Wednesday, January 24, 2024

シアトルの冬 本当に必要なのは単純で素朴な真理なのです。新しい大真理ではなく、驚異的な啓示でもなく、新しい神勅でもありません。その素朴な真理はいつの時代にも、いかなる国においても、必要性と理解力の程度に応じたものが授けられてきております。

What we really need is simple, simple truth. It is not a new great truth, it is not an amazing revelation, it is not a new divine edict. This simple truth has been imparted throughout the ages and in all countries according to their level of need and understanding.

 「本当に必要なのは単純で素朴な真理なのです。新しい大真理ではなく、驚異的な啓示でもなく、新しい神勅でもありません。その素朴な真理はいつの時代にも、いかなる国においても、必要性と理解力の程度に応じたものが授けられてきております。
かならず霊覚を具えた男性及び女性がいて、その人たちを通じて霊力が地上に注がれ、先見の明をもって人々を導き、癒やし、慰めてきました。これからもそうでありましょう。

 それと同じ霊力があなた方の今の時代にさらに一段と強化されて注がれております。キリスト教で〝聖霊〟と呼ばれているスピリットの降下に伴って生じる各種の心霊現象を繰り返し演出して、古くから説かれている同じ真理、すなわち生命に死はないこと、霊は不滅であることを説き、人間の霊性、その根源、宿命、存在の目的、宇宙の大霊とのつながり、隣人とのつながり、そうして、そこから派生する驚異的な意味を力説しているのです。

 その霊力が今まさに奔流となって注がれ、そうした真理が改めて説かれております。確かに古くから説かれてきた真理なのですが、地上人類は今新しい進化の周期を迎えて、その古い真理を改めて必要としているのです。

一宗一派に片寄った古い、勿体ぶった、因習的教義へはもはや何の敬意も払う必要はありません。権威に対して盲目的に従う必要はありません。ドグマを崇拝する必要はもうなくなりました。

 そうした類のものは全て無力であることが証明され、人間は成長せんとする精神と進化せんとする魂の欲求を満たしてくれるものを求めてまいりました。こうした霊力の顕現に伴ってかならず人生の純粋に物的な分野においてもより大きな覚醒が生まれ、同時に、正義と同胞精神が世界のすみずみにまで行きわたってほしいとの願いが生じるのは、そのためなのです。

 それは一か月や一年はおろか、十年や百年でも達成されないでしょう。しかし、人類はみずから目覚め、真の自我を見出していかねばならないという宿命的法則があります。従って、重責を担う立場の人、人類に道標を残して行くべき使命を負う者は、それを忠実にそして立派に果たすべき重大な任務があることになります。

 いつの日かあなたも、あなたご自身の〝事務報告〟を提出しなければならない時がまいります。あなただけではありません。すべての人間が自分自身の事務報告の提出を要請されます。その際、あたら好機を逸したことに対する後悔を味わうこともありましょうし、為すべきことを成し遂げたとの自覚に喜びを味わうこともありましょう。

 相変わらず絶望感が支配し暗黒の多い地上世界にあっては、光明と真理のために闘う人々が不安や疑念を抱くようなことがあってはなりません。強力な霊力、宇宙最大のエネルギーがその献身的な仕事を通して守護し援助してくれているからです。正しい道を歩んでいる限り勝利はきっとあなたのものとなります」

 このあと、その編集長の同僚で最近他界したばかりの霊からのメッセージを伝えてから、再び本題に戻ってこう語った。

 「私があなた方の世界での仕事を始めてからずいぶん長い年月になります。あれやこれやと煩わしい問題が生じることにもすっかり慣れました。そして、あなたのようなお仕事をしておられる方が来て下さり私が少しでもお役に立つこともうれしく思っております。

それが私を通じて霊の力が働いていることの証であるからこそうれしいのです。これまでの全体験によって私は、霊の力はその忠実な通路さえあればきっと事を成就していくことを学んでおります。

 いかなる反抗勢力、いかなる敵対行為、いかなる中傷、いかなる迫害をもってしても、悲しみに満ちた人々の魂の琴線に触れ、病める身体を治し、迷える人々に光明を見出す道を教え、人生に疲れた人々を元気づけることのできる献身的な通路がある限り、その仕事が挫折することは決してありません。

 本来なら、こうしたことが逸(と)うの昔に教会という権威を担った人々によって成就されていなければならないところです。それが現実には成就されていません。というよりは、その肝心なものが置き去りにされているのです。そして今や霊的にも物的にも、その担い手は教会とは何の縁もない普通一般の人たちとなっております。

もし教会関係の人々が自分たちの本来の存在意義を自覚すれば、もし自分たちの本質がその神性にあることを理解すれば、そしてもし自分の身のまわりに存在する莫大な知識の宝庫、霊力、エネルギーを自覚すれば、それを活用して新しい世界をわけなく建設することができるところなのですが・・・。

 しかし、それは是が非でも成就していただかねばならないのです。なぜならば私たち霊界の実情を言わせていただけば、毎日毎日ひきも切らず地上から送り込まれてくる不適応者、落伍者、放蕩者、社会のクズともいうべき人達───要するに何の備えも無い、何の用意も無い、何の予備知識も持たなくて一から教えなければならない人間の群れには、もううんざりしているのです。

本当はこちらへ来てすぐからでも次の仕事に取り掛かれるよう、地上での準備をしておくべきなのですが、現実にはまるで生キズの絶えない子供を扱うように看護し、手当てをしてやらねばならない者ばかりなのです。

 そういう次第で、あらゆる形での霊的知識の普及がぜひとも必要です。人類が霊的事実を理解してくれないと困るのです。真理に導かれる者は決してしくじることはありません。

真理は理解力をもたらし、理解力は平和と愛をもたらし、心に愛を秘めた者には解決できない問題は何一つありません。人類の指導者が直面するいかなる難題も、霊的真理と霊的叡知と霊的愛があればきっと消滅していくものです。私の見解に賛同してくれますか?」

 「ええ、もちろんですとも」

 「その目的のために、あなたはあなたなりの方法で、私は私なりの方法で、そのほか真理を幾らかでも普及できる立場にある人すべてが、その人なりの方法で努力しなければなりません。そうすることが世界を、あるいは少なくとも自分の住む地域を豊かにすることになるのです」

 このあと編集長と交霊会の常連との間で、その他界したジャーナリストの人物評に花が咲いた。するとシルバーバーチがこう述べた。

 「皆さんは人間が他界して私たちの世界へ来ると、その人の評価の焦点がまったく異なったところに置かれることをご存知ないようですね。皆さんはすぐに地上時代の地位、社会的立場、影響力、身分、肩書といったものを考えますが、そうしたものはこちらでは何の意味もありません。

そんなものが全てはぎ取られて魂が素っ裸にされたあと、身をまとってくれるのは地上で為した功績だけです。

 しかしこの方は地上で本当に人類のために貢献されました。多くの人から愛されました。その愛こそが死後の救いとなり、永遠の財産となっております。金銭はすべて地上に置き去りにしなければなりません。

地上的財産はもはや自分のものでなくなり、愛、情愛、無私の行為だけが永遠の資質となるのです。魂が携えて行くのはそれだけであり、それによって魂の存在価値が知れるのです。

 したがって同胞からの愛と尊敬と情愛を受ければ、それが魂を大きくし、進化を促すことになります。真の判断基準によって評価される界層においては、そうした要素が最も重要視されます。肝心なのはいかなる人間であるかであり、何を為してきたかです」

シルバーバーチ

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