Sunday, November 13, 2022

シアトルの晩秋 心臓が止まったから霊が逃げ出すのではありません。逆です。The spirit does not escape because the heart stops. It is the opposite.




ー“恐れ”というのは、人間の本能的要素の一つです。それをなくせと言っても無理だと思うのです。これは自衛のために用意された自然の仕組みです。動物の世界は“恐れ”に満ちております。それがいけないとなると、ではなぜ、それが動物界の基本的要素となっているのかという疑問が出ますー


「なかなかいい質問だと思います。人間は二面性をもつ存在であり、動物時代の名残と、本来の資質である霊性の二つの要素を、地上生活の中で発揮しております。


 そして、より高く進化していく上で不可欠の“自由意志”を授かっております。それが内部の神性が発揮されていく必須の条件だからです。

このように人間は、その進化の道程において、持てる資質を利己的な目的に使用するか利他的な目的に使用するかの二者択一を、永遠に迫られることになります。これまでにたどってきた進化の道程において植えつけられた肉体的要素に負けてしまえば、生命の根源そのものである霊性の優位を否定していることになります。

恐怖心は大体において動物的先祖から引き継いだものです。そして、わたしが“動物的先祖”という場合は、物的身体が原初から今日に至るまでにたどってきた進化の全側面をさします。しかし、だからといって、やむを得ないこと、ということにはなりません。

たしかに自衛本能としての恐怖心もありますが、まったく無意味で筋の通らない、救いようのない恐怖心もあり、それが困難や危険を増幅し、視野を遮ってしまいます。生活の根底であるべき霊的実在に、まったく気づいていないからです」

ー動物の場合は、本性そのものが恐怖心を必要としているという意味でしょうかー

「人間は動物よりはるかに高度の意識を発揮していますから、それだけ精神的側面をコントロールできないといけません。が、動物は、人間に飼われているものは例外として、本能的に行動しています。人間には理性があります。

 そして、高級界からのインスピレーションを受け取り、叡智と知識を活用することによって、暗黒と無知の産物をなくしていく霊的資質をそなえております」

ー動物も、進化すると恐怖心を見せなくなります。人間を恐れるのは虐待行為に原因があるのだと思いますー

「わたしが今“人間に飼われているものは例外として”と申し上げたのは、そのことがあったからです。人間との接触によって人間的意識をいくらか摂取して個体性をもつようになり、恐怖心を捨てていきます。

そこに“愛の力”の働きが見られるのです。人間が愛を発現することによって、その愛が動物から恐怖心を追い出します。人間は、その自由意志によって動物に無用の恐怖心を吹き込むという罪を犯していることを忘れてはなりません。

野生動物でさえも、人間の愛によって恐怖心を捨てていくものなのです。そして、現実にライオンと小羊が仲良く寝そべるようになるのです」

ーあなたがおっしゃるように、もしも摂理が完璧で、数学的正確さをもって働き、あらゆるものを認知し、誰一人として不公平に扱われることがないようにバランスが取れているとしたら、それはカルマの法則と再生の事実を認めていることになるのでしょうかー

「イエス・ノーの答え方だけで言えば、イエスです」

ーある記事で、きわどい手術をするために医師がその患者の心臓を十五分間ストップさせたという話を読みました。私は、心臓が鼓動をやめたら、その瞬間に霊は身体を離れたはずだと思うのですが……ー

「霊が身体から離れはじめると心臓が鼓動を止めはじめるのです。ですが、その離脱の過程はふつう、かなりの時間を要します。自然死の場合の話です。その過程の途中で、一時的に鼓動が止まることがあります。

単なる生理反応が原因の場合もありますし、機能上の欠陥が原因の場合もあります。いずれにしても、心臓が止まったから霊が逃げ出すのではありません。

逆です。霊が引っ込むから心臓の機能が止まるのです」

ー建設的な目的にせよ、原子力を使うために核を分裂させなければなりませんが、それは自然界の調和の原理に違反し、人類自身にとっても危険なことではないでしょうかー

「これは非常に難しい問題です。なぜかといえば、それには現在の地上人類に理解できない要素がたくさん含まれているからです。

宇宙に調和の原理があり、それを人間が乱すことはできます。が、大自然の摂理の働きを止めたり変えたりすることはできません。わたしが言わんとしているのは、もしも原子核の分裂が不可能だったら、人間が核分裂を起こすことはできなかったということです。

このことに関連して間違いなく言えることは、この核分裂の発見は調和のとれた進化からズレているということです。つまり、まだその時機でなかった――人類の精神的ないし霊的成熟度が十分でなかったということです。

もし十分であれば、原子エネルギーの使用にまつわるさまざまな問題は起きないはずです。この、とてつもない発見のおかげで、人類は霊的に受け入れる用意のできていないものを手にしてしまい、それがもとで、大変な危険の可能性を抱えてしまいました。

が、各国の命運を握っている指導者たちが、霊的な叡智に目覚めれば解決できるでしょう。というよりは、それしか道はないでしょう」

ー私たちは子供の頃から“愛の神”“天にまします父なる神”を信じるよう教えられてきましたが、地上生活を終えた霊が、地上の人間に憑依することが有り得るものなのでしょうかー

「もちろん有り得ますとも」

ー愛の神がそれを許すものなのでしょうか

「大霊とは法則のことです。ある人間的な存在がいて、それはやってよろしい、それはいけません、といった指図をしている図を想像してはなりません。原因と結果の法則で動いている宇宙なのですから、地上と霊界との交信にもちゃんとした原理があります。

その原理は“善人にしか使用できません”という規約をもうけるわけにはいかないのです。同じチャンネルを善霊でも悪霊でも使用できるのです。

他界後に地縛霊となってしまうような地上生活を送った場合、それは利己主義や貪欲や強欲が悪いのであって、大霊が悪いのではありません。

また、麻薬やアルコールや貪欲がもとで、そういう地縛霊に憑依されるようなことになった場合、それをどうして大霊のせいにできましょう。自分の自由意志でやったことなのですから」

ーこれからは心霊治療がもっとも重大な分野となるように計画されているのでしょうかー

「迷うことなく“そうです”と申し上げます。これからは、病気に苦しむ人々の治療の分野に霊力を顕現させていく計画が用意されています。

病気や障害のために人生が侘(わび)しく、陰うつで、絶望的にさえ思えている人々に、霊的な治癒エネルギーが存在することを証明してあげるのです。

霊力――生命力そのものであり、数多くの治療家(チャンネル)を通して注入される無限のエネルギーは、病気や障害によって痛めつけられ苦しめられている身体に、新たなエネルギーを注ぎ込んで活気づけ、いかに疑り深い人間でも、地上の用語では説明できない力が存在することを認めざるを得なくしてしまいます。

皆さんが生きておられる今の時代にぜひ必要だからこそ、そう計画されているのです」

シルバーバーチ

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