哲学者は、今日のような科学的知識がなかったにもかかわらず、宇宙の本質について今日の科学者よりもはるかに深い認識を直感していました。

Wednesday, June 22, 2022

シアトルの夏 あなたが口にしたこと、あなたが心に抱いたこと、あなたが行ったことのすべてがオーラに刻まれています。


The UNIVERSE of SILVER BIRCH   by     Frank Newman 

 Everything you say, what you have in mind,  and what you have done is engraved in the aura.



ホワイトイーグルの次の言葉に得心がいくことでしょう。

 「あなた方は地上生活中に自分のオーラを築いているのです、さまざまな欲望の充足を通して幽体を養い、幽体を通して霊体と本体を養っているのです。本体も地上生活における行為とその反作用、心に抱く思念と願望によって構築されていくのです」

 物的環境における五感の作用の影響によって霊的に向上すると、思考のレベルも向上します。

かくして 「類は類をもって集まる」 ように、意識が高まるにつれて本体の磁場の波動に触れるようになります。霊能者の背後霊団に〝入れ替え〟があるということが言われていますが、それは多分このことでしょう。

 それをシルバーバーチは別の角度から次のように述べています。

 「あなた方が生き、動き、呼吸し、考え、反省し、決断し、判断し、思いを巡らし熟慮するのも、霊の力のお蔭です。見聞きし、動き、歩き、思考し、おしゃべりするのも霊力のお陰です。

あなたの為すことの全て、あなたの存在を形成するものすべてが霊力のお蔭なのです。なぜなら、物質界の全て、あなたの物的身体も、存在と目的と方向性と生命を付与する霊的エネルギーの流入があるからこそなのです」

 「皆さんには肉体の鋳型としてのエーテル質の身体 (ダブル) があります。が、これには筋肉とか胃液とか聴覚とかはそなわっておりません。これは霊が肉体として顕現し、有効に機能するための中継的存在であり、死とともに霊が次の階層の生活にそなえるための基本的な役目を終えます」

 「それは程なくして脱け殻のように剥がれ落ち、変わって別の身体が用意されます。霊的純化の過程を重ねるためには幾つもの身体が必要なのです。皆さんにはそのための身体が幾種類もそなわっています」

 「人生の目的は進化であり、成長であり、成就です。進化するにつれて自動的に古い身体を捨てて、次の段階に必要な新しい身体をまといます」

 「現段階においても、皆さんには幾つのも身体がそなわっていて、それぞれの次元で顕現しているのです。肉体を捨てると今度は幽体をまといますが、それは地上生活中もずっとそなわっていて、その次元のバイブレーションで機能していたのです。

肉体が今のあなた方には実感があるように、その次元においては幽体に実感があるのです」

 「あなた方には複数の身体がそなわっています。それを幽体とか霊体とか本体とか呼んでいます。到達した次元にふさわしい身体で自我を表現します。

次の次元の階層へ行けばそれまでの身体は毛虫が脱皮するように脱ぎ捨てます。到達して発段階にふさわしい形態で自我を表現するわけです。そうした形での発展が無限に続くのです」

 「見方によっては、地上界も幽界の一部であると言えないこともありません。全ての階層が、個別に仕切られているのではなく、互いに浸透し合っているからです。全宇宙の生命の全階層が互いに混じり合い浸透し合っており、それに霊的側面、幽的側面、物的側面があるということです。

今こうして地上で生活している皆さんも、同時に霊的世界ともつながっていることになります」
℘102
 「全生命は一つで、それに無限の進化の段階があるということです。あなたはいずれ霊界の住民となりますが、今この時点でも立派に霊界の住民なのです。要はバイブレーションの問題です。

あなたはいずれ霊的存在となりますが、今この時点でも立派に霊的存在なのです。死んでから霊的存在となるのではありません。死はあなたの霊格を一ミリたりとも伸ばしてくれません」

 「あなたは霊なのです。これまでもずっと霊でしたし、これからも霊であり続けます。今の自我意識は物的身体を通して顕現した部分だけの意識です。あなた方のおっしゃる〝死〟のあとにさらに進化していくにつれて、それまで未開発の部分が顕現されていきます。

しかし、霊そのものはどこかへ行ってしまうわけではありません。どこかからやってきたわけでもありません。ずっと存在していましたし、今も存在していますし、これからもずっと存在し続けます」

 「もし皆さんが、自分が肉体を携えた霊的存在であること、地上界が全てではないこと、物的なものは束の間の存在であることを自覚してくだされば。もしも皆さんが、本当の自分、不滅の自分、神性を帯びた自分が死後も生き延びて無限の進化を続けることを自覚してくだされば」
℘103 
 「そうすれば、賢明なるあなたは自然の成り行きで、本来の生活の場である死後の世界にそなえた生活を送ることになることでしょう。あなたのなさる行為のすべてが、到達した霊的覚醒のレベルに似合ったものとなることでしょう」

 ダブルも含めた幽体についての以上の説明をまとめると、我々人間は肉体と一体となってはたらく目に見えない身体を通して、物質界の波動の中での行為とその反動によって築かれる意識レベルで、自我を表現していることになります。

 その幽体の磁場を支配しているオーラは、他の幾つかの磁場から出るオーラと渾然一体となっていて、五感を通して吸収した知識のすべてが蓄積され、必要に応じて検索することが可能であるといいます。「したがって・・・・・」 と、シルバーバーチは続けてこう語っています───

 「オーラを霊視しその意味を解釈できる人には、その人物の秘密のすべてが丸見えということになります。魂が今どの程度の段階にあるか、精神がどの程度まで発達しているかが分ります。要するに霊性進化の程度をオーラが物語っているのです。言わば、書物を読むようなものです」

 「あなたが口にしたこと、あなたが心に抱いたこと、あなたが行ったことのすべてがオーラに刻まれています。外面をいくら繕っても、あなたの内部の本性をそのまま表しておりますから、オーラはいわば永遠の鑑定書のようなものです」

となると当然キリスト教で言う 「白い立派な椅子に腰かけた人」 がいて審判を下す、というようなことはないことになります。

この地上生活中に、我々各自のオーラに刻まれた人生体験を通じて、自分が自分の審判者ともなり陪審員ともなるのです。霊的進化の次の階梯がどのようなものになるかは、そのオーラのバイブレーションによって決まることになります。

 例えば、どす黒いオーラを持った人、汚れた赤色のオーラをした人、グレーないしは茶色のオーラをした人は、死後、それぞれが暗示するレベルの階層、暗くて陰気な世界へ赴くことになります。ブルーやパープル (深紅色) をした人は我欲を滅却した、霊性の高い魂が集まる階層へ赴きます。類は類を持って集まるわけです。

 ホワイトイーグルはこの幽体の他にさらに霊体と本体の存在を指摘して、次のように述べています───

 「この幽体の向こうに、もう一つ、同じような卵形をしていながら、さらに霊妙な成分で構成されたオーラが見えます。これが霊体のオーラです。これも思念の変化に応じて次々と色彩を変化させています。

そして、この霊体のさらに向こうに、それと浸透し合うように、さらに一段と霊妙なバイブレーションをした神体ないし本体のオーラが見えます。形体も美しく、殆ど形容できないほど神々しい色彩をしています。譬えるものが地上に見当たらないからです」

 ホワイトイーグルが言っていますーー

 「人間の自我がこの本体に宿るのは、肉体が地上生活を終え、幽体による幽界生活───サマーランド 〈補注3〉 も含む───を終え、さらに霊体による霊界生活を終えてからです。それぞれの階層はそれぞれのオーラに宿って初めて体験できるのです」

Tuesday, June 21, 2022

シアトルの夏 アインシュタイン博士は自分の宗教観をこう述べています  Dr. Einstein describes his view of religion as follows:

 



 複数の霊的身体が一つのオーラの中に存在していて、しかもそれぞれに独立しているという事実は、それぞれが独自の振動数、バイブレーション、ないしは波長をしているということを意味しています。

かくして私たち人間は、同じオーラの中に、科学的表現をすれば〝電磁気的〟性質を持ち、紫外線から可視光線、そして赤外線に至るまでの範囲で機能しているエネルギー場を有していることになります。

各種の電磁気的領域をもつ複合的身体がそのオーラの中に存在していることが合理的に説明できるわけで、シルバーバーチが説いていることと一致するわけです。


 この霊的磁場の本来の性質上、シルバーバーチは 「一つの磁場が別の磁場の中に入ると必ず相互作用が生じ、そこに大きな意味のある結果を生み出す」 と言っていますが、これを電磁気的に表現すれば、一個の身体の中で周波数、振動数、ないしは波長の変化が生じれば、それとつながった電磁場すなわち身体に同じ変化を生じさせる、ということです。

 シルバーバーチの〝大霊〟という用語を用いて、これは 「宇宙の自然法則のことです。大霊は全生命の背後の創造的エネルギーであり、物資の世界と霊の世界の区別なく作用しています。

大霊の無限の知性が森羅万象を計画し、その維持のための不変の法則を創り出したのです」 と述べています。この大霊の概念だけは、世界中の伝統的宗教の神の概念と齟齬(そご)することは絶対にないと信じます。

 アインシュタイン博士は自分の宗教観をこう述べています───

 「自然法則の調和の完璧さに打たれた時、私は恍惚的感動とも言うべき一種の宗教的心情にひたる。その知性の崇高さに私はただただ感嘆するのみで、人間の系統だった思考だの行動だのが無意味な悪あがきのように思える」

 ですから、物質がいかなる形態をとっても、そこには神の別名である〝知性〟の働きがあるに違いないのです。世界の多くの科学者が、さまざまな形での実験・研究によって突き止め、

へルムート・ブライトハウプト博士によって論文にまとめられたホログラフィー 〈補注3〉 の理論によって、「人間各自のオーラの中に宇宙全体の情報が組み込まれている」 と言うシルバーバーチの表現は、決して大げさでないことが分ります。

 〈訳者補注3〉
 個体のどの部分の、いかに小さな分子にも、その個体全体の情報が組み込まれているというホログラム理論を証明する技術で、DNA鑑定に用いられている手法と原理的には同じ。一滴の血液、一片の細胞の中にも、その人間の全情報が組み込まれているという。

 
 最近の法医学でよく行われている血液や精液の検査の原理も、人体のどの個所の、いかがに少量の痕跡からでも、その人物の全体を知る手掛かりとなるからであるが、シルバーバーチの教えから推測すれば霊的磁場がDNAすらコントロールしていることになる。

H・S・バー教授やV・M・イニューシン博士などの研究によって、霊的磁場は物的身体の鋳型であることが明らかとなってきた。

 さらにバー博士は、それらの磁場は 「その鋳型の精巧なパターンに従って分子を再構築したり置き換えたりする作業をコントロールしながら、その物的身体の維持を請け負っている」 と述べている。要するにDNAによる身体の物的形状は、それを取り巻いている電磁気的オーラから出ていると理解してよいわけである。

 以上をまとめると───


①オーラはさまざまな次元の電磁気的エネルギーの場で機能している複数の身体の産物である。

②オーラはホログラム的性質をしており、情報の記憶と検索の手段となるし、いかに分割しても自己同一性を保持することができる。

③電磁場の次元を変化させることによって同質の他の電磁場との相互作用が生じ、さまざまな反応を生み出すことになる。

 かくしてシルバーバーチと名のるスピリットは、その性格に似合った次元の電磁場を通してはたらいている知性、ということになるわけです。



Monday, June 20, 2022

シアトルの初夏 人間の本質・宇宙の本質  物質を超えた新しい考え方のヒント The essence of human beings and the essence of the universe.




人間の本質・宇宙の本質  物質を超えた新しい考え方のヒント


「物質そのものには存在はありません。物質は霊による働きかけによって存在を得ているのです」

 「霊は物質に勝ります。霊が王様であり物質は従僕です。霊が全てを支配しています。全生命が創造される、そのエッセンスです。霊こそ生命であり、生命とは霊だからです」

 「本来、人間は肉体をたずさえた霊であり、霊を宿した肉体ではありません。肉体は霊の指示によってはたらく従僕です」

 「物質は霊のおかげで存在を得ているのです。霊こそ永遠の実在です。霊が破壊されることはありません。滅びることもありません。不死であり、無限です」

 「物質界のどこを見ても実在であることを示すしるしを見出すことは出来ません。なぜなら物質はその存在を霊に依存しているからです。物質は霊的実在がたった一つのバイブレーションの形態で顕現したものに過ぎません。

あなた方は物的身体をたずさえた霊的存在です。永遠の実在は霊であって、物的身体ではありません」

 「地上界の問題の大半は唯物思想が人間の行為と考えを牛耳っていることに起因しています。

その中でも貪欲と強欲が、地上界を毒している悪性のガンです。人生は全て霊を基盤として営まれており、物質を基盤としているのではないという基本的真理の知識、その理解によって駆逐しなければなりません」

 「この知識と調和した生活を送れば、霊的に、精神的に、そして物質的にも、幸せにとって不可欠のものを自動的に手にすることになります。物質中心主義の考えが生活を支配しすぎるところに間違いがあるのです」

 シルバーバーチの霊言をお読みになっている人の中で、はたして何人の方が、ここに引用した霊と物質の関係についての説明の本当の意味を理解なさっているでしょうか。

ひとくちで言えば、物質も生命も霊力を根源として存在しているということです。これは宇宙そのものも、極微の分子から星雲を構成する天体に至るまで、霊力の産物であることを意味します。

 唯物的科学者にとって、いや、現在の地上人口の大部分の人間にとっても、この物質の世界が五感を超越したエネルギーの一形態に過ぎないという説は 「ナンセンス」 としか思えないでしょう。

しかし、実は科学者の中にも、少数ではありますが、いつしか自分で勝手に作り上げたそうした先入観の殻を打ち破り、〝霊〟という概念にまでは至っていませんが、シルバーバーチの言う 「物質は霊の産物」 と同じ概念 〈補注1〉 を証明する段階に至っている者がいるのです。


 〈訳者補注1〉  
 著者ニューマン氏は具体的なことを述べていないが、アインシュタインのE=mc の方程式は物質とエネルギーが互いに転換可能であることを示したものである。また、紫綬褒章を受賞された関英男博士 (工学博士・電気工学) から聞いた話によると、ニュートンは 「ニュートン力学」 を完成させたあと霊的なことや神秘的なことに興味を抱き、

その分野のことを何冊かの書物に著しいて、霊的なことを百パーセント認めており、それは米国の大学の図書館に保管されていて、関博士は講師として在任中にそれを読んだとおっしゃっていた。
  

 この教えこそ人生全体を明るく照らし、理解しがたいことを理解しやすくしてくれる、とシルバーバーチは言うのですが、確かにこの事実さえ飲み込む事ができれば、宇宙の本質についてさらに一段と深く踏み込むことが出来るようになります。

何といっても人類そのものがどういう存在かがわかるようになり、宇宙がどのように機能しているかが分かるようになり、病気治療も肉体ばかりいじくることがなくなり、霊力を活用して治療するようになるでしょう。

 シルバーバーチの言う〝霊〟の本質を科学的に解明すれば、人類全体の精神構造に新鮮な変革がもたらされることでしょう。

人類はみな同じ始源に発して同じ始源に帰ること、宇宙のものすべてが自然法則 (摂理) によって存在を得ており、従って〝超自然的〟なものは存在しないことが理解できれば、我々人類は民族、肌の色、宗教的教義の違いに関係なく兄弟姉妹であるから、全体の調和に向かって強調すべきであるとの結論に到達するはずなのです。

 さらに〝生〟と〝死〟の本質が科学的に解明されれば、その間の短い人生において、人類全体と宇宙全体のために個々人は何をなすべきかについて、理解がいくことでしょう。

人類は霊的に永遠不滅であることに得心がいけば、個人どうし、国家どうし、そして環境と調和のとれた共存へ向けて弾みがつくことでしょう。

 科学的な位置付けができれば、シルバーバーチが言う通り、科学者はもとより哲学者も自由思想家も、それに反発を覚えるはずはありません。知識にはそれぞれ〝持ち分〟というものがあります。

ジグソーパズルと同じで、それぞれの知識が持ち分の〝場〟に落ち着けば全体が調和します。それを確認するのが科学者の役目です。ところが、唯物科学者はそれを目の前に見せられても、唯物的本能が五感で確認できないものの受け入れを拒否させるのです。

 彼らが人体を包み込むように存在する複数の霊的身体 (十八ページの図) の証拠を前にして、それらの物的身体の健康状態が反映することを明確に認めるかどうか、極めて疑問です。

実際にはその霊的磁場に肉体の調子が反映しているといっても良いのです。物的身体とそれを取り巻くエネルギー場とがそこでつながって〝オーラ〟を発しているからです。

 シルバーバーチは〝霊〟について次のように定義しています───

 「霊の働きは視覚には映じません。人間界のいかなる尺度にも引っかかりません。長さもなく、幅もなく、色もなく、味もなく、香りもありません」

 しかし、一つだけ人間に確認できる尺度があります。これまでEMRスキャナーで電気的に計測してきた方法を応用して、E・K・マラー博士が霊的磁場について次のような調査結果を発表しています。

① その性質は一般に言う〝電気的〟なものでなく〝電磁気的〟な力学で計測できる。

② その〝場〟は絶縁体を導体に変換することができる。

③ ガラス、雲母、銅、アルミホイルを貫通する。

④ 身体を循環する血液の速度と質によって、その強さが異なる。質は食べ物と飲み物、運動量によって影響される。意思の力もその場の強さに影響を及ぼす。

こうしたデータは大半の読者には信じられないことかも知れません。ここに紹介した目的は、どこか思い当たる人のために、ついに機器によってもそれが確認できるようになったことを知っていただくためです。

 ところで、シルバーバーチは 「オーラは肉体から出るバイブレーションによって構成されている」 と述べていますが、これは明らかに 「物質は霊の産物」 という表現と矛盾しています。が、

④によって、シルバーバーチが言っているのはその電磁場の中においてのことであることに得心がいきます。

 しかし同時に私は、シルバーバーチが 「オーラにも色々と種類があるのです」 と述べていることにも注意を喚起したい。 「その中でも人間が気付いているのは物的身体と霊的身体を取り巻いているオーラだけです。すべての物、意識を持たない物体にも、オーラがあります」

 このオーラに関してはホワイトイーグル 〈補注2〉 の方が細かく叙述していて、基礎的な科学的知識があれば得心がいきます。オーラの中に複数の独立した身体があるという表現をしていますが、さきほどの 「物的身体と霊的身体を取り巻いているオーラ」 と言う表現から、シルバーバーチも同じことを述べていることが分ります。

 
 〈訳者補注2〉
 ホワイトイーグルとは、シルバーバーチがバーバネルを霊媒として出現したのとほぼ同じ時期に、グレース・クックを霊媒として出現した指導霊。グレース亡きあと、娘のアイヴァンが霊媒となって、今でも 「ホワイト・イーグルの会」 を組織して活動している。

Sunday, June 19, 2022

シアトルの初夏 学ぶ前に、それまでの知識を洗い直さないといけません "Before learning, we have to re-examine our knowledge."

 



それにお金はいりません。必要なのは時間と忍耐力、そして、いかにして高次元の世界の波動に合わせるかの問題だということです。

 波動が合わせられるレベルは、人間性を形成する上で大きく関わる広範囲のテーマや興味にいかなる態度で臨むかによって違ってきます。

それ次第で見えざる世界のどのレベルのスピリットと波動が合うか───呪術師ていどか、それとも煩悩の束縛から解放された高次元のスピリットなのかが決ります。私を指導してくれているスピリットがどの程度のレベルのものか知りませんが、漠然とした集団でないことだけは確かでしょう。

 私が判断している限りで言えば、シルバーバーチの教えは 「いったい自分とは何なのか、宇宙とは何なのか、そして全てを創造した大霊とは何なのかについての理解に必要な摂理と実在について」 現段階の人類に理解できるレベルのカギを与えてくれているものと思っています。

そして 「それが人類の全体像を明るく照らし出し、不可解に思えていたことを理解しやすくしてくれます」

 さらにシルバーバーチは、「学ぶ前に、それまでの知識を洗い直さないといけません」 と述べておりますが、これは 「余りに長い間進歩のブレーキとなってきた、誤った教え」 が幅を利かしてきた科学界にこそ、当てはまります。

この一節に象徴されるシルバーバーチの摂理に関する論説は、キリスト教会のドグマ主義の批判に偏っている嫌いがあるように私には思えるのです。

 大自然の摂理は、天地創造以来ずっと存在していたはずです。いったい人類は、シルバーバーチの言うように、どれほど 「間違った教え」 の重荷によって苦しめられてきたかを、じっくりと考えてみる必要があります。

科学の世界でも確かに 「時として脳だけが発達して精神と脳の発達が伴っていないことがあります。いわゆる〝知的人間〟ということになりますが、知的だから偉大であるとか立派であるということにはならない」 ことは事実です。

  従ってその狭い分野にのみ携わってきた少数の学者は、彼等なりにそれが全てだと思うわけですから、それを聞かされた者はシルバーバーチの言うように 「不可解なことを理解しやすくする」 カギだと信じがちです。 〈補注5〉


スピリチュアリズムに馴染んでいる者は 「ついに医学もここまで来たか」 といった感慨で受け止めたが、オーソドックスな医学にとっては青天の霹靂だった。

案の定、そのうち影が薄れ忘れられかけたが、一九九五年ころから息を吹き返し、意を強くしたゲアバー博士は、それをさらに進めて A Practical Guide to Vibrational Medicine と題した続編を二〇〇〇年に出している。

その中で博士は従来の宇宙観を 「ニュートン力学的機械論」 と呼び、宇宙を巨大な時計のようなものと考えることの間違いを指摘している。オーソドックスな医学によれば人体もうまくできた生物機械に過ぎず、心臓は血液を送り出すポンプ、腎臓はフィルタ―、筋肉と骨格は滑車で動く枠組みと見るので、極めて 「理解しやすい」 わけである。

著者は同じシルバーバーチの言葉でも、このように都合よく解釈することの危険を戒めている。


 シルバーバーチの言う 「いったい自分とは何なのか、宇宙とは何なのか、そして全てを創造した大霊とは何なのかについての理解に必要な摂理と実在についての知識」 を与えてくれるのは、スピリットからのインスピレーションと一体となった科学なのです。

つまり科学というのは、新たに発見される法則にインスピレーションによるお墨付きを与えねばならない立場にあるのです。

しかし、いったんそのインスピレーションを信じ込んでしまうと、それが絶対的な真理として固定観念化されてしまい、いつしか永遠の遺産として精神の一部となっていく危険性があります。

 ここでシルバーバーチの次の言葉を読み返してみる必要ががありそうです。

 「真理は閉ざされた心には入ることは出来ません。受け入れる用意のできた人の心にだけ居場所を見つけることが出来ます。真理は、大霊と同じく、無限に存在します。

このうちのどれだけを手にするかは、各自の受容能力によって決まります。受容能力が増せば、それだけ多くの真理を悟ることになります」

 真理の探究にあたっては次のシルバーバーチの言葉に改めて耳を傾けたいものです。

 「知識、真理、叡智、成長に限界がないことに気付いた時、あなたは真の意味で自由になるのです。

心の奥で間違いであることに気付いたもの、理性が反発するものを即座に捨て去ることができるようになった時、あなたは自由になるのです。新しい光に照らして間違いであることが分ったものを、恐れることなく捨て去った時に初めて自由になるのです」 



 そんな次第で、これからシルバーバーチの教えを引用して私なりの解釈を施していくわけですが、それは科学者として私がこれまでにスピリットの世界から受けたインスピレーションによる解釈であり、それを出来るだけ平易な用語で述べますので、

読者のみなさんも実在について私がどう理解しているかを〝直観〟してくださることを希望します。それがシルバーバーチが説いていることの真髄であると確信しています。

 つまりそれを完全に理解してくださる方は、全体としては極めて少数であろうことは覚悟の上で、ともかくも読者のみなさんに披歴して、お一人お一人のレベルで理解していただけば良いのではないかということです。

Friday, June 17, 2022

シアトルの初夏 シルバーバーチの最大の特徴は、    The biggest feature of Silver Birch is


 シルバーバーチの最大の特徴は、成熟した大人の精神を持つ人間の理性的判断力に訴える態度に終始したことです。つまり自分が説くことで理性が反発を覚えることがあれば遠慮なく拒否してほしいと明言し、常に人類への慈しみの心で臨み、愚かしい質問にも決して腹を立てず、

失礼な態度を咎めることもなく、その態度と教説の内容は、みずから広言して憚らなかった 「宇宙の大霊から遣わされたメッセンジャー」 に恥じないものでした。

 もう一つの特徴は、自分の教えにハクをつけるために地上時代の高貴な身分や仰々しい肩書き、歴史上の大物の姓名を名のるようなことはしないという、厳しい掟を自ら自分に課したことです。 〈補注3〉


 〈訳者補注3〉
 この一節はシルバーバーチ自身語った言葉を著者が平たく述べたもので、これに類することは、その後もシルバーバーチは、表現を変えながら何度も述べている。

例えば 「私が地上でファラオ (エジプトの王) だったと言えば尊敬し、奴隷だったと言えばサヨナラをなさるおつもりですか」 と皮肉っぽく述べたり、 「人間は肩書きや身分や知名度などに拘るからいけないのです。

私がいかなる程度の存在であるかは、私が述べていることで判断していただきたい」、さらには 「私が述べていることが皆さんに訴えなくなったら、その時は存在価値はなくなったということでしょう」 とまで述べている。

 こうした一連の発現を裏返せば、そこにスピリチュアリズムと言う 〝地球人類の霊的浄化活動〟 が人類史でも空前絶後の、神界までも総動員した途方途轍もない大事業である事を、改めて実感させられる。〈補注2〉 で述べた、人間的煩悩から出る好奇心に超然とした態度がそこにあり 「謙虚」 などという言葉で表せる次元の話ではないのである。


さらにもう一つシルバーバーチは、私の専門であるバイブレーションの変換によって、自分よりさらに高い次元から送られてきたものを、地上で北米インデアンに所属していた霊を地上界(バーバネル) との直接アンテナとして送り届けているのであって、その教えは自分が考えたものではないと率直に述べている点でも、極めて特異です。

上には上があり、そのまた上にも上があり、宇宙は事実上無限の彼方までつながっていると言うのです。

 それは言い換えれば叡知(さとり)にも際限がないということになります。理解度が到達した次元までの知識を授かるのであって、それは一人ひとり違うことになります。スピリチュアリズムの発達の跡をたどってみても、心霊科学の発達も一進一退で、常に疑惑の目で見られてきました。

それは、人類の科学的知性がまだ霊的なものを証明する段階まで発達していなかったことを意味します。

 同じことがシルバーバーチの教えの理解についてもいえます。シルバーバーチが言わんとする核心まで理解が及ばず、結果的には、地上生活を送っている人間にとって都合のよいように解釈されていることがあります。

 新しいタイプの小説でも読むような感覚でシルバーバーチの説く宇宙観を読む人もいるようです。その核心に触れて目を覚まされ、本格的に人生を見つめ直すところまで行く人は、残念ながら少ないようです。あちらこちらで盛んに行われている超能力のデモンストレーションの話題を面白おかしく読むだけで満足している人もいます。

 また、信仰さえあれば知識はどうでも良いのではないかと思っている人も多いようです。そういう人は次のシルバーバーチの言葉をよく噛みしめてください。

 「知識は常に必要です。また常に求め続けるべきものです。もうこれで十分だと思って求めることをやめる人は、事実上、己の無能を宣言し、堕落し、錆びついていくことを求めているようなものです。魂は向上するか堕落するかのどちらかであり、同じ位置に留っていることは出来ません。人間は永遠に休むことのない旅人なのです」

℘45  
 さらに信仰について意見を求められてシルバーバーチはこう述べています。

 「人生には二つの大切な要素があります。一つは知識、もう一つは信仰です。知識の裏づけのない信仰は弱くて頼りになりませんが、知識に信仰を加えると素晴らしい組み合わせとなります」

 「このサークルの皆さんは、人生とその意義についての理解をもたらしてくれた知識をお持ちです。が、その知識も大海の一滴に過ぎないこともご存知です。そこに信仰という要素の必要性が生じます。しかし、あくまでも知識に裏打ちされた信仰であり、盲目の信仰ではありません。

知性を侮辱するような信仰ではなく、知識を基盤とした信仰、信じるに足る知識に裏打ちされた信仰です」

 知識と信仰、この二つの関係は五感で認識する世界と心で認識する世界の関係にすぎません。従って、限られた五感の世界を超越した知識を得ようとすれば、より高い次元で機能している意識に波長を合わせれば良いのです。

その時に直感される知識を〝悟り〟というのであり、それが人間の道徳的・霊的本性の向上を促すことになるのです。それをシルバーバーチはこう説いています。

 「あえて申し上げますが、地上界にもたらされる恩恵は、発明も発見もことごとく霊界にその根源があります。あなた方の精神は地上界へ新たな恩恵が霊界から届けられる、その受信装置のようなものです」
℘46
 こう述べてから、その知識を受け取った者には必然的に義務が生じることを指摘して、次のように述べます。

 「真理というものは、求める人には分け隔てなく与えられるようになっています。しかし、それを求める道は大いなる冒険の旅になることを覚悟しなければなりません。

境界線の見えない、果てしない探究の旅に出かけることを覚悟しなければなりません。時には障害が立ちはだかり危険にさらされることも覚悟しなければなりません。地図のない未知の領域を歩まざるを得ないことも覚悟しなければなりません。

しかし、そうした時でも、あくまでも真理の指し示す道に従い、誤りと思うことは、いかに古くからの教えであっても潔く拒絶する勇気がなくてはなりません」

 「新しい真理というものはありません。真理は真理です。それを受け入れる用意ができているか否かによって、そのレベルが決ります。皆さんも子供の時は能力に似合ったものを教えられます。アルファベットから教わって、知識の成長に従って単語を覚え文章が読めるようになります」


 「その単語に含まれている意味も、一度に分かるわけではありません。少しづつ分かっていきます。どれだけ理解できるかは、一(イツ)にかかって当人の理解力によります。

叡智には無限の奥行きがあります。精神的に、そして霊的に受け入れる用意が出来たものだけのものを手にすることができるのです」


 「みずから思いたって真理探究を志し、行為と想念でもって意思表示をすれば、その人物がそれまでに到達したレベルに相応した知識と教えを授かるように法則がはたらいて、その波動と調和し始めます。そのレベルには限界というものはありません。

ここで生き止まりと言う境界もありません。なぜなら人間みずからが無限の霊性を宿しており、真理も無限に存在するからです」

 「学ぶ前に、それまでの知識を洗い直さないといけません。正しい思考を妨げてきた夾雑物をすべて捨て去らないといけません。それができて初めて霊的成長の準備が整ったことになり、より高い真理を授かる用意ができたことになります。間違った知識、理性が反発するようなこと、宇宙の大霊の愛と叡智と相容れないものを捨て去ることがまず先決です」

 「伸び伸びとした思考が出来るようにならなければいけません。みずからを束縛してはいけません。自分の世界に垣根をこしらえて、新しいインスピレーションを入れなくしてはいけません。

真理探究の道はこつこつと絶え間なく続きます。魂が進化し、それに精神が反応して広がれば広がるほど、境界線はますます広がっていきます」

 「知識、真理、叡智、成長に限界がないことに気付いた時、あなたは真の意味で自由になるのです。心の奥で間違いに気付いたもの、理性が反発するものを即座に捨て去ることが出来るようになった時、あなたは自由になるのです。新しい光に照らして間違いであることが分ったものを、恐れることなく捨て去った時に始めて自由になるのです」

 「第三者の指導によってそういう状態に導くというのも一つの方法であることは違いありませんが、興味を見せているだけでまだ真理に目覚めていない人に、それがどういうものであるかを説明する時は注意が必要です。

当人はそれだけで悟ったように錯覚し、貴重な人間的努力や体験を低次元の霊力で代用して、それでよしという安直な満足感を抱かせる結果になりかねません」 〈補注4〉


 〈訳者注4〉
 これは一口で言えば、霊的真理を丸暗記しても悟ったことにはならないということを述べたものであるが、もっと大切なことも暗示している。シルバーバーチは 「サイキック」 と 「スピリチュアル」 とを区別している。

前者は肉体と幽体のレベルの法則が絡み合って生じる現象のことで、これは自我の霊性は関与しない。これが後者となると自我が覚醒し高級なスピリット、特に守護霊の働きかけが加わる。

前者にもスピリットの働きかけがあるが、まだ地上界の波動から抜けきっていない者、いわゆる 「自縛霊」 の集団であるから、浅はかな知恵で本来は人間が努力して行うべきこと、時には失敗や病気や災難を通して悟るべきチャンスを、あたら奪ってしまうことになる。

「あたら」 というのは高級霊の立場にたってそう述べたもので、彼らは親切のつもりでいても、それは喩えで言えば、学校の宿題を親がやっているようなものであり、あとで困るのは本人自身で、霊的進化が遅れることになる。

誰でも参加してよいような、安直に催される交霊会に出現するスピリットに 「人生相談」 を持ちかけるのは危険である。


 「要するにスピリチュアリズムの基本理念は、地上人類を物質的に豊かにすることではなく、霊的に豊かにすることです。いったい自分とは何なのか、宇宙とは何なのか、そして全てを創造した大霊とは何なのかについての理解に必要な摂理と実在についての知識をもたらすことです」
℘50
 「地上界がそれを必要とするのは、それを知ることこそが人生の全体像をつかみ不可解なことを理解しやすくするからです。その理解さ得られれば、あまりにも長いあいだ進歩のブレーキとなってきた、誤った教えが生み出す幼稚で悪逆な行為に苦しめられることがなくなるでしょう」

 「それが理解できない人はいるでしょう。そんなものは必要ないと考える人もいるでしょう。子供と同じで、まだオモチャが手放せない人もいますから、そういう人にはそういう人なりの教え方が必要です。

霊的真理の普及を目指すこのスピリチュアリズム計画の背後の全体像を、ぜひ理解してください」

 「スピリチュアリズムは、地上界を長いあいだ取り巻いてきた暗闇、今の時代になって、つらい思いとともに次第に分かってきた悪逆非道の原因を根絶することが目的なのです。

そうした邪悪の根源には霊的摂理への無知があります。唯物主義とそれが生み出す私利私欲の悪弊を吹き飛ばしさえすれば、地上界を最大の呪いから救うことができるということを、もうお分かりいただけると思います」

 「皆さんが偶然の産物ではないこと、気まぐれの遊び道具ではないこと、無限のエネルギーを秘めた無限なる霊すなわち神の一部であることは、すでにご存知です。

この真理が世界的規模で受け入れられれば、またこの物質界の彼方にも別の世界が存在すること、地上界で送る自分の生活には自分が責任を取らされ、それが次の世界に反映されること、そこには完全な公正を持ってはたらく永遠に不変の摂理が存在すること、こうしたことを単なる知識としてではなく実感をもって認識できるようになれば、人生の新しい基盤ができたことになります」

 「私たちがこうして地上へ戻ってきた理由はそこにあります。すなわち、たった一人の人物、たった一冊の書物、たった一つの教会、物質界であろうと霊界であろうと、たった一個の存在に忠誠を尽くすのはおやめなさい───ひたすらに大霊の摂理にのみ忠誠をつくしなさい。

と説くためです。誤ることも間違うこともないのは大霊の摂理だけだからです」

 「大霊の摂理の大切さを強調するのはそのためです。それを理解することによって全知識が調和するのです。科学者も哲学者も自由思想家も、その他いかなる種類の人間も、これだけは理性が反発を覚えることはないはずです。

なぜならそれは、永遠に不変・不易の大霊のはたらきの上に成り立っているからです」


 「進化のいかなる段階においても。、暗闇の中を歩むよりは光の中を歩む方が良いに決まっています。無知でいるよりは知識を身につけている方が良いに決まっています。ですから、いやしくも知性を授かった人間ならば、知識の探求は人生の基本的な目的であらねばなりません。

それを怠ると、迷信と偏見と不寛容と頑迷さがのさばるようになり、それを抑えきれなくなります」
℘52
 「ここまで来ればもう十分だという段階は決して来ません。学ぶこと、成長すること、進歩すること、向上すること、より高いものを求め低いものを捨て去ること───これはどこまで行ってもやむことがあってはなりません」

 「しかし、知識には責任が伴います。これも埋め合わせの原理の一環です。かつて所有していなかったものを手にした時、天秤のもう一方には、その知識をいかなることに用いるかという責任が生じます」

 「霊の力の働きかけを人類の歴史の特殊な時期だけに限られた、神の啓示の最後のものと受け止めてはなりません。啓示はその時代、その民族の理解力の進歩に応じて絶え間なく、そして発展的なものが授けられるのです」

 「必然的にそれは理解力の範囲内のものだけということになります。ほんの一歩だけ進んだものが授けられ、それが終了すればさらに次の段階のものが授けられます。その叡智の階段は無限の彼方まで続いているのです」
℘53
 「知識は喜びや幸せ、心の平静をもたらしてくれますが、同時に、その知識をどう生かすかという責任をもたらします。無知が生み出す愚かしい取越苦労を追い出してくれますが、その知識を手にした人間としてやらねばならないことにも気付くはずです。

知らなかったが故に犯す罪にもそれなりの代償は免れませんが、知っていながら犯す罪には、知らずに犯す罪より重い代償を支払わねばなりません」


 「時として、脳だけが発達して、精神と霊の発達が伴っていないことがあります。いわゆる〝知的人間〟ということになりますが、知的だから偉大であるとか立派であるということにはなりません」

 「それは物的側面、つまり脳に限られた発達です。そういうタイプの人間の中には、込み入ったこと、難解なことほど価値があるかに思っている人がいることは事実ですが、精神と霊性が正しく発達していれば、霊的真理の理解もそれだけ深くなります。

結果的には古い誤った概念を捨て去ることになり、それだけ真実に近づくことになります」

 「サークルの皆さんには、普段の物的生活の裏側で人知れず行われていること、地上界に打ち寄せている莫大な霊的エネルギー、皆さんを価値あることに使用せんとして苦心している大勢のスピリットの存在についての知識を得ていただきたいと思います」

 「また、あなた方自身に秘められた霊的本性の強力さと豊かさを我がものとしていただくために、その潜在力について理解していただきたいと思います。大霊の叡知、霊的叡智は無尽蔵であること、大霊の財産は無限であることを理解していただきたいのです」

 「断言しますが、真剣な気持ちで自分を役立てたいと願う人は、宇宙最大のパワー、生命力そのものを引き寄せることになります。それが義務の一つだからです。熱意を込め、そして賢明に活用することです」

 「ご自分の手の届く範囲の人に手を差し伸べなさい。この霊的真理の話をして聞き入れてくれない人は、その人の思う道をいかせればよろしい。

ご自分の光と良心に照らして、これで良いと思う通りにおやりになることです。何ごとも動機が大切です。動機さえ正しければ、いかなる事態になっても、最後は必ずうまくいきます」

 「いつどこで、と迷わずに、いつでもどこでも霊的真理を説くことです。時には拒絶されたり、小バカにされたり、物笑いのタネにされたり、嘲笑の的にされたりすることもあるでしょう。そんなことに構うことはありません。そんなことで怯むようではいけません。

受け入れる用意のできていない人は拒絶して当たり前です。あなたはなすべきことをなさったのです。それよりも魂に渇きを覚え、一滴の水を欲しがっている人が大勢います。
℘55
そういう人にとっては何にも替えがたい貴重な施しであり、そういうチャンスに恵まれたあなたは、たったそれだけで地上に存在した意義があったことになるのです」

 「真理は閉ざされた心には入ることが出来ません。受け入れる用意のできた人の心にだけ居場所を見つけることが出来ます。真理は、大霊と同じく無限に存在します。

このうちのどれだけを手にするかは、各自の受容能力によって決ります。受容能力が増せば、それだけ多くの真理を悟ることになります。が、いくら努力しても、宇宙の真理の全てを手にする段階には到達できません」


 以上は何冊かの霊言集から、霊的真理を知るということはどういうことなのか、また、霊的に向上するためには現在よりも次元の高い意識階層からの教えを吸収しなければならないことを説いた言葉を引用したものです。

Wednesday, June 15, 2022

シアトルの初夏 自分とは何か 永遠に変わらぬ真理を求めて What is I? In search of the truth that will never change





 世界にはさまざまな宗教が存在しますが、説かれる霊的真理は同じであるべきはずなのに、それぞれに違っています。なぜでしょうか? 組織体制を運営する者たちが摂理をねじ曲げてでも営業活動に精を出してきたからです。その違いが国と国とを離反させ、国民までもが敵視し合うようになっていったのです。

 キリスト教がそのよい例です。コンスタンチヌス帝の時代に宗教が国政と一体化してしまったために(補注1)、聖職者たちが為政者の我儘と悪だくみに加担して、教義を次々と書き換えていきました。

かくして〝宗教〟なるものが国家と人民、さらには家族間にも、なかたがいのタネを蒔くことになったのです。一言で言えば空前絶後の霊覚者イエスが説いた素朴な教えを人間が都合よく書き換えたということです。

 〈訳者補注1〉
 「世界史では西暦三二五年にローマがキリスト教を国教としたしたことになっている。D・ダドレー著 『第一回ニケーヤ会議の真相』 によると、表面の事実はその通りで、コンスタンチヌス帝の命令で、ローマの支配下の国々からキリスト教の司教二千人前後が出席して、第一回キリスト教総会が小アジ゛アのニケーアで開かれた。

五月末から九月までの足掛け五カ月にも及んだと言われる。表向きの表題は〝三位一体説〟の是非を論ずることにあったが、実質的には、その説を否定するアレクサンドリア教会の司教アルウスを弾劾することにあったことは明白である。その証拠に、結果的にはアリウスを支持する一派がローマ兵によって連れ出され、国外追放になり、その後アリウスは暗殺されている。

 見落としてはならないのは、そうした議論の進行中にそれまでのイエスの素朴な言行録が大幅に書き変えられ、さらに勝手にこしらえた教義、例えば、〝贖罪説〟等がキリスト教の絶対的な教義として確立されていったことである。

それはその後も続けられ、西洋史に暗い影を落とす〝暗黒時代〟を生みだしていく。英国の知性を代表するジョン・スチワート・ミルは、名著 『自由論』 の中でこう嘆いている。

 キリスト教を容認した最初のローマ皇帝がマルクス・アウレリュウスでなくコンスタンチヌスだったことは、世界のあらゆる歴史の中でも最大の悲劇の一つであろう。もしもそれがコンスタンチヌスの治世下でなくマルクス・アウレリュウスの治世下であったなら、世界のキリスト教はどれほど違うものになっていたであろうと思うと、胸の痛む思いがする」


 過去一世紀余りの教育水準の向上で目を覚まされ、それまでの 「ただ信ぜよ」 式の説教ではごまかされなくなった民衆は、いわゆる宗教的教義についてさまざまな疑問を抱くようになりました。

それは必ずしも社会の道徳水準の向上にはつながっていませんが、十数世紀も前に勝手にこしらえながら一度も疑念を挟まなかった教会の上層部の責任は大いに問われねばならないでしょう。

 これは他のあらゆる宗教についても言えることで、最初は庶民の道徳的ならびに霊的向上のために霊覚者を通して届けられたものが、時代とともに夾雑物が混ざって玉石混交のまま語り継がれ、教え継がれ、正しいのか間違っているのかにお構いなく〝そういうもの〟と信じられてきました。

が、幸いなことに、近代の飛躍的な科学の発達によってその間違いが誰の目にも明らかになってきました。今の時代に地動説が神を冒涜するものであると教会の言葉を信じる者はいません。
(『はじめに』の〈補注2〉参照)

 そして一九二〇年に至って、ある霊覚者によって地上界に向けて空前絶後ともいうべきメッセージが届けられるようになりました。その霊覚者は地上の人間ではありません。

三千年前に地上生活を送り、今では別の次元で生活をしている霊的存在(スピリット)です。それがモーリス・バーバネルという地上の人間をアンテナとしてメッセージを送ってきたのです。

 同じ地球上でも、アンテナさえあれば、ちょうど裏側に当たる場所とでも交信することができることは、すでに常識となっています。衛星放送がそれを如実に示しています。

それと同じことが次元の異なる階層とでも可能なのです。つまり霊的アンテナさえあれば交信が可能なのです。そうした仕事を言い渡されたスピリットは、バーバネルが母胎に宿った瞬間から、霊的アンテナとして使用するために準備を始めたと言っています。

 そのスピリットは 「シルバーバーチ」 と名のりました。むろん仮の名です。肉体の死後、我々は段階的に次元の高い階層へと進化していきますが(『はじめに』 の〈補注3〉 参照)、次元が高まるにつれて地上時代の民族や国籍、身分や地位、姓名等の価値も必要性も薄れていき、真理の理解度、霊的覚醒の度合いだけが問われるようになります。

そこでシルバーバーチという仮名を使い、地上の人間が関心を持ちそうな事柄は一切打ち明けず、聞かれても答えず 〈補注2〉、 ただひたすら、人類が長い歴史の中で台なしにしてしまった霊的摂理を改めて説きなおすことに専念しました。


  〈訳者補注2〉
 人間らしい欲求として、出現した霊が地上時代にどういう人物であったか、姓名を何といったかを知りたいと思うのは自然であるが、これはいろんな意味で危険をはらんでいることを知っておくべきである。そのためには次の二つの事実を念頭においておく必要がある。

一つは、人間は死後も、個性も本性も容易には変わらないこと。もう一つは、低階層つまり地上界に近い階層で暇を持て余している低級霊ほど交霊会に出たがるし、また出やすいということ。

 ここで忘れてならないのは、霊の側からは出席者の姿が見えても、出席者の目には霊の姿は見えないことで、そうなるとたとえ歴史上の著名人の姓名を名のっても、本当かどうか証明することは不可能ということになる。

人間的煩悩の一つとして、いかにもそれらしい態度で語られると、何となくそう思えてくるもので、それが他界した親族、特に父親や母親、早世した我が子であると言われれば、人間的な情に流されて抱き合って喜んだり感動したりするものである。悪いこととは言わないが、愚かしいことをしているのだということを知るべきである。

 スピリチュアリズムの本来の目的はそんなところにあるのではない。それを、これから著者ニューマン氏がシルバーバーチの言葉を引用しながら、懇切丁寧に説いてくれる。

Tuesday, June 14, 2022

シアトルの春 シルバーバーチのスピリチュアルな法則 宇宙と生命のメカニズム The UNIVERSE of SILVER BIRCH by Frank Newman



 
   フランク・ニューマン著  近藤千雄訳
The UNIVERSE of SILVER BIRCH by Frank Newman Published in 1998


日本語版に寄せて


 私は今年で八五歳になります。すでに現役を退いておりますが、若い時から、そして今なお、生命の神秘と奇跡的現象に興味を抱き続けている、電気工学ならびに機械工学の専門家です。

 一九三九年から四五年までの数年間、英国陸軍および空軍の下士官として行政に携わり、それが縁となってシンガポール、スリランカ、モーリシャス、ならびに東アフリカに出向くことがあり、そこでさまざまな宗教的儀式に参加し〝物質を凌駕する精神作用〟を始めとする超自然現象をこの目で見ることになりました。

 一九七七年に現役を退いてから私は、科学・宗教・歴史の分野の関係書を読みあさり、霊能開発のサークルにも入って実体験を得ようとしましたが、納得のいく結果が得られないまま四年が過ぎました。

 あらためて一人で瞑想を始めたところ、なぜか感動の涙が溢れ出て、世の不幸な同胞への憐みの情を感じ、間違った説教や学説を改める仕事をしたいという決意がわいてきました。それからというものは、求めている文章や文節がどの書物にあるということを教えてくれる声が聞こえるようになりました。

 私と霊言との最初の出会いは、ホワイトイーグルの Spiritual Unfoldment で、その中で述べられているオーラの本質を読んで、複数の見えざる霊的身体は電磁場という形態においてのみ存在し機能することを理解しました。

 その後、一九九二年になってシルバーバーチの霊言との出会いがあり、それを一読して、宇宙における 「神」 と人類のつながりが電磁エネルギーの場を媒体としてつながっていることを示す、完璧な図式を手にすることができました。

 最近になって私は、シルバーバーチの教えを基盤として科学的見地から究極の理論をまとめ、Spirit of the New Millenium と言うタイトルの新著を出しました。これからはこれで世に訴えたいと思っているところです。

 

フランク ニューマン
                      
訳者付記───この 『日本語に寄せて』 は、私がニューマン氏に要請して書いていただいたものである。最後のところで自ら紹介している新著のタイトルは、スピリチュアリズムの淵源をよく理解した人にのみ理解できるものを暗示しており、巻末の 「訳者解説」 で言及してある。

 

 序  ブァーノン・ムーア
 人間はいったい何のために生きているのだろうか? はたして地上人生には生きる意義があるのだろうか?───これは誰しも抱く疑問ですが、この本はそうした疑問についての答えを模索しながら歩んでいる方々のために、フランク・ニューマン氏がやさしく語ってくれたものです。言うなればスピリチュアルな巡礼の道標です。

 ニューマン氏は、れっきとした物理学者です。モーリス・バーバネルが霊媒をつとめる交霊会に出現した〝シルバーバーチ〟と名のる聡明な指導霊からのメッセージとの出会いによって、それまで抱いていたさまざまな問題───人生の疑問だけでなく専門の物理学の原理まで───を理解する上でのヒントを得たといいます。

 かく言う私は、実は、そのシルバーバーチの交霊会に四十年から五十年ばかり出席したレギラーメンバーの一人でした。

「四十年から五十年」 という言い方は変ですが、シルバーバーチの霊言と出会った頃の私は英国国教会の牧師で、交霊会に出席した時はまだその説くところが容易には信じられず、何度も議論し、疑問点を質し、悩み苦しみ、出席したりしなかったりしたあげくに、ついに得心して牧師職を辞しました。その迷いの期間が十年ばかりあったということです。

 シルバーバーチは、自分の説くことは絶対に間違っていないとは言っておりません。真理を述べるに際して独断 (ドグマ) を一方的におしつけることを嫌います。ドグマとは理性の介入を許さない説のことだから、というのがその理由です。

そして自分の説くことを理性の光に照らして判断し、納得がいかなければ拒絶し得心がいけば受け入れる───それでよろしい、と言うのです。半世紀にわたって交霊界に出席してきた私は、真剣に道を求める魂を得心させないようなことは、シルバーバーチは決して語っていないことを断言します。

 人間がたどる巡礼の道は一人ひとり違います。私の旅は二二歳の時に始まりました。戦争に次ぐ戦争で人間の生命のはかなさを痛感していた時に、第一次世界大戦の従軍牧師だったスタッダート・ケネディの 「来世の存在を確信せずして地上生活の本当の幸せはあり得ない」 と言う言葉を何度も反芻(はんすう)したものです。

 次の出会いは著名な英国人ジャーナリストのハンネン・スワッハーでエドワード・マーシャル・ホール卿と二人で、スピリチュアリズムの普及の為にクイーンズ・ホールを借りきって講演会を開いていました。

それに何度か出席しているうちに、スピリチュアリズムの真実性を確信するようになりました。そして、国際スピリチュアリスト連盟の会長で、最初にスピリチュアリズムに関するラジオ放送をしたアーネスト・オーテンの次の言葉は決して大げさでない事を知るに至りました。

 「これまでに得た証拠によって私は、既に死の関門を通過した人々と(交霊会で)対話を交わしていることは間違いない事実である事を断言します。その確信は、たとえこの事実を信じる者が地上で私一人であっても、絶対に揺らぐ事はありません。」

 ここまで巡礼の旅を続けて来た私がシルバーバーチの教えをまとめると次の様になります。

①この地上生活は魂の幼稚園のようなもので、死後に始まる次の段階の生活に必要な体験を積む場所であること。

②物質の仮面をかぶっている実在の霊的世界について、少しでも多くを理解するように努めることが望ましいこと。

③ 「神」 とか 「大霊」 と呼んでいるものは全存在の総計であると同時にそれを超越した存在であり、自然界のあらゆる側面に顕現していること。それは愛と叡智と実在の極致であり、それが法則となって森羅万象の営みの中で一瞬の休みもなく働いていること。


④ 「祈り」 の霊的な意味を理解することが必要であること。すなわち、自我の内と外に存在する大霊のパワーとの繋がりを緊密にするために憧憬の念を持って常に祈ることを怠らないようにすること。

 こうした教えは、ニューマン氏の解説によって一段と理解を深められるに違いありません。最後に私自身の体験を述べておきましょう。

 モーリス・バーバネル氏は若い頃よくハイドパークにある〝スピーカーズ・コーナー(演説広場)〟でスピリチュアリズムについての演説をしたものですが、急用が出来た時などに私に代役を頼むことがありました。当時はまだスピリチュアリズムは物笑いのタネにされる時代で、酷いヤジが飛んだものでしたが、演壇から降りて解散した後に必ず一握りの真面目そうな人が残っていて、キリスト教への疑問と不満を真剣な面持ちで私に語ったものでした。

 その人たちのように、真剣に真理を求めながら在来の説に飽き足らず、あるいは大きな疑念を抱いている人が少なくありません。そういう人たちは言わば〝地上の迷子〟のようなもので、既成宗教から脱しようと思いながら、さまざまな理由で躊躇しているのです。本書はそう言う人々にこそ読んでいただきたいものです。

 

<訳者補注>

  本書で初めて〝シルバーバーチ〟という名前を知った方のために、少しばかり解説しておく必要がありそうである。

 シルバーバーチと名のる霊が無意識 (トランス) 状態のモーリス・バーバネルの口を使って初めてしゃべったのは一九二〇年のことで、当時バーバネルは十八歳、知人に誘われて交霊会に出席した時だった。


自分では〝うたた寝〟をしたと思い込んで、目が覚めると慌てて〝非礼〟を詫びたが、出席者たちから 「あなたは寝ていたのではない。シルバーバーチとか名のる霊があなたの口を借りてしゃべりましたよ。あなたもいずれこうした交霊会を催すようになるそうです」 と言われて、何のことやら、それこそキツネにつつまれたような気持ちだったという。


 が、それが間もなく現実となる。バーバネルは自宅でもトランス状態にさせられて、やはりシルバーバーチと名のる霊がしゃべるようになった。最初のうちは居合わせた者だけが聞く程度で、記録というものを一切遺さなかったが、ハンネン・スワッハーが出席し始めてからは日時を金曜日の夜七時と定め、速記録を取って霊言の抜粋を翌週の 『サイキック・ニューズ』 紙に掲載するようになりそれがまとめられて単行本として発行されるようになった。


第一巻が出たのは一九三八年。ついでに言えば、その速記役を務めたのは、この序文を書いたムーア氏とのちに結婚したフランシスで、テープに録音するようになってからも速記は続けられた。ある意味では、このフランシス・ムーア女史が隠れた最大の貢献者と言えよう。

 シルバーバーチは、初めのうち自分は地上でアメリカ・インディアンだったと述べ、霊視能力を持った人の目には確かに叡智あふれるインディアンの顔が映り、それを描いたフランス人霊視画家マルセル・ポンサンによる肖像画がシルバーバーチその人という認識が固定し、シルバーバーチ自身も始めと終わりに行う神への祈りを 「あなたの僕インディアンの祈りを捧げます」 という言葉で締めくくっていたが、ある時期から、

つまり正しい霊的知識が十分に行き届いたとみた段階で、実は自分はインディアンではない───三千年前に地上で生活したことがあるが、長い長い生命の旅の末に、もうすぐ地上圏に別れを告げて二度と地上に戻れない段階へと旅立つところまで到達した、いわば 「古い霊」 であると告白した。

しかし、地上時代の姓名・民族・国家・地位などの個人的なことは、ついに述べずに終わった。バーバネルは一九八一年に他界し、それがシルバー・バーチ交霊会の終わりともなったが、ほぼ半世紀わたって速記録と録音によって遺された莫大な量の霊言は、サイキック・ニューズ社の九人のスタッフによって、各自の視点からまとめたものが全部で十六冊も出版されている (一人で二冊ないし五冊も編纂した人もいる)。

それらの日本語訳は三つの出版社から出た。うち一社からでた三冊が絶版となっているが、熱心なサークルによって自費出版で復刻されている。シルバーバーチ関係の訳者のリストと取り寄せ先の案内は巻末を参照されたい。

 なお、シルバーバーチの交霊界の様子を録音したテープが何本かあったようであるが、出席者が素人流に録音したもので録音状態が悪く、実際に市販されたのは一本だけだった。それが日本では 『CDブック・シルバーバーチは語る』 (ハート出版) となって、英文と和文の対照本として発売されている。その取り寄せ方についても巻末を参照されたい。





 

Sunday, June 12, 2022

シアトルの初夏 大霊は全存在に宿っています。     the Great White Spirit dwell in all beings.



 完全が存在する一方には、不完全も存在します。 
が、その不完全も完全の種子を宿しています。 
完全も、不完全から生まれるのです。 
完全は、完全から生まれるのではありません。 
不完全から生まれるのです。

生きるということは進化することです。 
前に向かって進むことであり、上へ向かって努力することであり、発達であり開発であり発展であり進展です。 
あなた方のおっしゃる善も悪も、その進化の工程における途中の階梯に過ぎません。 
終わりではありません。

あなた方は不完全な理解力でもって判断しておられます。 
その時点においては善であり、その時点においては悪だといっているに過ぎません。 
それはあなただけに通用する考えです。 
あなたと何の関わりもなければ、また別の判断をなさるでしょう。 
いずれにせよ、大霊は全存在に宿っています。 
シルバーバーチ

 

While perfection exists, imperfections also exist. However, its imperfections also harbor perfect seeds. Perfection also comes from imperfections. Perfection does not come from perfection. It is born from imperfections.


To live is to evolve. It's about moving forward, it's about working upwards, it's development, it's development, it's development, it's progress. The good and the evil you are talking about are just the steps in the process of evolution. It's not the end.


You are judged with incomplete understanding. It's good at that point, and bad at that point. It's an idea that only works for you. If you have nothing to do with you, you will make another decision. In any case, the Great White Spirit dwell in all beings.

Saturday, June 11, 2022

シアトルの初夏 神とはこういうものですと、ひとまとめにしてお見せすることはできません。If God is such a thing, it cannot be shown together.

 



神とは何でしょうか?
 神とはこういうものですと、ひとまとめにしてお見せすることはできません。無限なる存在だからです。いかなる言語も概念も説明図も有限です。小なるものが大なるものを包含することはできません。ただ、宇宙をご覧になれば私のいう大霊がいかなるものかが、いくらかはおわかりになるでしょう。

あくまで自然法則(注)によって規制され、千変万化の現象のすみずみに至るまで配剤が行き届いています。極微の世界から荘厳をきわめた極大の世界に至るまで、生を営み運動し呼吸するもの、要するに宇宙に存在するものすべてが、大自然の法則によってコントロールされています。

法則の支配を受けないものは何一つ存在しません。季節は一つ一つ順を追ってめぐり、地球は地軸に乗って回転し潮は満ち引きを繰り返します。どんな種をまいても芽を出すのは内部にあったものです。本性が出るのです。

法則は絶対です。新しい発見も、いかなるものであろうと、どこで行なわれようと、同じ法則によってコントロールされています。何一つ忘れ去られることはありません。何一つ見落とされることはありません。何一つ無視されることもありません。

 その法則として働いているものは一体何か?無限なる存在です。旧約聖書に出てくる巨人のような人間ではありません。復讐心に満ち、機嫌を損ねると地上に疫病をまき散らすような、そんな気まぐれで憤怒に燃えた神ではありません。歴史と進化のあとをたどれば、人類社会は未開から徐々に向上進化しており、その背後で働いている力が慈愛を志向する性質のものであることがわかります。

ですから、すべてを支配し、すべてを治め、すべてを監督し、しかもすべてのなかに存在する無限なる愛と英知は、みなさんが霊性の進化に伴って徐々に悟っていくものです。それを私は「大霊」と呼んでいるのです。 
シルバーバーチ

 

What is God?

If God is such a thing, it cannot be shown together. Because he is infinite. Any language, concept, or illustration is finite. The little ones cannot embrace the big ones. However, if you look at the universe, you will understand what my spirit is like.

It is regulated by the law of nature (Note) to the last, and the distribution is perfect even in every corner of the phenomenon of ever-changing. From the microscopic world to the majestic maximal world, everything that lives, exercises, breathes, in short, exists in the universe, is controlled by the laws of nature.

There is nothing that is not subject to the rule of the law. The seasons go around one by one, the earth rotates on the earth's axis, and the tide repeats ebb and flow. No matter what kind of seeds you sow, it is the inside that sprouts. The true nature comes out.

The law is absolute. New discoveries, whatever and wherever they are made, are controlled by the same laws. Nothing will be forgotten. Nothing is overlooked. Nothing is ignored.

What is working as that law? It is an infinite existence. He is not like the giant in the Old Testament. He is not such a whimsical and angry god who is full of revenge and spreads plague on the earth when he is in a bad mood. Tracing history and evolution, we can see that human society is gradually improving and evolving from its undeveloped, and that the power behind it is of a charity-oriented nature.

So the infinite love and wisdom that governs everything, governs everything, oversees everything, and exists in everything, is something that you gradually realize as your spiritual evolution evolves. I call it the "ghost."

Tuesday, June 7, 2022

シアトルの初夏 シルバーバーチのスピリチュアルな生き方Q&A   "Silver Birch Spiritual Way of Life Q & A"

 



 「シルバーバーチのスピリチュアルな生き方Q&A」

      崇高な存在との対話

     スタン・バラード / ロジャー・グリーン共著
        近藤千雄 訳 


まえがき

  本書を手にされたいきさつは、人それぞれに異なるであろう。第一に考えられるのは、古くからのシルバーバーチの愛読者で、その崇高な英知と人生への霊的洞察から多くを学んでいるので、何の躊躇もなく手にされたというケースである。また、シルバーバーチのメッセージを、地上のみならず、死後の人生の指針としている人から贈られたという方もいるであろう。


 本書は、そういう方を決して裏切らないであろうことを断言しておきたい。もしかしたら書店でふと目にとまったからという方、あるいは新聞広告を見て興味を覚えて買ったという方もいることであろう。いわば偶然のなせるわざであるが、お読みになれば決して偶然ではなく、何らかの形で霊的な導きがあったのだと、ご理解がいくことであろう。

 ともあれ、シルバーバーチの訓えの素晴らしさを、今ここで筆者の拙い筆で改めて宣伝しようとは思わない。それよりも、本書の二人の編纂者の労をねぎらいたい心境である。

すでに発刊された(そして廃刊となった)数多くの霊言集の中から珠玉の「Q&A」を抜き出して一冊にまとめるというアイデアそのものに敬意を表したい。こういう形で読むと、シルバーバーチが一段と身近に感じられ、その意味の深さを改めて認識することになるであろう。

           霊的真理普及財団・会長  ロイ・ステマン



編者まえがき  

人生のスピリチュアルな面とサイキックな面に関心を向けながら求道の旅を続けている人々のために、遭遇する疑問への回答を与えてくれる一冊の書を用意してあげたい───これが本書を編纂した理由である。

 また、われわれが「勉強会」を始めた時、何か手ごろなテキストはないものかと話し合ったことがある。スピリチュアリズムの枠内でも起こり得る誤解や勝手な解釈を一掃したもの、というのが第一の条件であったが、そうなると 「シルバーバーチ」 の名で知られている、あの高級霊が遺してくれた宇宙哲学と生きる英知以外にはあり得ないのではないかという結論に達した。

 本書に盛られた質問には、実質的には一九二〇年から始まった交霊会で何度も出されているものがある。が、シルバーバーチはそのつど、内容を深めたり敷衍(フエン)したりして答えているので、本書でも重複をいとわず掲載した。

 霊言集の出版が終わった今、こうしたかたちでシルバーバーチの霊言を世に出すということは、真理普及に改めて貢献することになる。この一冊によって光を見出す人が一人でもいれば、われわれの努力も無駄ではなかったことになる。                                      スタン・バラード
ロジャー・グリーン

 


 シルバーバーチとは何者か                訳者

 本書を手にして「まえがき」と「編者まえがき」に目を通した時、シルバーバーチの霊言集がほとんど廃刊となった今でも、英国において「霊的真理普及財団」や「勉強会」という形で脈々と生き続けていることを知ってうれしかった。 

 人間は形而上的にも形而下的にも 「なぜ?」 と問いかけたくなるものにあふれている。
たとえば 「地動説」 という厳然たる事実が常識となるまでに何百年もかかったが、一体なぜ地球が太陽の周りを回転するのかは、いまだに謎である。

まっすぐに進もうとする地球を太陽が引っ張るから、というのは単なる原理的解説であって、では、なぜ地球はまっすぐに進もうとするのかは、天文学でもいまだに謎である。

 こうした 「なぜ?」 と問いかけたくなることは、人生にはいくらでもある。本書は、そのいくつかに納得のいく回答を与えてくれる。かけがえのない英知の泉であるが、シルバーバーチと名のる霊は一体いかなる存在なのであろうか。本書によってはじめてシルバーバーチを知ったという方のために、おおよそのところを紹介しておきたい。

 シルバーバーチというのは、霊媒のモーリス・バーバネルの口を使って、一九二〇年から六〇年間にわたって霊的教訓を語り続けてきた古代霊の仮の名で、今から三〇〇〇年前頃、つまりイエス・キリストより一〇〇〇年も前に地上で生活したということ以外、地上時代の国籍も姓名も地位も不明のままで終わった。

 せめて姓名だけでも教えてくれるよう何度かお願いしたが、そのつど、
「それを知ってどうしようというのですか。人間は名前や肩書きにこだわるからいけないのです。もしも私が歴史上有名な人物だと分かったら、私がこれまで述べてきたことに一段と箔がつくと思われるのでしょうが、それは非常にたちの悪い錯覚です。

 前世で私が王様であろうと召使いであろうと、大富豪であろうと奴隷であろうと、そんなことはどうでもでもよろしい。私の述べていることに、なるほどと納得がいったら真理として信じてください。そんなばかなと思われたら、どうぞ拒否してください。それでいいのです」

 と答えるのが常で、そのうち出席者も聞かなくなってしまった。
 ただ一つだけはっきりしていることは、霊視能力者が描いた肖像画が北米インディアンの姿をしていても、実はそのインディアンがシルバーバーチその人ではないということである。

 インディアンは、いわば霊界の霊媒であって、実際にメッセージを送っているのは高級神霊界の存在で、直接地上の人間に働きかけるには波長が高過ぎるので、その中継役としてインディアンを使っていたのである。近代の科学的霊魂学ともいうべきスピリチュアリズムによって、死後も今と同じ意識をもって生き続けることが明らかとなった。

これを 「個性の死後存続」 と呼び、これは 「地動説」 と同じく科学的事実として、好むと好まざるとにかかわらず、万人が認めざるを得ないものである。

その詳しい解説は第4章にゆずることにして、シルバーバーチが繰り返し説いている特徴的な教訓の一つは、仏教で「生・老・病・死」 を不幸としてとらえているのとは対照的に、そうしたものを体験するところに地上生活の意義があり、いわば魂の肥やしとして前向きにとらえることが、死後の向上につながると説いていることである。

 第6章を 「生・老・病・死・苦──地上人生の意義」 という見出しにしたのは、これがシルバーバーチの教えの圧巻だからである。そこには在来の全ての宗教に見られる 「現世利益」(げんせりやく) 的な気休めの説教はカケラもない。

「事実なのですから、そう述べるしかありません。もしも私が地上生活をらくに生きる方法があるかに説いたら、それは私が高級神霊界からあずかった使命に背いたことになります」 とまで述べているのである。

 シルバーバーチの教説は、その意味で 「大人の人生指導原理」 といえるかも知れない。気休めのありがたい話を好まれる方には厳し過ぎるかもしれない。が、現実界を見れば、気休めやご利益信仰など吹っ飛んでしまうような事象が毎日のように起きている。今後とも、それは変わることはないであろう。

 本書によって生きる勇気を与えられることを願っている。





"Silver Birch Spiritual Way of Life Q & A"

Dialogue with a noble being

Co-authored by Stan Ballard / Roger Green
Translated by Kazuo Kondo


Preface

The process of getting this book will be different for each person. The first is the case of a long-time Silver Birch loyal reader who has learned so much from his noble wisdom and spiritual insights into life that he was able to get it without any hesitation. .. Others may say that the message of Silver Birch was given not only by the earth but also by those who use it as a guideline for life after death.


I would like to affirm that this book will never betray such a person. Perhaps it was because they caught my eye at a bookstore, or they bought it because they were interested in it after seeing a newspaper advertisement. It's a coincidence, but if you read it, you'll understand that it wasn't a coincidence, and that there was some form of spiritual guidance.


Anyway, I don't want to re-promote the wonderfulness of Silver Birch's lessons with my poor brush. Rather, I would like to aim for the efforts of the two editors of this book.


I would like to pay tribute to the idea of ​​extracting the gem "Q & A" from the many spiritual collections that have already been published (and have been discontinued) and put them together in one volume. If you read it in this way, you will feel that the silver birch is closer to you, and you will be reminded of the depth of its meaning.


Roy Steman, Chairman of the Spiritual Truth Promotion Foundation






Editor's preface


For those who continue their journey of quest while focusing on the spiritual and psychic aspects of life, I would like to prepare a book that will answer the questions that you encounter. This is the reason for compiling this book.


Also, when we started the "study session", we had a discussion about whether there was any reasonable textbook. The first condition was that the misunderstandings and arbitrary interpretations that could occur within the framework of spiritualism were wiped out, but then that high-class spirit known as "Silver Birch" would leave behind. I came to the conclusion that there could be no other than the cosmic philosophy and the wisdom of living.


Some of the questions in this book were actually asked many times at the séance that began in 1920. However, since Silver Birch responds by deepening and expanding the content each time, I am willing to duplicate it in this book as well.


Now that the publication of the spiritual collection is over, putting out the spiritual spirit of Silver Birch in this way will contribute to the spread of truth again. If anyone could find the light in this book, our efforts would not have been in vain. Stan ballad
Roger Green


It was




Who is Silver Birch? Translator


When I read the "Preface" and "Editor's Preface" with this book in my hand, the collection of ghost words of Silver Birch was almost discontinued, and even now, in the UK, it is called "Spiritual Truth Promotion Foundation" or "Study Group". I was happy to know that I was still alive in shape. It was


Human beings are full of things that make us want to ask "why?" Metaphysically and metaphysically.
For example, it took hundreds of years before the harsh fact of "heliocentrism" became common sense, but it is still a mystery why the earth rotates around the sun.


The reason why the sun pulls the earth trying to go straight is just a principle explanation, and why the earth tries to go straight is still a mystery in astronomy.


There are many things in life that make you want to ask "why?" This book gives a convincing answer to some of them. It is an irreplaceable fountain of wisdom, but what kind of existence is the spirit named Silver Birch? For those who are new to Silver Birch through this book, I would like to give you an overview.


Silver Birch is a tentative name for an ancient spirit who has been teaching spiritual lessons for 60 years from 1920 using the mouth of Maurice Barbanell, a spirit medium. Except for the fact that he lived on earth about 100 years before Jesus Christ, the nationality, surname, and status of the earthly era remained unknown.


He asked me at least several times to tell me just his first and last name, but each time
"What do you do when you know that? Humans have to stick to names and titles. If I find out that I'm a famous person in history, I'm even more confused about what I've said so far. You might think, but that's a very bad illusion.


It doesn't matter whether I was a king, a servant, a millionaire, or a slave in my previous life. If you are convinced of what I am saying, believe it as the truth. If you think it's such an idiot, please refuse it. That's fine. "


I usually answer, and eventually the attendees stopped asking.
The only thing that is clear is that even if the portrait drawn by a psychic person looks like a North American Indian, that Indian is not actually Silver Birch himself.


The Indians were, so to speak, the spirit medium of the spirit world, and it was the existence of the high-class spirit world that actually sent the message, and the wavelength was too high to directly work with humans on the earth, so they used Indians as a relay. It is. Spiritualism, which can be called modern scientific spiritualism, has made it clear that even after death, we will continue to live with the same consciousness as we do now.


This is called "consciousness after death of individuality", and as with the "heliocentric theory", it is a scientific fact that everyone, whether they like it or not, must admit it.


I will leave the detailed explanation to Chapter 4, and one of the characteristic lessons that Silver Birch repeatedly preaches is in contrast to Buddhism's view of "life, old age, illness, and death" as unhappiness. In particular, it is said that the significance of life on earth lies in experiencing such things, and that positively considering it as a fertilizer for the soul leads to improvement after death.


Chapter 6 was headed as "Life, old age, illness, death, suffering-the significance of life on earth" because this is the masterpiece of Silver Birch's teachings. There is no fragment of the "worldly interest" -like sermons found in all conventional religions.

Sunday, June 5, 2022

シアトルの初夏 すべてが原因と結果、種まきと刈り取りの摂理の働きによります。It all depends on the cause and effect, the providence of sowing and reaping.




生命のすべてが、自然法則による規制を受けています。

筋の通らないことや奇跡や偶然によって起きることはありません。

すべてが原因と結果、種まきと刈り取りの摂理の働きによります。

そうでないと、宇宙は大混乱に陥ります。

無限の配剤、無限の知性の働きを示す証拠なら、どこへ目をやっても存在します。
 
四季のめぐり、惑星や星雲、潮の満ち引き、無数の姿かたちをした花々にも見られます。

どれ一つとっても、法則によって営まれているのです。

その法則の枠を離れることがないということですから、そこに制約があるということになります。

しかし、法則の裏に別の次元の法則が存在します。

物的法則だけに限りません。

精神の働きにも法則があり、霊的次元にも法則があります。

自由意志という要素、ある条件下で、右か左かを選択する力と能力をそなえているというこ
とは、神の配剤の一つです。

それを最善に、そして最高に活用すれば、あなたの所属する民族、この地上世界、宇宙、森羅万象の霊的発展と進化の一翼を担うことができるのです。

なぜなら、あなたも、霊的には大霊の一部だからです。

全存在物に生命を付与している神性が、あなたにも内在しているのです。

その意味で、あなたはミクロの大霊なのです。

大霊が所有する無限の属性をあなたも所有しているのであり、それを発現していくための無限の時も用意されているのです。

明朝、あなたはいつもより一時間早く起きてもよろしいし、一時間遅く起きてもよろしい。起きたくなければ、そのままベッドのなかにいてもよいでしょう。

起きてから散歩に行ってもよいし、ドライブに行ってもよいでしょう。

かんしゃくを起こしてもかまいませんし、思い直して我慢するのも、あなたの自由です。

このように、あなたに許されていることはいろいろとあります。

しかし、太陽の輝きを消すことは、あなたにはできません。

嵐を鎮めることは、あなたにはできません。

あなたの力を超えているからです。

このように、選択の範囲が限られているという意味で、あなたの自由意思にも制約があります。

そしてもう一つ、あなたの精神的ならびに霊的発達の程度による制約があります。

たとえば、人を殺めるという行為は、だれにでもできます。

が、あなたにはできないでしょう。

これまでに築いてきた人間性および霊性が、それを許さないからです。

ですから、どちらかの選択をするとき、そこには人間性と霊性の程度が関わっているのです。

ここにも、宇宙によくあるパラドックス(一見矛盾しているかに思えること)があります。

自由といっても、一定限度内の自由ということです。


さて、ここからもう一歩踏み込まねばなりません。

カルマの問題が出されたからです。

これも、たしかに考慮に入れなくてはならない重大なテーマです。

なぜかといえば、地上へ誕生するに当たって、前もって、カルマの解消をスケジュールのなかに入れている人が少なくないからです。

その自覚は、すぐには意識の表面に出てきませんが、意識するしないに関係なく、そのことも自由意志に制約を加えます。


(原書では、この項目はここで終了しているが、カルマへの言及が足りないので、霊的治療家のハリー・エドワーズとのQ&Aのなかから、参考になる部分を編集して紹介しておく)

あなたのもとを訪れる患者は、その人なりの霊的成長段階にあります。人生というはしごの一つの段の上に立っているわけです。

それがどの段階であるかが、その人に注がれる治癒力の質・量を決します。それが私のいう「カルマ的負債」です。

 あなたにも手の施しようのない人がいます。肉体を犠牲にする、つまり、死ぬこと以外に返済の方法がないほど負債が大きい人もいます。

もう一度チャンスを与えられる人もいます。そんな人が、あなたとの縁で完治することになる場合もあります。

 精神的要素のために治らない人もいます。そんな場合は、一時的に快方に向かっても、また別の症状となってぶり返すでしょう。

それは、当人に賦課された税金のようなものであり、自分で綴っている物語(ストーリー)であり、その筋書きは他の何者によっても書き換えることはできません。

 はじめに私は、すべては法則の枠のなかに存在すると申しあげました。何ごとも、それを前提として働きます。

人間のいう「奇跡」は生じません。

自然法則の停止も変更も廃止もありません。

すべてが原因と結果から成り立っています。

そこに自由の制約があります。

もしも因果関係がキャンセルできるとしたら、神の公正が崩れます。

シルバーバーチ



All of life is regulated by the laws of nature. It doesn't make sense, it doesn't happen by miracles or chances. It all depends on the cause and effect, the providence of sowing and reaping. Otherwise, the universe will be in turmoil. Evidence of infinite distribution and infinite intelligence works everywhere you look.


It can be seen in the four seasons, planets and nebulae, the ebb and flow of the tide, and innumerable flowers. Every one is run by the law. Since it means that we will not leave the frame of that law, there are restrictions. However, there is another dimension of law behind the law. It is not limited to physical laws. There is a law in the work of the spirit, and there is also a law in the spiritual dimension.
The element of free will, having the power and ability to choose between right and left under certain conditions, is one of God's distributions. If you make the best use of it, you can play a part in the spiritual development and evolution of your people, this earthly world, the universe, and the universe. Because you too are spiritually part of the spirit.


The divinity that gives life to all beings is inherent in you. In that sense, you are a micro spirit. You also possess the infinite attributes possessed by the ghost, and you also have infinite times to manifest them.
Tomorrow morning, you may wake up an hour earlier than usual, or you may wake up an hour later. If you don't want to wake up, you can just stay in bed. You can go for a walk after waking up, or you can go for a drive. You can have a tantrum, or you are free to rethink and put up with it. As you can see, there are many things you are allowed to do.


However, you cannot turn off the brilliance of the sun. You can't calm the storm. Because it is beyond your power. As you can see, your free will is also limited in the sense that your choices are limited.


And there is another limitation depending on the degree of your spiritual and spiritual development. For example, anyone can kill a person. But you won't be able to. The humanity and spirituality that we have built so far does not allow it.


Therefore, when choosing either one, the degree of humanity and spirituality is involved. Here, too, there is a paradox that is common in the universe (which seems to be a contradiction at first glance). Freedom means freedom within a certain limit.
Well, we have to go one step further from here. Because there was a karma problem. This is another important theme that must be taken into consideration. The reason is that there are many people who have included the elimination of karma in their schedule before they are born on the ground. That awareness does not immediately appear on the surface of consciousness, but it also limits free will, whether or not it is conscious.


(In the original book, this item ends here, but since there is not enough reference to karma, I will edit and introduce the reference part from the Q & A with the spiritual healer Harry Edwards. back)


The patient who visits you is in his or her own spiritual growth stage. You are standing on one step of the ladder of life. The stage at which it is determined determines the quality and quantity of healing power that is poured into the person. That is what I call "karmic debt."


There are people who can't handle you either. Some people have so much debt that they have no choice but to sacrifice their bodies, that is, to die. Some people are given another chance. In some cases, such a person will be completely cured by the relationship with you.
Some people do not heal because of mental factors. In such a case, even if it temporarily improves, it will return to another symptom. It's like a tax levied on a person, a story he tells, and the storyline cannot be rewritten by anyone else.


Introduction I said that everything exists within the framework of the law. Everything works on that premise. The "miracle" that humans call does not occur. There is no suspension, change or abolition of the laws of nature. Everything consists of cause and effect. There are restrictions on freedom. If the causal relationship could be canceled, God's justice would be broken.

Saturday, June 4, 2022

シアトルの初夏 そもそも地上生活の目的とは何でしょうか? What is the purpose of life on earth in the first place?

 




そもそも地上生活の目的とは何でしょうか?

  そもそもの目的は、本来の自分を理解することです。そのためには、物的身体の機能と霊としての資質を存分に発揮することが必要です。物的なことに偏って、霊的存在としての義務をおろそかにするのもいけませんが、霊的なことに偏って物的存在としての義務をおろそかにするのも間違いです。両者のバランスをとり、この世にありながら、この世的人間に堕することのないようにすべきです。


 肉体は神の分身である霊の神殿ですから、十分な手入れが必要です。そして成長と進化の過程にある霊は、その肉体を通して、成長と進化のための機会を与えられる必要があります。

 地上生活の目的は、地上を去った霊が次の階層での生活になじめるように、さまざまな体験を積むことです。そこで、まず地球へやってくるのです。地球は、トレーニングセンターです。肉体に宿った霊が、次の次元の生活への装備を提供してくれる教訓を学ぶための学校のようなものです。

 そういう理由から、私は改めて申しあげます。あなた方が嫌な体験と思っているものが、最高の薬になっていることがあるのです。本当の自分を見出すのは日向の生活のなかではなく、嵐のような生活のなかなのです。雷鳴が鳴り響き、稲光がひらめいているときです。

 人間は厳しく磨かれ、清められ、純化されなければなりません。絶頂もどん底も体験しなければなりません。地上生活だからこそ体験できるものを、体験しなくてはいけません。そうした体験によって霊性が強化され、補強され、死の向こうに待ち受ける生活への準備が整うのです。

 地上生活の目的は、霊性を活気づけることです。そのために、地上界の出来事は二面性と二極性を鮮烈に体験するようになっており、そこに地上生活の地上生活たるゆえんがあるのです。たとえば、善と善でないものが同居しています。これは、私たちの世界にはないことです。高次元の世界には、対照的なものが存在しないのです。

 地上生活の目的は、魂がその霊的資質を発揮できるように、さまざまな体験をするチャンスを与えて、霊性を一段と強化することです。そのために悪もあれば罪もあり、暴力も存在するのです。

 地上の全生命の存在目的は、人類をはじめ動物、その他の全生命に宿る神性に火がともされて火種となり、灯火となり、火焔となって燃えさかるように、刺激的体験を得ることです。霊的意識が目覚め、地上にありながら、生命の現象的側面にとどまらず、もっと大切な内的側面をも理解して、その恵みを享受するようになります。 
シルバーバーチ


What is the purpose of life on earth in the first place?


The purpose in the first place is to understand who you really are. For that purpose, it is necessary to fully demonstrate the functions of the physical body and the qualities as a spirit. You should not be biased toward physical things and neglect your obligations as a spiritual being, but it is also a mistake to be biased toward spiritual things and neglect your obligations as a physical being. We should balance the two so that we will not fall into this worldly human being while we are in this world.


The body is the temple of the spirit, which is the alter ego of God, so sufficient care is required. And spirits in the process of growth and evolution need to be given opportunities for growth and evolution through their bodies.


The purpose of life on earth is to gain various experiences so that the spirits who have left the earth can become familiar with life at the next level. So, first come to the earth. The earth is a training center. It's like a school where the spirits in the body learn lessons that provide equipment for the next dimension of life.


For that reason, I would like to reiterate. What you find unpleasant is sometimes the best medicine. It's not in Hinata's life that you find your true self, but in a stormy life. It's when thunder is ringing and lightning is inspiring.


Humans must be rigorously polished, purified and purified. You have to experience the climax and the bottom. You must experience what you can experience only because you live on the ground. These experiences strengthen and reinforce spirituality and prepare you for a life awaiting death.


The purpose of life on earth is to enliven spirituality. For that reason, the events of the earthly world have come to vividly experience two-sidedness and two-polarity, and there is a reason for the earthly life of earthly life. For example, good and non-good live together. This is something that is not in our world. There is no contrast in the higher dimensional world.


The purpose of life on earth is to further strengthen spirituality by giving the soul a chance to experience various things so that it can demonstrate its spiritual qualities. Therefore, there is evil, there is sin, and there is violence.


The purpose of the existence of all life on earth is to obtain an exciting experience as if the divinity of human beings, animals, and all other life is lit and becomes a fire, a light, and a flame. You will awaken your spiritual consciousness and, while on earth, will understand not only the phenomenal aspects of life, but also the more important inner aspects, and will enjoy their grace.

Friday, June 3, 2022

シアトルの初夏 誠心誠意、魂の底からの祈り、     sincerity, prayer from the bottom of the soul,






 
 第1章 祈り                    


 それは、

その祈りがどういうものであるかによって違ってくることです。

祈りの文句を目的もなしに繰り返すだけでは、

ただ大気中に波動を起こすだけです。

 が、

誠心誠意、

魂の底からの祈り、

大霊 の心と一体となり、

大霊の道具として有意義な存在でありたいと願う心は、

その波動そのものが、

その人を大霊の僕として、

よりふさわしく、

よりたくましくします。

祈るということ、

真実の自分を顕現すること、

心を開くこと、

これが背後霊との一体化を促進するのです。


It depends on what the prayer is like. 
Repeating prayer words for no purpose simply causes vibrations 
in the atmosphere.
However, sincerity, prayer from the bottom of the soul, 
and the desire to be a meaningful existence as a tool of the God, 
united with the heart of the spirit 
the vibration itself is the person. 
As a servant of the spirit, I will be more suitable and stronger. 
Praying, revealing your true self, opening your heart, 
this promotes unity with the spirit behind you.






Thursday, June 2, 2022

シアトルの初夏 真実の意味での祈りは大きな霊的活動です。Truthful prayer is a great spiritual activity.



 誠心誠意の祈りは、その行為そのものがより高い波長に感応させます。祈るということ自体が心を開かせるのです。ただし、その祈りは、心と魂と精神を込めたものであらねばなりません。こうしてほしい、ああしてほしといった、ただの要求は祈りではありません。真実の意味での祈りは大きな霊的活動です。


それは何かの目的への手段であって、目的そのものであってはならない、というのがいちばん的確な表現かと思います。


 「何とぞ私を役立たせ給え」───これ以上の祈りの言葉はありません。「大霊とその子らのために、自分を役立たせたい」 と祈ることよりも偉大なる仕事、大いなる愛、崇高なる宗教、高邁なる哲学はありません。


 どういうかたちでもよろしい。摂理の霊的な意味を教えてあげることでも、お腹をすかしている人に食べるものを与えてあげることでも、あるいは暗い思いに沈んでいる人を明るい気持ちにしてあげることでもよろしい。つまりは、その人のためになることであれば、どんなことでもよいのです。


自分のことをあとまわしにしてでも、他人のために役立つことをする術を身につければ、それだけ内部の霊性、すなわち大霊が発現することになるのです。ことは、簡単なのです。
 ところが、聖職者たちは教会を建立し、そのなかで得体の知れない説教をします。私にも理解できないようなむずかしい用語を散りばめ、〝宗教的〟であると信じている儀式をします。が、そんなことはどうでもよろしい。


くじけそうになっている人のところへ行って元気づけてあげ、疲れた人に休息の場を与えてあげ、空腹の人に食べ物を施してあげ、のどの渇いた人に飲み物を与えてあげ、暗闇のなかに沈んでいる人に新しい光明を見出させてあげるのです。そのとき、あなたを通して大霊の摂理が働いています。

   シルバーバーチ 



Sincerity prayer makes the act itself more sensitive to higher wavelengths. Praying itself opens the heart. However, the prayer must be heart, soul, and spiritual. A mere request, such as wanting you to do this, or wanting you to do it, is not just prayer. Truthful prayer is a great spiritual activity.


I think the most accurate expression is that it is a means to some purpose, not the purpose itself.


"How can I help you?" ─── There are no more words of prayer. There is no greater work, greater love, noble religion, no higher philosophy than praying, "I want to help myself for the spirits and their children."


It doesn't matter what you do. You can teach the spiritual meaning of providence, give something to eat to those who are hungry, or make them feel cheerful to those who are gloomy. In other words, anything that benefits the person is fine.


Even if you leave yourself behind, the more you learn to do something useful for others, the more your inner spirituality, the great spirit, will manifest. It's easy.
However, the priests build a church and give a mysterious sermon in it. Sprinkle with difficult terms that I don't understand, and perform rituals that I believe to be "religious." But I don't care about that.


Go to the person who is about to get tired and cheer him up, give the tired one a rest, feed the hungry one, give the thirsty one a drink, Let the person who is sinking in the dark find a new light. At that time, the providence of the spirit is working through you.