「来てごらん。猫2の餌を狸が来て食べている」
夜更け、娘がひそひそ声で知らせに来ました。
「何で狸と分かったの?」
「ガリガリと、大きな音立てて食べるのは猫ではない。」
私たちは外に住む猫2、すなわち野良猫 "オーちゃん" のために食事を外に用意してあるのです。
「シーッ」 我々は抜き足、差し足で娘の部屋のガラス戸をソーッと開けてみると、なるほど猫ではなさそうな動物がガリガリと大きな音を立てて、猫の餌を夢中で食べています。
「暗くて誰だかわからないじゃないの」
懐中電灯で照らしてみると、果たして狸。
振り向いたその姿の見事な野生美。
光で照らされても逃げないで、ドロボー風の目マスクもくっきりと我々をじーっと暫く見つめて、大胆不敵、又食べ始めました。
「へーイ! 狸見たい人!出ておいで」
家の中に声をかけると、親父さんが飛び出てきました。
「毛皮のコートにしても、襟巻きにしても上等のが出来そうね。」皆でこの狸の野生美を褒め称えました。
鶏さんが狙われるときはひたすら狸憎し。こんな余裕はないのです。
そして、今宵は満天の星。
「柄杓星がこれで、ほらほら流れ星」
しばらく星空に見入っていた私たち。
娘 「ちょっとお父さん! 何もっているの?」
お父さんは、息子のコレクションの 16世紀風の ”十手” を持って飛び出してきていたのです。
やはり天下泰平
Friday, June 14, 2013
シアトルの初夏 見栄えの良い狸君
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