Wednesday, July 26, 2023

シアトルの夏 宇宙創造の目的

Purpose of creating the universe

Silver Birch Companion by Tony Ortzen - Paperback - from Discover Books  (SKU: 3756079046)

 

 霊的教訓の真髄は確かに単純素朴かもしれないが、すべての人間がそれだけで満足するかというと、そうはいかない。ある日の交霊会で〝宇宙が創造された目的は何か〟という難しい質問が出された。その質問者は具体的にまずこう訊ねた。


───人間は徐々に進化を重ねて、究極的に大霊の中に吸収されてしまうのであれば、なぜ人間を創造する必要があったのでしょうか。

 「私は、人間が最後は大霊に吸収されてしまうという説をとっているわけではありません。いつも申し上げているように、私は究極のことは何も知りません。始まりのことも知りませんし、終わりのことも知りません。

 私に言わせれば〝存在〟はいつからということはなく、いつまでということもなく、いつまでも存在し続けます。地球上の全生命が他の天体の生命と同じように霊の世界を通過して絶え間なく進化し、意識が完全性を目指してゆっくりと上昇して行きつつある状態が〝存在〟です。

 その意識なるものがいつ芽生えたかについても私は何も知りません。いつ完全の域に達するかについても知りません。私には完全とか吸収(寂滅)とかの時が来るとは思えません。

なぜなら、魂というものは霊性を高めて向上するにつれて、言いかえれば、過去の不完全性の不純物を払い落とすごとに、更に大きな進歩の必要性を自覚するものだからです。

進化すればするほど、なお進化すべき余地があることに気づくものです。高く登れば登るほど、その先にはまだ登らねばならない高いところがあると知ることの連続です。

 私の考え方は、大霊の一部である意識の、生活の中における開発と発展に主眼を置いています。この意識なるものは、私の知る限り無窮の過去から常に存在してきたものですが、それがさまざまな形態を通して顕現し、その表現を通して絶え間なく洗練されつつ、内在する神性をより多く発現していくのです。

 これまで、ありとあらゆる生命現象を通して顕現してきて、今なお顕現し続けております。いま人間という形態で表現している意識も、かつては動物・鳥類・魚類・植物その他の生物と、無生物と呼ばれているもの全てを通して表現されてきたのです。

これからも進化と成長を続け、発展し、拡張し、神性を増し、物質性を減らしていきます。それが創造の全目的です。大霊の一部である意識が、千変万化の形態を通して絶え間なく顕現していくということです。

 そのことに加えて、私は是非次のことを申し上げておきたいと思います。それは人間の存在を創造の大事業と切り離す、あるいは、縁のない存在として考えてはならないと言うことです。

なぜなら人間もその創造活動に参加しているからです。創造的エネルギーが人間を通して働いているのです。あなたの人生、あなたの努力、あなたの葛藤が、無限の創造活動に貢献するということです。

 一つ一つの生命がそれなりの貢献をしております。その生命が高級になればなるほど、つまり愛他性を増し、排他性を減らすにつれて、変化に富んだ創造の世界に美しさを加えてまいります。

画家や音楽家や詩人だけが、美への貢献をしているのではありません。あらゆる生命が───そのつもりになれば───美をもたらすことが出来るのです」


 創造の問題は必然的にバイブレーション(波動・波長・振動)の問題となる。


───スピリチュアリズムでは〝バイブレーション〟という用語が良く使用されますが、これを分かり易く説明していただけませんか。

 「生命のあるところには必ず運動があり、リズムがあり、鼓動があり、バイブレーションがあります。生命は活動せずにはいられないのです。静止したり惰性的になったりすることはありません。

生命には必ず運動が付随します。その運動を理解し、その意味を理解するには、まずその定義から始めなければなりません。

 私がバイブレーションという時、それはエネルギーの波動となって顕現している生命のことで、無数の生命形態ないしは現象の一つを指しております。

存在するものは全て振動(バイブレード)し、何かを放射し、活動しております。私たちがこうして地上へ働きかけることが出来るのも、バイブレーションのお陰です。

 私たちは、普段は物的感覚の領域を超えたバイブレーションの世界で生活しております。霊的エネルギー、霊的パワー、霊的現象は、ことごとく物質より感度の高い、微妙なバイブレーションから成り立っております。

 地上のように、物質に浸り切り包まれている世界と交信するためには、次の二つの方法のうちのどちらかを取らなければなりません。すなわち、人間の側がその低いバイブレーションを高めてくれるか、それとも私達霊側がその高いバイブレーションを下げるかです。

両方が歩み寄ればよいのでは・・・・・・誰しもそうお考えになるでしょう。ところが、どうして、どうして、なかなかそううまくはいかないのです。いつも私たちの方が遠路はるばるおりてこなければなりません。地上世界からの援助はそう多くは望めないのです。

 この霊媒(バーバネル)を使ってしゃべるためには、私は私本来のバイブレーションを下げております。その状態から抜け出て私本来の界へ戻る時は、その界にあった意識を取り戻すために、バイブレーションを加速しなければなりません。

このように全てはバイブレーションの操作によって行われるわけです。それを簡潔に説明するにはバイブレーションという用語しか見当たりません。

 それにしても、永いあいだ霊的な分野のことには一切耳を貸そうとせず、目を瞑って来た科学者が、今になって、物質の謎を解くカギはバイブレーションにあるという認識をもちはじめたことは、興味深いことです」

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