Monday, April 10, 2023

シアトルの春 動物にも死後の生命があるのか、

  Do animals have life after death?

白樺 チューリップ 自然 花の写真素材 - PIXTA

 動物にも死後の生命があるのか、あの世で再び会うことが出来るのかという問題は、スピリチュアリズムに関心のある人にとって共通した関心事ですが、動物をいわゆるペットとして吾が子のように可愛がっている人々にとっても大きな関心事であろうかと思われます。


 心霊問題に熱心な方なら、動物の存続を証明する確証を何らかの形で得ておられることでしょう。心霊写真に動物が写っていることがよくありますし、霊界通信でもそれを証言する霊がいくらもいます。

 さて、ひと味違った霊界通信に、英国の女性心霊治療家オリーブ・バートンの 「子供のための心霊童話」 Spirit Stories for Children, retold by Olive Burton というのがあります。これはバートン女史のお嬢さんのエドウィーナちゃんの守護霊が語った一種の童話で、一つ一つの話に立派なカラーの挿画も付いていて、

日本も早くこうしたものが出せる世の中になってほしいと思わせる心霊書ですが、この童話の中ではペットだけでなく野獣も含めた動物のすべてが、人間(の霊)と完全に調和した生活を送っている様子が描かれており、それがそのまま霊界での真実であると述べています。

 それより先の一九四〇年に、バーバネル氏の奥さんであるシルビア・バーバネル女史が When Your Animal Dies というのを出しています。

文字どおり動物の死後を扱ったもので、出版と同時に大変な反響を呼び、幾度か版を重ねております。この本を読んでスピリチュアリズムを信じるようになったという人が少なくありません。

私はこれもいずれは日本でも出さねばならない心霊書の一つだと考えておりますが、その第十八章に動物に関するシルバー・バーチの霊言が特集してあります。

 もちろん一九四〇年までの十年余りの間の霊言が引用されているわけで、その後もシルバー・バーチは折にふれて動物愛護を説き、娯楽のための狩猟、食用のための屠殺、科学に名を借りた動物実験の罪悪性を戒めておりますが、

その十八章にはシルバー・バーチシリーズ(全十一冊)に編集されていないものが相当あり(注)、しかも内容的に見てもそれで全てをつくしているようですので、ここではその十八章をそのまま引用することにしました。

 単に動物の死後の問題にとどまらず、生命の進化、自我の発生など、心霊学徒にとって興味深い問題が次々と出て来ます。章の始めは当然のことながらシルバー・バーチという霊の紹介に費やされておりますが、われわれにとっては不要ですので、早速本題に入ります。

(注──このシリーズは各編者が半世紀に亘るシルバー・バーチの霊言の中から自分の主観によって編集したもので、従って全十一冊が霊言のすべてではないわけです。何冊かに重複して編集されている部分もあれば、どの霊言集にも載せられていない部分もあるわけで、その一例がこれから紹介する部分です)


問「動物は死後もずっと飼主といっしょに暮らすのでしょうか。それとも、いずれは動物だけの界へ行くのでしょうか」

シルバー・バーチ「どちらとも一概には言えません。なぜなら、これには人間の愛がかかわっているからです。死後も生前のままの形体を維持するか否かは、その動物に対する飼主の愛一つにかかっているのです。

もしも動物とその飼主──この飼主 (owner) という言葉は好きではありません。他の生命をわがものとして所有する(own)などということは許されないのですから──その両者が時を同じくして霊界へ来た場合、その飼主のところで暮らします。

愛のある場所が住処となるわけです。愛が両者を強く結びつけるのです。その場合は動物界へ行く必要はありません。しかし、もしも飼主より先に他界した場合は、動物界へ行ってそこで面倒をみて貰わなくてはなりません。

飼主との愛が突如として切れたのですから、単独で放っておかれると動物も迷います。地上では人間的な愛と理性と判断力と情愛を一身に受けたのですから、その主人が来るまで、ちょうどあなた方が遠出をする時にペットを専門家にあずけるように、霊界の動物の専門家に世話をしてもらうわけです」


問「人間との接触によって動物はどんなものを摂取するのでしょうか」

シルバー・バーチ「長い進化の道程のどこかの時点で、神が、というよりは法則の働きによって、動物の魂に自我意識が芽生え、やがて理性が芽生え、知性が発達してきました。その段階で人間は判断力というものを身につけたわけです。

すなわち物事を意識的に考え、決断する能力です。しかし実はそうした能力は全部はじめから潜在していたのです。どんなに遠く遡っても、魂の奥に何らかの形で潜在していたのです。それが神の息吹きで目を醒ましたわけです。

さて、そうして神が動物に霊性の息吹きを吹き込んだように、あなた方人間も動物に対して同じことが出来るのです。人間は神の一部です。従って進化の順序の中で人間の次に位置する動物に対して、その霊性の息吹きを吹き込むことが出来るはずです。

つまり動物との接触の中で、愛という霊的な力によって、動物の魂に自我意識を芽生えさせることが出来るのです。それがその後の長い進化の道程を経て、やがて人間という頂点にまで達するわけです。愛が生命のすべてのカギです。

動物であろうと人間であろうと、愛は死によって何の影響も受けません。愛こそは宇宙の原動力です。全宇宙を動かし、全てを制御し、全てを統治しています。

また愛は人間を通じて他の生命へ働きかけようとします。人間同士でもそうですし、動物、植物といった人間より下等な生命でもそうです。愛があればこそ生命は進化するのです」


問「霊界で動物と再会したとして、その一緒の生活はいつまで続くのでしょうか。いつまでも人間と一緒ですか」

シルバー・バーチ「いえ、その点が人間と違います。人間と動物はどこかの時点でどうしても分かれなければならなくなります。地上の年数にして何十年何百年かかるか分かりませんが、動物の進化と人間の進化とではその速度が違うために、どうしても人間について行けなくなる時が来ます。

人間は死の関門を通過して霊界の生活に慣れてくると、向上進化を求める霊性が次第に加速されていきます。そして魂に潜む能力が他の生命の進化を援助する方向へと発揮されていきます。

そうやって人間が霊的に向上すればするほど、動物はいかに愛によって結ばれているとは言えそのスピードについて行けなくなり、やがてこの愛の炎も次第に小さくなり、ついには動物はその所属する種の類魂の中に融合していきます」


問「すると動物の場合は個性を失ってしまうということですか」

シルバー・バーチ「その通りです。そこに人間と動物の大きな違いがあるわけです。動物は類魂全体として未だ一個の個性を有する段階まで進化していないのです。その段階まで進化すれば、もはや動物ではなくなり、人間となります。

ペットとして可愛がられた動物は、人間の愛の力によって言わば進化の段階を飛び越えて人間と一緒に暮らすわけで、人間の進化についていけなくなって愛の糸が切れてしまえば、もとの類魂の中に戻るほかはありません」


問「せっかく人間との接触で得たものが消えてしまうのでは愛がムダに終ったことになりませんか」

シルバー・バーチ「そんなことはありません。類魂全体に対して貢献をしたことになります。類魂全体としてその分だけ進化が促進されたことになるのです。全体に対する貢献です。

今までその類魂に無かったものが加えられたわけです。全体のために個が犠牲になったということです。そうしたことが多ければ多いほど類魂の進化が促進され、やがて動物の段階を終えて人間へと進化していきます」


問「その時点で人間界へと誕生するわけですか」
シルバー・バーチ「そうです。人間界への誕生には二種類あります。古い霊が再び地上へ戻ってくる場合と、そうやって動物界から始めて人間界へ誕生してくる場合です」


問「一人の人間としてですか」
シルバー・バーチ「そうです。双方とも霊魂です。双方とも自我意識をもった霊であり個性を有しております。ただ、一方がベテラン霊で、進化の完成のためにどうしても物質界で体験しなければならないことが生じて、再び地上へやってくるのに対し、他方は、やっと人間の段階にまで達した新入生です。

直前まで動物だったのが人間へとジャンプしたのです。アメーバの状態から始まって爬虫類、魚類、鳥類、そして動物と、ありとあらゆる進化の段階を辿って、今ようやく人間へと達したのです」

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