シアトルの3月 マガモの喧嘩
女の子一人が二人の男の子を連れて、早々と2月の始めにやってきたマガモさんたちも、一つのカップルが成立して男の子一人が仲間はずれになりました。
マガモさんの世界は一夫一婦制でありながら、なぜか男の子が多いそうです。
この外された哀れな子は、何故か未だこのカップルに付きまとっているのです。
カップルの近くには寄らず、プールを見下ろす隣の家の屋根の上で立ったり座ったり ”屋根の上のマガモ” になってしまいました。
そんなある日、いつものようにカップルがおやつをねだりに来たので与えていると、屋根の上からバサーッと物音立てて、”屋根の上のマガモ" が飛び降りてきました。
カップルの男の子は激しくこの闖入者を追いたて始め、屋根の上に追い返してしまいました。
その後しばらくして、又このカップルがお八つをねだりに来たので、「あんた達仲間に意地悪したから、今日はもうあげないわよ。」
夕方近く、またまたカップルがおねだりにやってきました。
そのとき留守になったプールをめがけて、”屋根のマガモ” がプールに着水しました。
「ヤッ!」
キッとしたカップルは急遽プールに戻るや、オスのほうが激しく闖入者にアタックを始めました。
このときは闖入者も激しく応襲し、大変な騒動になりました。
女の子は「アレヨ アレヨ」とその周りをうろうろし、時にはトバッチリをうけて殴られたりもし、素早く見事な潜水で逃れていました。
私は「どうしようかな?弱そうな男の子に助太刀してあげようかしら」と思いつつ思わぬ光景を観察しておりました。
水を蹴散らかして殴ったり蹴ったり、首を締め付けたり、ヤルコト ヤルコト!
女の子をひとり置いて彼らは大立ち回りです。
時は16世紀。
綺麗な衣装を纏った、青年貴族の決闘の様にも見えました。
やがて ”屋根の上のマガモ” は、力尽きてスゴスゴと私の前を通り過ぎていきました。
「あんた負けてしまったの。かわいそうにね。」
その後を勝った者は、居丈高に追いかけて来ました。
「意地悪するんじゃないよ。日本人の言う ”カモ鍋" ってあんた達のことらしいよ。」
今考えてみれば、この時この子を蹴飛ばしてやればよかったですね。
追い詰められた ”屋根の上のマガモ” は隣の屋根に飛びました。
勝者は執拗に追いかけ、屋根の上にいるのも許さず、視界から見えなくなるまで追い出しにかかりました。
そうだそうだ、この次は勝者の足をふんずけてあげよう。
本人(?)たちは真剣そのものでしょうけど、
ReplyDelete何だか滑稽に感じてしまいます。
子孫を残すためのバトルは春の生物界に賑やかに繰り広げ
られることでしょうね。
ここの小鳥たちはレストランで平和な食事を楽しんで
いますが、向かいの大樹ではカチ鳥たちが盛んに威勢の良い
声をあげて飛び交っていますよ。
彼らは真剣そのもの。数日前にもやっておりましたよ。
ReplyDelete私も余計な手だしをして生態系に影響を及ぼさないように、
静観しておりました。
そちらの自然界も活発になってきたようですね。
こちらは夏時間になったのですから、彼らの活動の時間も長くなってきました。