Friday, December 24, 2021

シアトルの冬 霊界でも祝うクリスマスとイースター  ─その本来の意味  Christmas and Easter Celebrated in the Spirit World-its Original Meaning


  
クリスマスもイースターも本来は宗教的祭礼であるが、今では物質的観念に汚染されてその基本的な光彩をすっかり失っている。

 本書で紹介する講演でシルバーバーチはその本来の意義を説明し、それが霊界においてどのように祝われているかを語っている。シルバーバーチらしく最後は、狼と小羊とが一緒に寝そべるような平和、つまり地上天国という理想を説き、そのためには人類が愛と哀れみと慈悲と責任意識を持たねばならないことを力説している

 私たち地上の霊的啓蒙活動に従事している霊団の指導的立場にある者は、キリスト教でいうクリスマスとイースターに相当する時期に霊界の奥深く帰還する習わしになっております。

 ご承知の通りその二つの祝祭はキリスト教よりさかのぼる太古において、一年を通じての太陽の勢いの変化を神の働きかけの象徴と受け止めたことがその起源です。

 太古において太陽がその輝きを最高度に発揮する時期(夏至、6月下旬、旧暦5月中旬)が〝復活〟(ヨミガエリ)の時、つまり大自然が讃歌を奏で、見事な美しさを披露する時とみなされました。言いかえれば、蒔かれたタネがその頃に華麗なる成長を遂げると考えたのです。

 それに呼応して冬至(12月下旬、旧暦1月中旬)があります。最高の輝きを見せた太陽が衰え始めると、大自然はエネルギーを蓄え、根を肥やしながら季節の一巡の終わりを迎えると考えたのです。来るべき夏至にその成長ぶりを披露するのに備えるというわけです。

 そういうわけでクリスマスは永い一年の巡りの終わりであると同時に、太陽の誕生、新たなる生命が地上へ誕生する、その最初の兆しを見せる時期だと、太古の人は考えました。

 この二つの時期は太古において大切な意味をもっておりました。と申しますのは、〝神のお告げ〟はその二つの時期に授けられると信じられたからです。あなた方現代人は太陽の持つ神秘的な影響力をご存知ありません。

太古の人はその時期に今でいう交霊会を何日にもわたって大々的に催したものでした。その時期にたっぷりと啓示を頂いたのです。

 そこで私たち霊団の指導的役割を担う者は、誕生に相当する人生で最も大切なこの時期(クリスマス)に一堂に会して祝い合うのです。 
その始まりは太陽の影響力への讃美ということでしたが、それは一種の象徴(シンボル)であり、実質的には生命が他の生命へ及ぼす影響力、物質が他の物質へ及ぼす影響力、惑星が他の惑星へ及ぼす影響力、などが含まれております。

 とくに一年のこの時期が選ばれたのは、私たちに協力してくれている霊たちの地上時代に属していた民族が大自然の摂理を基盤とした宗教をもっていたからです。古い時代の私たちにとっては太陽の誕生の祝いが最大の祝いでした。

それは新しい年の始まりに他ならないからです。四季のめぐりの終わりであると同時に新しいめぐりの始まりでもあるわけです。

 そうした祝いがかつて地上で催されていたことから、これを霊界でも祝うことになりました。もとより、今では霊的な意味をもつようになっております。つまり新しい生命の誕生を祝うのではなく、地上からいったん引き上げて、新しい光を地上へもたらすために霊力の回復を図ることを目的としております。

今この仕事に従事している霊団の者は、地上時代は西洋文明を知らない古い民族に属していましたから、(キリスト教的な祝い方と違ってこの時期を地上から引きげて私たちの本来の所属界へ帰還する機会としております。

 帰還すると評議会のようなものを開き、互いに自分たちの霊団の経過報告をし、どこまで計画通りに行き、どこが計画通りに行っていないかを検討し合います。それとともに新たな計画を討議し合います。私達を地上へ派遣した神庁の方々とお会いするのもその時です。

 その中にかのナザレのイエスの雄姿があるのです。 
イエスは今なお人類に古来の大真理すなわち〝愛は摂理の成就なり〟を教える大事業に携わっておられます。 
そのイエスが私たちの業績に逐一通じておられるお言葉を述べられ、新たな力、新たな希望、新たなビジョン、新たな目的をもって邁進するようにと励まして下さる時のそのお姿、そのお声、その偉大なる愛を、願わくば皆さんにも拝し聞きそして感じ取らせてあげられればと思うのですが・・・・・

 もとよりそれはキリスト教によって神の座に祭り上げられているイエスではありません。数知れない道具を通して人類に働きかけておられる、一個の偉大なる霊なのです。

 その本来の界に留まっているのは短い期間ですが、私はその間に改めて生命力溢れる霊力、力強さと美しさに溢れるエネルギーに浸ります。

それに浸ると、生命とは何かがしみじみと感じ取れるのです。私はそのことをあくまで謙虚な気持ちであるがままに申し上げているつもりです。見栄を張る気持ちなどひとかけらもございません。

 仮に世界最高の絵画のすべて、物質界最高のインスピレーションと芸術的手腕、それに大自然の深くかつ壮大な美を全部集めて一つにまとめてみても、私の本来の所属界の荘厳美麗な実在に比べれば、至ってお粗末な反映程度のものでしかありません。

 芸術家がインスピレーションに浸ると、手持ちの絵具ではとても表現できそうにないことを痛感して、魂で感じ取ったその豊かな美しさを表現するための色彩を求めます。が、それは地上のどこにも存在しません。霊的な真理と美しさは物的なものでは表現できないのです。

 そうした界層での私の霊的な高揚状態がどうして言語などで表現できましょう。大霊の光輝を全身から放っている存在となっているのです。(章末注参照)

 叡智と理解力と慈悲と優しさに満ち、人間の側から訴えられる前にすべてを察知し、心の中を読み取り、心の動きに通じ、成功も失敗も知り尽くしております。

 全ての宗教の根幹でありイエスの教えの集約でもある、かの愛の名言(愛とは摂理の成就なり)は、全生命の主、無限の創造者たる大霊の名において私たちもその真実性を宣言するものです。

 かくして私たちは本来の霊的状態へ戻り、本来の環境である光彩と喜びと光輝と笑いと豊かさと崇高さと荘厳さを味わいます。その中に浸り、その喜びを味わい、私たちにとってはごく当たり前の状態である壮観を取り戻します。それが私たちのお祝いです。

 助言を頂き、感激を味わい、気分を一新し、元気百倍し、心身ともにすっかり生き返った私たちは、やおらこの冷ややかで陰うつでじめじめとして味気ない、暗い地上世界へと赴き、厚く包み込むそのモヤと霧を払い、真理の光を輝かせるための仕事を再開します。

 地上のクリスマスシーズンにも愛の精神の発露が見られないわけではありません。それが親切と寛容の形をとり、また施しの精神となって表現されております。旧交を温め、縁を確認し合い、離ればなれになった者が一堂に会するということの中にもそれが見られ、又、かつての恨みはもう忘れようという決意をさせることにもなります。

 しかし残念でならないのは、それに先立って大量の動物が殺害されることです。物言わぬ神の子が無益な犠牲とされていることです。〝平和の君〟キリストの誕生がそうした恐ろしい虐殺によって祝われるということは何と悲しいことでしょう。

なぜ平和を祝うために罪もない動物の血が流されねばならないのでしょう。これはまさに地上世界の磔刑(ハリツケ)です。罪なき動物に流血の犠牲を強いて平和を祝うとは・・・・・・

 いつの日か愛と哀れみと慈悲と責任感とが人間を動かし、助けを求める動物たちへの態度を改めることになるでしょう。そうした資質が発揮されるようになってはじめて、罪もない動物への容赦ない流血と残酷と無益な実験も行われなくなることでしょう。地上に真実の平和が訪れ、狼が小羊と並んで寝そべることになりましょう。 

          シルバーバーチ

訳者注──シルバーバーチはよく〝光り輝く存在〟shining ones という言い方をする。日本でいう〝八百万の神々〟西洋でいう〝天使〟で、『ベールの彼方の生活』第三巻<天界の政庁>篇ではその存在の様子がアニメ風に語られている。

 ただ注意しなければならないのは、その通信霊のアーネルやシルバーバーチが述べているのはあくまでも地球神界つまり地球の創造界のことで、その上には太陽神界があり、さらにその上には太陽系が属する銀河系神界があり、さらには星雲が幾つか集まった規模の神界があり、最後は(少なくとも理屈の上では)宇宙全体の神界があることになる。

 シルバーバーチはその内奥界を含めた宇宙を Cosmos (コズモス)と呼び、物的宇宙を Universe (ユニバース)と呼んで使い分けている。が、そのコズモスは無限・無辺であるとも言っている。

こうなると人間の粗末な脳味噌などではもはや付いて行けない。アーネル霊でさえ〝茫然自失してしまいそうだから、これ以上想像力を広げるのは止めましょう〟と言っているほどである。

 先ほどシルバーバーチが〝私はあくまで謙虚な気持ちであるがままを申し上げているつもりです。見栄を張る気持などひとかけらもございません〟と述べたことにはそうした背景がある。もはや〝謙虚〟などということを超越した次元の話である。



Christmas and Easter Celebrated in the Spirit World-its Original Meaning

Christmas and Easter were originally religious festivals, but now they are contaminated with material ideas and have completely lost their basic brilliance.


In the lecture introduced in this book, Silver Birch explains its original meaning and how it is celebrated in the spirit world. At the end, like Silver Birch, he preaches the ideal of peace, where the wolf and the lamb lie down together, that is, heaven on earth, and emphasizes that human beings must have love, compassion, mercy, and responsibility for that purpose. ───




Those who are in the leadership position of the spirit group engaged in spiritual enlightenment activities on earth are in the practice of returning deeply into the spirit world at the time corresponding to Christmas and Easter in Christianity.


As you know, the origin of these two festivals is that in ancient times, which dates back to Christianity, the change in the momentum of the sun throughout the year was regarded as a symbol of God's work.


In ancient times, the time when the sun maximizes its brilliance (summer solstice, late June, mid-May lunar calendar) is the time of "revival", that is, nature plays a hymn and shows off its splendid beauty. It was considered time. In other words, I thought that the seeds sown would grow brilliantly around that time.


Correspondingly, there is the winter solstice (late December, mid-January of the lunar calendar). As the brilliant sun began to fade, nature thought it would end the season, storing energy and fertilizing its roots. We are preparing to show off our growth in the coming summer solstice.


That's why Christmas was the end of a long year, and at the same time, the ancient people thought that it was the time to show the first signs of the birth of the sun and the birth of new life on the earth.


These two periods had important meanings in ancient times. I say, because it was believed that the "God's message" would be bestowed at those two times. You modern people do not know the mysterious influence of the sun.


The ancients used to hold what is now called a séance for many days at that time. I received a lot of revelation at that time.


Therefore, those who play a leading role in our spiritual corps gather together to celebrate at this most important time (Christmas) in life, which is equivalent to birth. The beginning was a praise for the influence of the sun, but it is a kind of symbol (symbol), in effect the influence that life has on other life, the influence that matter has on other matter. , The influence that one planet has on other planets, etc. are included.


Especially this time of the year was chosen because the people who belonged to the earthly era of the spirits who cooperated with us had a religion based on the providence of nature. The celebration of the birth of the sun was the greatest celebration for us in the old days.


It's just the beginning of a new year. It is the end of the four seasons and the beginning of a new one.


Since such a celebration was once held on the ground, it was decided to celebrate it in the spirit world as well. Of course, it now has a spiritual meaning. In other words, instead of celebrating the birth of a new life, the purpose is to pull it up from the earth and restore its spiritual power to bring new light to the earth.


The members of the spirit group who are now engaged in this work belonged to an old people who did not know Western civilization during the earthly era. This is an opportunity to return to the original world of affiliation.


When returning, we will open something like a council, report on the progress of our spirit group, and discuss how far we went as planned and where we did not. At the same time, we will discuss new plans. It is also at that time that we meet the people of the shrine who sent us to the ground.


There is a male figure of Jesus of Nazareth in it. Jesus is still involved in a great business that teaches mankind the ancient truth, that is, "love is the fulfillment of providence." The appearance of Jesus as he encourages us to push forward with new powers, new hopes, new visions, and new purposes by saying the words that are in line with our achievements. Hopefully you can worship, hear and feel your voice and its great love ...


Of course, it is not Jesus who is being celebrated to the throne of God by Christianity. It is a great spirit that works on humankind through countless tools.


It is a short period of time to stay in the original world, but during that time I will be immersed in the energy full of vitality, power and beauty.


When you immerse yourself in it, you can feel what life is. I will say that with a humble feeling. There is no feeling of looking good.


Even if all of the best paintings in the world, the best inspiration and artistic skills of the material world, and the deep and magnificent beauty of nature are all put together into one, the majestic beauty of my original world Compared to the actual situation, it is only a poor reflection.


When an artist is immersed in inspiration, he realizes that it is very unlikely that he can express it with his own paints, and seeks colors to express the rich beauty that he felt in his soul. But it doesn't exist anywhere on earth. Spiritual truth and beauty cannot be expressed in physical terms.


How can I express my spiritual uplifting state in such a plane in language etc. It is the existence that gives off the brilliance of the spirit from the whole body. (See note at the end of the chapter)


Full of wisdom, comprehension, mercy and kindness, we know everything before being sued by humans, read in our hearts, understand the movements of our hearts, and know all about successes and failures.


The quote of love (love is the fulfillment of providence), which is the basis of all religions and the sum of the teachings of Jesus, is in the name of the Spirit, the Lord of All Life and the Infinite Creator. It declares the truth.


Thus, we return to our original spiritual state and enjoy the original environment of brilliance, joy, brilliance, laughter, abundance, sublime and majesty. Immerse yourself in it, enjoy its joy, and regain the spectacular state that is quite commonplace for us. That is our celebration.


After receiving advice, we were deeply moved, refreshed, rejuvenated, and revived completely both physically and mentally. And dispel the fog and resume work to shine the light of truth.


It is not that the spirit of love is not unveiled even during the Christmas season on earth. It takes the form of kindness and forgiveness, and is expressed as the spirit of alms. It can be seen in the fact that old relationships are warmed up, the ties are confirmed, and those who are separated meet together, and it also makes us decide to forget the old grudges.


However, it is unfortunate that a large number of animals are killed prior to that. The silent child of God is a futile sacrifice. How sad it is that the birth of Christ, the "prince of peace," is celebrated by such a horrific slaughter.


Why must the blood of innocent animals be shed to celebrate peace? This is exactly the crucifixion of the earthly world. To celebrate peace by forcing innocent animals to sacrifice blood ...


One day love, compassion, mercy and responsibility will move humans and change their attitude towards animals seeking help. Only when those qualities are demonstrated will the relentless bloodshed, cruel and futile experiments on innocent animals cease. True peace will come to the earth, and the wolf will lie alongside the lamb.


Translator's Note ──Silver birch is often referred to as "shining ones". It is an "eight million gods" in Japan and an "angel" in the West, and its existence is described in an anime style in the third volume of "Life Beyond the Veil" <Heavenly Government Office>.


However, it should be noted that the communication spirits Arnell and Silver Birch are talking about the earth god world, that is, the creation world of the earth, above which is the sun god world, and above that. There is a galactic divine world to which the solar system belongs, there is also a divine world on the scale of several nebula, and finally (at least in theory) there is a divine world of the entire universe.


Silver Birch uses the universe including its inner world as Cosmos and the physical universe as Universe. However, it also says that the cosmos is infinite and edgeless.


When this happens, human poor brain miso can no longer keep up. Even the Arnell spirit is about to lose himself, so let's stop expanding our imagination anymore.


There is such a background in the fact that Silver Birch said earlier that "I am humble and I have no feeling of looking good". It is a story that transcends "modesty" and so on.

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