Friday, March 31, 2023

シアトルの春 無知に代わって知識が支配し……

 Knowledge takes the place of ignorance...

白樺の木イラスト - No: 22077343/無料イラスト/フリー素材なら「イラストAC」

遠い過去において、特殊な才能に恵まれた数少ない人たちは、見えざる世界からのインスピレーションを受け取り、天上界とその住民の生活を垣間(かいま)見ることができました。
 
しかし、それにも、その霊能者たちの知的ならびに霊的進化の程度による限界があり、したがってあなたについての理解には歪(ゆが)みがあり、不正確であり不完全でした。

今わたしどもは、少数ではなく大勢の霊能者を通して、全大宇宙の背後に控える無限なる精神についての、より実相に近い概念を啓示せんと努力しているところでございます。
 
それは、絶対的支配力を有する大自然の摂理であり、その摂理には例外もなく、変更もなく、廃止もございません。

その絶対的摂理が全生命を管理しているとわたしたちは説くのです。
 
物質の世界に顕現している部分だけに限りません。
 
生命活動のあらゆる側面を統御し、すべてがその支配下にあると説いているのでございます。

かくして無限なる精神によって創案され、愛と叡智を通して働いている摂理は、宇宙的生命活動のすべてを認知していることになり、地上に生活する人類もまた、その例外ではございません。
 
しかも、全生命を創造したあなたの霊が地上の子等の一人一人に例外なく宿っているのでございます。
 
その絆は永遠です。
 
子等をあなたと結びつけている絆は、墓場を超えて彼岸の霊界においてもなお続くのでございます。

もしも幸いにしてあなたの子等があなたを正しく理解すれば、彼らみずからを理解することになり、自分自身の存在の中にあなたの完全性のひな型が写し出されていることを知ることになるのですが、それがまだ実現される段階に至っていないのが残念でなりません。
 
より大きな表現へ向けて呼び覚まされるのを待ちながら居眠りの状態で潜在している、言葉では言い表せないミニチュアのあなたなのでございます。

生命の法則をより多く知るにつれて、あなたの子等はその内部の神性をより大きく発現できるような生活が営めることになりましょう。

霊の資質を開拓することにより、高遠の世界の進化せる霊との、より豊かな交わりが得られ、それまでに蓄積した知識と教養と叡智をふんだんにもたらしていただき、地上をより公正に、より豊かに、そしてより美しくする上で力となってくださることでしょう。

そうなることが、無意味な悲劇と不幸と悩みとをなくすことになりましょう。
 
なぜなら、無知に代わって知識が支配し、健康が病気を駆逐し、慰めが悲哀と所を代え、永きにわたって暗黒が支配してきた場所に真理の光が灯されることになるからでございます。

その目標に向かってわたしどもは、同じく地上の子等のために献身する他の霊団とともに、努力しているところでございます。

ここにあなたの僕の祈りを捧げます。 
 
シルバーバーチ




Wednesday, March 29, 2023

シアトルの春 わたしたちは、霊的真理の宗教的意義をたゆまず説き続けます。

We persevere in preaching the religious significance of spiritual truths.

Amazon.co.jp: 春の白樺の木のイラスト ジグソーパズル500ピース木製教育ゲームDiy楽しいゲームエンターテインメントギフト装飾絵画 :  おもちゃ

 

「わたしたちの霊団の使命は、れっきとした目的ないし意義をもつ証拠を提供し、それによって心霊的法則というものが存在することを立証する一方で、生きるよろこびと霊的教訓を授けるということです。物理的法則を超えた別の次元の法則の存在を証明するだけでなく、霊についての真理を啓示するということです。

そうした使命をもつわたしたちは、真っ向から立ち向かわねばならない巨大な虚偽の組織が存在します。過去幾世紀にもわたって積み重ねられてきた誤りを改めなければなりません。人間が勝手にこしらえた教義を基盤として築き上げられてきた虚飾の大機構を解体しなければならないのです。

わたしたちの努力は常に、物質界の大霊の子等に、いかにして魂の自由を見出し、いかにして霊的真理の陽光を浴び、いかにして教義の奴隷となっている状態から脱け出るかをお教えすることに向けられております。これは容易ならぬ仕事です。なぜなら、いったん宗教という名の足枷(あしかせ)をはめられたが最後、迷信という名の厚い壁をつき破って霊的真理が浸透するには、永い永い年月を要するからです。

わたしたちは、霊的真理の宗教的意義をたゆまず説き続けます。その重要性に目覚めれば、戦争と流血による革新よりはるかに強烈な革命が地上世界にもたらされるからです。

それは魂の革命です。その暁には、世界中の人々が授かって当りまえのもの――霊的存在としてのさまざまな自由を満喫する権利を我がものとすることでしょう。

わたしたちが忠誠を捧げるのは、教義でもなく、書物でもなく、教会でもありません。宇宙の大霊すなわち神と、その永遠不変の摂理です。

いずれ、地上世界に強力な霊の力が注がれるようになります。これまではびこってきた利己主義と無知に歯止めをかけるための、大きな仕事が計画されているのです。それはいつかは成就されます。が、その途中の段階においては、大きな産みの痛みを味わわなくてはならないでしょう。

その仕事を支援するために、わたしたちの世界から大勢のスピリットが馳せ参じております。あなた方の顔見知りの人、血のつながりのある人もいれば、愛のつながりによって引かれてくる人もいます。背後霊というと、皆さんはすぐに顔見知りの名前を思い浮かべがちですが、一方には皆さんのまったく知らない人で、ただ自分の力を役立てることにのみ喜びを覚えて援助してくれている人がいることも、どうか忘れないでください。

バイブルにはサウロ(のちのパウロ)がダマスカスへ向かう途中、天からの光に包まれ、目が眩(くら)んで倒れ、それがきっかけで改心する話(使徒行伝)がありますが、世の中はそんな具合に一気に改まるものではありません。一人ずつ霊的真理に目覚め、一人ずつ大霊の道具となっていくという形で、少しずつ光明が広がっていくのです。霊的なものは、大事に育て慎重に広めていく必要があることを銘記しなければなりません。急激な改心は、得てして永続きしないものです。わたしたちの仕事は永続性が生命です。 

一個の魂が大霊の道具となった時、一個の魂が暗黒から光明へ、無知から知識へ、迷信から真実へと目覚めた時、その魂は世界全体の進歩に貢献していることになるのです。なぜなら、その一人ひとりが、言わば物質万能主義の棺(ひつぎ)に打ち込まれるクギのようなものだからです。

発達にも二つの種類があることを知ってください。霊そのものの発達と、霊が使用する媒体の発達です。前者は魂そのものの進化であり、後者は単なる心霊的能力の開発にすぎません。霊的進化を伴わない心霊能力だけの発達では、低い次元のバイブレーションしか出ません。両者が相たずさえて発達した時、その人は偉大な霊能者であると同時に、偉大な人物であることになります。

わたしたちが霊界からたずさえてくるメッセージは、地上人類にとって実に素晴らしい恩恵をもたらします。魂を解放し、大霊からの遺産(神的属性)の素晴らしさに目を開かせます。あらゆる足枷と束縛を捨てるように教えます。霊的真理の本当の有り難さを教えます。物的生活の在り方と同時に、霊的生活の在り方も教えています。美と愛と叡智と理解力と真理と幸福をもたらします。人のために――ひたすら人のために、と説くメッセージです。

ところが、そのメッセージをたずさえてくるわたしたちが、大霊を正しく理解していない人々、霊の働きかけの存在を信じない人たちによって拒絶されております。それは、いつの時代にもよくある話です。

他方、現在の地上の状態は、そうしたわたしたちの働きかけをますます必要としております。流血につぐ流血、そしてその犠牲となった人々の涙の絶えることがありません。無明(むみょう)ゆえに、地上人類は大霊の摂理にしたがった生き方をしておりません。暗黒と絶望の道を選択しております。そこでわたしたちが、希望と光明と平和と調和をもたらす知識をたずさえてきたのです。にもかかわらず、無知ゆえにわたしたちを軽蔑します。わたしたちのメッセージを拒絶します。わたしたちを背後から導いている強大な霊的組織力の存在に気づいてくれません。しかし、霊的実在を教える大真理は、かならずや勝利をおさめます。

摂理に逆らう者は、みずからその苦(にが)い実りを刈り取ることになります。摂理にしたがって生きる者は、物的・霊的の両面において豊かな幸せを刈り取ります。

暗黒が蔓延している地上にあって、どうぞ希望を失わず、あなた方とともに人類の高揚のために働いている多くの霊、物的世界を改善しようとしている霊の努力はかならずや実ることを信じてください。その背後に控える霊力は、宇宙で最も強力な力なのです。

価値あるものは、苦難と悲哀なしには達成できません。地上は地上なりの教訓の修得方法があるのです。それを避けて通るわけにはいきません。今、霊的勢力が地上全土にわたって活動を開始しつつあり、あらゆる地域の人々に霊的メッセージが届けられ、その心を明るく照らし、その光が広まるにつれて、物質万能主義の闇を追い払ってまいります。

わたしたちは、罰の恐ろしさをチラつかせながら説得することはいたしません。恐怖心から大人しく生きる、そんな卑屈な臆病者にはなってほしくありません。内部に宿る神性を自覚し、それを発揮することによって霊性を高め、一段と崇高な真理と叡智を身につけていただくことを目指しております。

そのためにはまず、これまでに得たものに不満を抱くようにならなければなりません。なぜなら、今の自分に満足できず、さらに何かを求めようとするところに、より高い知識を得る可能性が生まれるからです。満足する人間は進歩が停滞します。満足できない人はさらに大きな自由へ向けて突き進むことになります。

わたしたちは決して“理知的に難しく考えずに、ただ信じなさい”とは申しません。反対に、“大霊から授かった理性を存分に駆使して、わたしたちを試しなさい。徹底的に吟味なさい。その結果、もしもわたしたちの述べることの中に低俗なこと、邪険なこと、道義に反することがあると思われたら、どうぞ拒絶してください”と申し上げております。

わたしたちは、ただひたすら、“より高潔な生活”――自己犠牲と理想主義を志向する生活を説いております。もしそのことをお認めいただけるならば、それは、わたしたちの教えの中身に大霊の極印(ごくいん)が押されていることを証明するものと言えましょう。

たった一個の魂を目覚めさせてあげることができれば、悲嘆に暮れる者をたった一人でも慰めてあげることができれば、怖(お)じ気づいた人の心を奮(ふる)い立たせ、人生に疲れた人に生きる勇気を与えることができれば、それだけでも努力の甲斐があったことになるのではないでしょうか。

わたしたちのメッセージを聞いて心に動揺をきたし、困惑し、わけがわからなくなりながらも、先入的信仰によって身動きが取れなくなっている人が大勢います。しかし、その人たちも、牢獄に閉じ込められた魂へ向けて呼びかける自由の声を耳にして煩悶しております。

そういう人たちにこそ、わたしたちのメッセージを届けてあげるべきです。思いも寄らなかったものが存在することを知って、それを必死に求めようとする、そのきっかけとなります。真理とはすべて踏み石の一つにすぎません。

この霊媒の口をついて出る言葉に、もしもあなた方の理性が反発を覚えるもの、大霊の愛の概念と矛盾するもの、愚かしく思えるもの、あなたの知性を侮辱するものがあるとすれば、それは、もはやわたしの出る幕でなくなったことを意味します。わたしの時代は終わったことになります。

この交霊会も、これまでに数え切れないほど催されておりますが、その間わたしの口から魂の崇高な願望と相容(あいい)れないことを述べたことは、ただの一度もないと確信しております。わたしたちは常にあなた方の魂の最高の意識に訴えているからです。

地球人類は地球人類なりに、みずからの力で救済手段を講じなくてはなりません。できあいの手段はないのです。前もって用意されたお決まりの救済手段というものはないのです。そのためには、これが生命現象だと思い込んでいる自然界の裏側に、目に見えない霊的実在があること、そして、物質界に生活している人間は物的存在であると同時に霊的存在であり、物的身体を通して自我を表現している霊であるという事実を、まず理解しなくてはなりません。

物的身体は、大霊の意図された通りに、生活上の必需品をきちんと揃えることによって、常に完全な健康状態に保たねばなりません。一方、霊は、あらゆるドグマと信条による足枷から解放されねばなりません。そうすることによって実質的価値、つまり霊的に見て意味のないものに忠誠を捧げることなく、真実なるもののためにのみ精を出すことになり、過去幾千年にもわたって束縛してきた信条やドグマをめぐっての下らぬいがみ合い、仲違(たが)い、闘争をなくすことができます。

わたしたちは、大霊を共通の親とする全人類の霊的同胞性を福音として説いております。その理解を妨げるものは地上的概念であり、虚偽の上に建てられた教会であり、特権の横領(※)であり、卑劣な圧制者の高慢と権力です。


※――宗教が組織化されるに伴って内部に権力構造が生まれる。それは人間的産物にすぎないのであるが、それを宇宙の絶対者から授かったものと錯覚し、そう宣言しはじめる。それを“横領”と表現した。

シルバーバーチ

シアトルの春 まず正直から

Honesty first

白樺の木と巣箱の春の森の小鳥 - 春のベクターアート素材や画像を多数ご用意 - 春, 背景, 巣箱 - iStock

 世間でいう〝成功者〟になるかならないかは、どうでもよいことです。

この世的な成功によって手に入れたものは、そのうち、あっさりと価値を失ってしまいます。
 

大切なのは自分の霊性の最高のものに対して誠実であること、自分でこれこそ真実であると信じるものに目をつぶることなく、本当の自分自身に忠実であること、良心の命令に素直に従えることです。

これさえできれば、世間がどう見ようと、自分は自分としての最善を尽くしたのだという信念が湧いてきます。
 

そして、いよいよ地上生活に別れを告げる時が来た時、死後に待ちうける生活への備えが十分にできているという自信をもって、平然として死を迎えることができます。

シルバーバーチ

Tuesday, March 28, 2023

シアトルの春 シルバーバーチのスピリチュアルな生き方Q&A 崇高な存在との対話

  


  まえがき

 本書を手にされたいきさつは、人それぞれに異なるであろう。第一に考えられるのは、古くからのシルバーバーチの愛読者で、その崇高な英知と人生への霊的洞察から多くを学んでいるので、何の躊躇もなく手にされたというケースである。また、シルバーバーチのメッセージを、地上のみならず、死後の人生の指針としている人から贈られたという方もいるであろう。

 本書は、そういう方を決して裏切らないであろうことを断言しておきたい。もしかしたら書店でふと目にとまったからという方、あるいは新聞広告を見て興味を覚えて買ったという方もいることであろう。いわば偶然のなせるわざであるが、お読みになれば決して偶然ではなく、何らかの形で霊的な導きがあったのだと、ご理解がいくことであろう。

 ともあれ、シルバーバーチの訓えの素晴らしさを、今ここで筆者の拙い筆で改めて宣伝しようとは思わない。それよりも、本書の二人の編纂者の労をねぎらいたい心境である。

すでに発刊された(そして廃刊となった)数多くの霊言集の中から珠玉の「Q&A」を抜き出して一冊にまとめるというアイデアそのものに敬意を表したい。こういう形で読むと、シルバーバーチが一段と身近に感じられ、その意味の深さを改めて認識することになるであろう。

           霊的真理普及財団・会長  ロイ・ステマン



編者まえがき  

人生のスピリチュアルな面とサイキックな面に関心を向けながら求道の旅を続けている人々のために、遭遇する疑問への回答を与えてくれる一冊の書を用意してあげたい───これが本書を編纂した理由である。

 また、われわれが「勉強会」を始めた時、何か手ごろなテキストはないものかと話し合ったことがある。スピリチュアリズムの枠内でも起こり得る誤解や勝手な解釈を一掃したもの、というのが第一の条件であったが、そうなると 「シルバーバーチ」 の名で知られている、あの高級霊が遺してくれた宇宙哲学と生きる英知以外にはあり得ないのではないかという結論に達した。

 本書に盛られた質問には、実質的には一九二〇年から始まった交霊会で何度も出されているものがある。が、シルバーバーチはそのつど、内容を深めたり敷衍(フエン)したりして答えているので、本書でも重複をいとわず掲載した。

 霊言集の出版が終わった今、こうしたかたちでシルバーバーチの霊言を世に出すということは、真理普及に改めて貢献することになる。この一冊によって光を見出す人が一人でもいれば、われわれの努力も無駄ではなかったことになる。                                      スタン・バラード
ロジャー・グリーン

 


 シルバーバーチとは何者か                訳者

 本書を手にして「まえがき」と「編者まえがき」に目を通した時、シルバーバーチの霊言集がほとんど廃刊となった今でも、英国において「霊的真理普及財団」や「勉強会」という形で脈々と生き続けていることを知ってうれしかった。 

 人間は形而上的にも形而下的にも 「なぜ?」 と問いかけたくなるものにあふれている。
たとえば 「地動説」 という厳然たる事実が常識となるまでに何百年もかかったが、一体なぜ地球が太陽の周りを回転するのかは、いまだに謎である。
まっすぐに進もうとする地球を太陽が引っ張るから、というのは単なる原理的解説であって、では、なぜ地球はまっすぐに進もうとするのかは、天文学でもいまだに謎である。

 こうした 「なぜ?」 と問いかけたくなることは、人生にはいくらでもある。本書は、そのいくつかに納得のいく回答を与えてくれる。かけがえのない英知の泉であるが、シルバーバーチと名のる霊は一体いかなる存在なのであろうか。本書によってはじめてシルバーバーチを知ったという方のために、おおよそのところを紹介しておきたい。

 シルバーバーチというのは、霊媒のモーリス・バーバネルの口を使って、一九二〇年から六〇年間にわたって霊的教訓を語り続けてきた古代霊の仮の名で、今から三〇〇〇年前頃、つまりイエス・キリストより一〇〇〇年も前に地上で生活したということ以外、地上時代の国籍も姓名も地位も不明のままで終わった。

 せめて姓名だけでも教えてくれるよう何度かお願いしたが、そのつど、
「それを知ってどうしようというのですか。人間は名前や肩書きにこだわるからいけないのです。もしも私が歴史上有名な人物だと分かったら、私がこれまで述べてきたことに一段と箔がつくと思われるのでしょうが、それは非常にたちの悪い錯覚です。

 前世で私が王様であろうと召使いであろうと、大富豪であろうと奴隷であろうと、そんなことはどうでもでもよろしい。私の述べていることに、なるほどと納得がいったら真理として信じてください。そんなばかなと思われたら、どうぞ拒否してください。それでいいのです」

 と答えるのが常で、そのうち出席者も聞かなくなってしまった。
 ただ一つだけはっきりしていることは、霊視能力者が描いた肖像画が北米インディアンの姿をしていても、実はそのインディアンがシルバーバーチその人ではないということである。

 インディアンは、いわば霊界の霊媒であって、実際にメッセージを送っているのは高級神霊界の存在で、直接地上の人間に働きかけるには波長が高過ぎるので、その中継役としてインディアンを使っていたのである。近代の科学的霊魂学ともいうべきスピリチュアリズムによって、死後も今と同じ意識をもって生き続けることが明らかとなった。

これを 「個性の死後存続」 と呼び、これは 「地動説」 と同じく科学的事実として、好むと好まざるとにかかわらず、万人が認めざるを得ないものである。

その詳しい解説は第4章にゆずることにして、シルバーバーチが繰り返し説いている特徴的な教訓の一つは、仏教で「生・老・病・死」 を不幸としてとらえているのとは対照的に、そうしたものを体験するところに地上生活の意義があり、いわば魂の肥やしとして前向きにとらえることが、死後の向上につながると説いていることである。

 第6章を 「生・老・病・死・苦──地上人生の意義」 という見出しにしたのは、これがシルバーバーチの教えの圧巻だからである。そこには在来の全ての宗教に見られる 「現世利益」(げんせりやく) 的な気休めの説教はカケラもない。

「事実なのですから、そう述べるしかありません。もしも私が地上生活をらくに生きる方法があるかに説いたら、それは私が高級神霊界からあずかった使命に背いたことになります」 とまで述べているのである。

 シルバーバーチの教説は、その意味で 「大人の人生指導原理」 といえるかも知れない。気休めのありがたい話を好まれる方には厳し過ぎるかもしれない。が、現実界を見れば、気休めやご利益信仰など吹っ飛んでしまうような事象が毎日のように起きている。今後とも、それは変わることはないであろう。

 本書によって生きる勇気を与えられることを願っている。

Monday, March 27, 2023

シアトルの春 お裁きというものはありません。

 There is no such thing as judgment.

 

白樺模様 ポスター - 自然風景アート写真 - Posterstore.jp

 

「お裁きというものはありません。

魂がそれにふさわしいものを受ける――因果律です。

蒔いたタネを刈り取るのです。

地上での行為の結果が死後のあなたを決める――それだけのことです。

それより良くもなれませんし、それより悪くもなれません。

それより上にもあがれませんし、それより下にもさがれません。

あなたの有るがままの姿――それがあなたです。

それまでの行為がそういうものを生み出したのです。

それだけのことです」

 

シルバーバーチ

Sunday, March 26, 2023

シアトルの春 相対的体験と、その中での試行錯誤の努力を通して、魂が磨かれていくのです」

 Through relative experience and the effort of trial and error within it, the soul is refined.”

白樺林イラスト/無料イラスト/フリー素材なら「イラストAC」

 「人間はいつになっても摂理に違反した行為をいたします。

 
もしも完全に摂理と調和した地上生活を送ることができれば、それは地上で完全性を成就したことになりましょうが、完全性の成就は地上では有り得ないのです。
 
なぜなら地球そのものが不完全だからです。

地球は学習のために通う“学校”です。
 
その学習は、比較対象の体験による以外には有り得ません。
 
日向(ひなた)と陰、嵐と凪(なぎ)、愛と憎しみ、善と悪、健康と病気、楽しみと苦しみといった相反する体験を通して学習していくのです。
 
相対的体験と、その中での試行錯誤の努力を通して、魂が磨かれていくのです」
 
シルバーバーチ

Saturday, March 25, 2023

シアトルの春 知識は掛けがいのない宝です。

 Knowledge is a priceless treasure.

白樺の丘(横) – 素材ごよみ
人生の全体を視界におさめて、いかに生きるべきかを教える羅針盤のようなものです。船には必ず方向を操るための道具や器具が具えつけられています。


人生をいかに生きるべきかを判断する為の道具や器具が具えつけられています。人生をいかに生きるべきかを判断するための道具を持ち合わせないとしたらその人は愚かな人というべきです。知識はいくらあってもよろしい。絶えず求め続けるべきものです。〝もうこれ以上知りたくありません〟などと言うようになったら、その時から思考力が衰え、鈍り、錆びついていくことを、自ら求めていることになります。

 生命というものは一定の場所にじっとしていることが出来ないものなのです───向上するか下降するかのどちらかです。みなさんは永遠の生命の道を行く旅人です。

今生きておられる地上生活は、その永遠の旅の、実に短い旅程にすぎません。これから先、まだまだ長い進化の旅が待ち受けているのです。

 ですからその旅に備えて知識をたくわえ、いかなる雑路でもしのげるように旅仕度を強化しておく方がいいにきまっています。ただ、その知識には責任が生じることを忘れてはなりません。これも一種バランス (埋め合わせ) の法則です。

 一方において知識を得れば、他方においてはそれを生かして使うべき責務が生じます。そこから先はあなた自身の問題です。

 私たちは、これまでの永い旅の経験で知った霊的法則の働きに基づいて、地上生活に役立つと見た知恵をお届けしてあげるだけです。それが、この私のように、地上界が陥っている泥沼から救い出すために派遣された者の役目なのです。

 全ての人がそれを受け入れる用意が出来ているとは思っておりません。そんなものは要らないと考える人もいるでしょう。そんなものよりも、子供のオモチャのようなものを喜ぶ人もいるでしょう。まだ人生の意義を考える段階にまでは至っていないということです。

 しかし、あなた方にはその背後の計画を包括的に認識していただかねばなりません。地上界は実に永い間、暗黒に包まれてまいりました。その間の身の毛もよだつような残虐行為を、今の時代になってようやく反省し始めております。その根底にあるものは、霊的摂理についての無知なのです。

物質万能の風潮と私利私欲を一掃しない限り、その呪いから免れることはできません。地上世界を見まわしてごらんなさい。窮乏・悲哀・流血・混とん・破たんばかりではありませんか。これら全てが、間違った物質万能主義、言い換えれば、霊的摂理についての無知から生じているのです。

 地上の人間は生活の基盤を間違えております。国家はその政策を自国だけの利益を中心に考えております。独裁者が生まれては、暴虐非道の限りを尽くしました。が、

それは、力こそ正義という間違った信条に取りつかれていたからにすぎません。いまこそ霊的知識が、個人だけでなく、国家だけでもなく、世界全体にとって必要であることに理解が行かないといけません。

 その霊的知識をいち早く我がものとされた皆さんは、それが今の生活にどれほどの豊かさをもたらしてくれているかを吟味してみられることです。もう二度と、それを知らずにいた時の自分に戻りたくないと思われたはずです。

この世のいかなる波風にもしぶとく耐えていくだけの堅固な基盤を与えておられます。自分がただの偶然の産物、あるいは、気まぐれのオモチャなどではなく、無限の力を秘めた大霊の一部であるとの理解があります。

 地上世界はとても病んでおります。恐ろしい病に苦しんでおります。それを治すための妙薬を私がこういう形で伝授しているのです。この霊的知識が世界中に広まれば───この物質の世界の向こうに新しい世界が待ち受けていること、自分の生活の全てに自分が責任を持たねばならないこと (いかなる信仰もそれを償ってはくれないこと)、

万人に完全なる公平さを持って働く永遠不変の摂理が存在することが理解されれば、新しい世界を構築するための基盤ができたことになるのです」

シルバーバーチ

Friday, March 24, 2023

シアトルの春 つい忘れがちですが

  I tend to forget

白樺の森イラスト/無料イラスト/フリー素材なら「イラストAC」


自分がいかなる存在であるのか、何のためにこの世にいるのかについての正しい認識を失わぬようにしてください。

ふんだんに霊的知識に恵まれた方でも、どうかすると毎日の雑事に心を奪われて霊的実相を忘れてしまいがちです。

が、それだけは絶対に忘れないようにしなければなりません。

地上という物的世界において生活の拠り所とすべきものはそれ以外にないのです。


霊こそ実在です。

物質は実在ではないのです。

あなた方はその実在を見ることも触れてみることも感じ取ることもできないかも知れません。

少なくとも物質的感覚で感識している具合には感識できません。

しかし、やはり霊こそすべての根源であることに変わりありません。

あなた方は永遠の存在であることを自覚してください。生命の旅路においてホンの短い一時期を地上で過ごしている巡礼者にすぎません。

勇気をもって進みなさい。落胆や失敗がないというのではありません。

これからも数多くの失敗と落胆があることでしょう。

しかし、いかなる事態にあってもあなたの背後には、困難に際しては情熱を、疲れた時には元気を、落胆しそうな時には励ましを与えてくれる霊が控えてくれていることを忘れてはなりません。

一人ぼっちということは決してないということです。

大霊(神)が使者を派遣して下さっております。

私(シルバーバーチ)もその中の一人です。

シルバーバーチ

Thursday, March 23, 2023

シアトルの春 どうか“不治の病”という観念はお持ちにならないでください。

 Please don't hold onto the notion of an "incurable disease."

緑の葉と漫画の動物イラストと白樺の木のある森の風景 背景, 吠える, そして, バーチ背景画像素材無料ダウンロード - Pngtree



パキスタンから招待された人がこう尋ねた。

「一見なんでもなさそうな病気がどうしても治らないことがあるのはなぜでしょうか」


「不治の病というものはありません。すべての病気にそれなりの治療法があります。宇宙は単純にして複雑です。深い奥行きがあるのです。法則の奥にまた法則があるのです。

知識は新しい知識へ導き、その知識がさらに次の知識へと導きます。理解には際限がありません。叡智も無限です。

こんなことを申し上げるのは、いかなる質問にも簡単な答えは出せないということを知っていただきたいからです。すべては魂の本質、その構造、その進化、その宿命にかかわることだからです。

地上の治療家から、よくこういう言い分を聞かされます――“この人が治ったのに、なぜあの人は治らないのですか。愛と、治してあげたい気持ちがこれほどあるのに治らなくて、愛を感じない、見ず知らずの人が簡単に治ってしまうことがあるのは、なぜですか”と。

そうしたことはすべて法則によって支配されているのです。それを決定づける法則は魂の進化と関係しており、魂の進化は現在の地上生活だけで定まるのではなく、しばしば前世での所業が関わっていることがあります。

霊的な問題は地上的な尺度では計れません。人生のすべてを物質的な尺度で片づけようとすると誤ります。

しかし、残念ながら、物質の中に閉じ込められているあなた方は、とかく霊の目をもって判断することができず、それで、一見したところ不正と不公平ばかりが目につくことになります。

大霊は完全なる公正です。その叡智は完璧です。なぜなら、完全なる摂理として作用しているからです。あなた方の理解力が一定の尺度に限られている以上、宇宙の全知識をきわめることは不可能です。

どうか“不治の病”という観念はお持ちにならないでください。

そういうものは存在しません。

治らないのは、往々にしてその人の魂がまだそうした治療による苦しみの緩和、軽減、安堵(あんど)、ないしは完治を手にする資格を身につけていないからであり、そこに宿業(カルマ)の法則が働いているということです。

こう申し上げるのは、あきらめの観念を吹聴(ふいちょう)するためではありません。

たとえ目に見えなくても、何事にも摂理というものが働いていることを指摘したいからです」

シルバーバーチ

Wednesday, March 22, 2023

シアトルの春 〝無知〟と〝間違った信仰〟の恐ろしさについて、さらにこう述べた。

 Concerning the horrors of "ignorance" and "wrong faith," he further said:

白樺の木イラスト/無料イラスト/フリー素材なら「イラストAC」

〝無知〟と〝間違った信仰〟の恐ろしさについて、さらにこう述べた。

 「スピリチュアリズムは人間が秘めている霊的能力を教え、それを同胞のために役たてるために開発する方法を教えてくれます。たとえば、病気を霊的に治療する能力を持っている人、あるいは死後の存続を証明する証拠を提供する能力を持った人が、そうとは知らずに毎日を無為に過ごしております。

実にもったいないことです。そういう人材を掘り起こすためにも、霊的知識をできるだけ多く広めておくことが、いかに大切であるかがお分かりでしょう。無知は人間の大敵です。精神的にも霊的にも怠惰にしてしまいます。

 ところが、地上には無知と言うエサによって飼いならされている真面目な人間が実に多いのです。ただ信じるだけで良い───信仰は理性に優るのです。

と教え込まれ、スピリチュアリズムは悪魔の仕業であるから、それを説く者は邪霊にそそのかされているのですよと説き聞かされ、バイブルにちゃんとそう書いてありますと結論づけられます。

 そこに無知の危険性が潜んでいるのです。それを信じる者は、ひとりよがりの正義感に浸りながら、本当は怠惰な、間違った宗教的優越感の上にあぐらをかいてしまうのです。

一種の精神的倒錯を生み出し、それが全ての思考を歪め、本物の真理を目の前にしても、それが真理であるとは思えなくしてしまうのです」

シルバーバーチ

Tuesday, March 21, 2023

シアトルの春 愛こそがすべてのカギです

love is the key to everything

霊的新時代の到来 : シルバーバーチの霊訓(トニー・オーツセン 編 ; 近藤千雄 訳) / 古本、中古本、古書籍の通販は「日本の古本屋」 /  日本の古本屋
 
シルバーバーチ 「あなたご自身にとって何かとても重大で、しかも解答が得られずにいる難問をおもちですか」


「解答が得られずにいる問題で重大なものと言えるものはありません。ただ、わたしはよく、進化は永遠に続く――どこまで行ってもこれでおしまいということはない、と申し上げておりますが、なぜそういうおしまいのない計画を大霊がお立てになったのか、そこのところがわかりません。いろいろとわたしなりに考え、また助言も得ておりますが、正直いって、これまでに得たかぎりの解答には得心がいかずにおります」

「大霊それ自体が完全でないということではないでしょうか。あなたはいつも大霊は完全ですとおっしゃっていますが……」


「ずいぶん深い問題に入ってきました。かつて踏み入ったことのない深みに入りつつあります。

わたしには、地上の言語を使用せざるを得ない宿命があります。そこで“神”のことも、どうしても、わたしが抱いている概念とはかけ離れた、男性神であるかのような言い方をしてしまいます(※)。わたしの抱いている神の概念は、完璧な自然法則の背後に控える無限なる叡智です。その叡智が無限の現象として顕現しているのが宇宙です。が、わたしはまだ、その宇宙の究極の顕現を見た、と宣言する勇気はありません。これまでに到達したかぎりの位置から見ると、まだまだその先に別の頂上が見えているからです。

わたしなりに見てきた宇宙に厳然とした目的があるということを、輪郭だけは理解しております。まだ、その細部のすべてに通暁しているなどとは、とても断言できません。だからこそわたしは、皆さんもわたしと同じように、知識の及ばないところは信仰心で補いなさいと申し上げているのです。

“神”と同じく、“完全”というものの概念は、皆さんが不完全であるかぎり完全に理解することはできません。現在の段階まで来てみてもなお、わたしは、もしかりに完全を成就したらそこで全てが休止することを意味し、それは進化の概念と矛盾するわけですから、完全というものは本質的に成就できない性質のものであるのに、なぜ人類がその成就に向かって進化しなければならないのかが理解できないのです」


※――“大霊” the Great Spiritを使用しても“神” Godを使用しても、二度目からは男性代名詞の“彼” “彼の” “彼を”He His Himを使用していることを言っている。

「こうして私たちが問題をたずさえてあなたのもと(交霊会)へ来るように、あなたの世界でも相談に行かれる場所があるのでしょうか」


「上層界へ行けば、わたしよりはるかに叡智を身につけられた方がいらっしゃいます」

「こうした交霊会と同じものを催されるのですか」


「わたしたちにも助言者や指導者がいます」

「やはり入神して行うのですか」


「プロセスは地上の入神とまったく同じではありませんが、やはりバイブレーションの低下、すなわち高い波長をわたしたちにとって適切な波長に下げたり光輝を和らげたりして、ラクにしてくださいます。一種の霊媒現象です。こうしたことが宇宙のあらゆる界層において段階的に行われていることを念頭においてくだされば、上には上があって、“ヤコブのはしご”には無限の段がついていることがおわかりでしょう。その一番上の段と一番下の段は、誰にも見えません」

「霊媒を通じて語りかけてくる霊は、われわれが受ける感じほどに実際に身近な存在なのでしょうか。それとも、霊媒の潜在意識も考慮に入れなければならないのでしょうか。そんなに簡単に話せるものなのでしょうか。私の感じとしては、想像しているほど身近な存在ではないような気がしています。少し簡単すぎます」


「何が簡単すぎるのでしょうか」

「思っているほど身近な存在であるとは思えないのです。多くの霊媒の交霊会に出席すればするほど、しゃべっているのは霊本人ではないように思えてきます。時にはまったく本人ではない――単にそれらしい印象を与えているだけと思えるものがあります」


「霊が実在する――このことを疑っておられるわけではないでしょうね? 次に、わたしたち霊にも個性がある――このことにも疑問の余地はありませんね? では、わたしたちは一体誰か――この問題になると、意見が分かれます。そもそも“同一性(アイデンティー)”とは何を基準にするかという点で、理解の仕方が異なるからです。わたし個人としては、地上の両親がつける名前は問題にしません。名前と当人との間には、ある種の相違点があるからです。

では一体わたしたちは何者なのかという問題ですが、これまた、アイデンティティーを何を基準にするかによります。ご存知のとおり、わたしはインディアンの身体を使用しておりますが(※)、インディアンではありません。こういう方法が一番わたし自身をうまく表現できるからそうしているまでです。このように、背後霊の存在そのものには問題の余地はないにしても、物質への霊の働きかけの問題は実に複雑であり、通信に影響を及ぼし内容を変えてしまうほどの、さまざまな出来事が生じております。




※――地上とコンタクトするための“変圧器”のような役目をしているインディアンのことで、言わば霊界の霊媒である。ふだんは一応これをシルバーバーチということにしており、“祈り”の末尾でも“あなたの僕インディアンの祈りを捧げます”と述べているが、“わたし”と言っている一番奥の通信霊が誰であるかは、“いつかは明かす日も来るでしょう”と言いつつ、六十年間、ついに明かされることはなかった。


通信がどれだけ伝わるか――その内容と分量は、そうしたさまざまな要素によって違ってきます。まして、ふだんの生活における“導き”の問題は簡単には片づけられません。なぜかと言えば、人間はその時点での自分の望みを叶えてくれるのが導きであると思いがちですが、実際には、叶えてあげる必要がまったくないものがあるからです。一番良い導きは、本人の望んでいる通りにしてあげることではなくて、それを無視して放っておくことである場合が、しばしばあるのです。

この問題は要約して片づけられる性質のものではありません。意識の程度の問題がからんでいるからです。大変な問題なのです。わたしはよく人間の祈りを聞いてみることがありますが、要望に応(こた)えてあげたい気持ちは山々でも、そばに立って見つめているしかないことがあります。時にはわたしの方が耐え切れなくて、何とかしてあげようと思って行動に移りかけると、“捨ておけ!”という上の界からの声が聞こえることがあります。一つの計画の枠の中で行動する約束ができている以上、わたしの私情は許されないのです。

この問題は容易ではないと申しましたが、それは困難なことばかりだという意味ではありません。時には容易なこともあり、時には困難なこともあります。ただ、理解しておいていただきたいのは、人間にとって影(不幸)に思えることが、わたしたちから見れば光(幸せ)であることがあり、人間にとって光であるように思えることが、わたしたちから見れば影であることがあるということです。

人間にとって青天のように思えることが、わたしたちから見れば嵐の予兆であり、人間にとって静けさに思えることが、わたしたちから見れば騒音であり、人間にとって騒音に思えることが、わたしたちから見れば静けさであることがあるものです。

あなた方が実在と思っておられることは、わたしたちにとっては実在ではないのです。お互いに同じ宇宙の中に存在しながら、その住んでいる世界は同じではありません。あなた方の思想や視野全体が物的思考形態によって条件づけられ、支配されております。霊の目で見ることができないために、つい、現状への不平や不満を口にされます。わたしはそのことを咎(とが)める気にはなれません。視界が限られているのですから、やむを得ないと思うのです。あなた方には全視野を眼下におさめることはできないのです。

わたしたちスピリットといえども完全から程遠いことは、誰よりもこのわたしがまっ先に認めます。やりたいことが何でもできるとは限らないことは否定しません。しかし、そのことは、わたしたちがあなた方の心臓の鼓動と同じくらい身近な存在であるという事実とは、まったく別の問題です。あなた方が太陽の下を歩くと影が付き添うごとく、イヤ、それ以上に、わたしたちはあなた方の身近な存在です。

わたしの愛の活動範囲にある方々は、わたしたちの世界の霊と霊との関係と同じく、わたしと親密な関係にあります。それを物的な現象によってお見せできないわけではありませんが、いつでもというわけにはまいりません。霊的な理解(悟り)という形でもできます。が、これまた、人間としてやむを得ないことですが、そういう霊的高揚を体験するチャンスというものは、そう滅多にあるものではありません。そのことを咎めるつもりはありません。これから目指すべき進歩の指標がそこにあるということです。

あなたのご意見は、ちょっと聞くと正しいように思えますが、近視眼的であり、すべての事実に通暁しておられない方の意見です。とは言え、わたしたち霊界からの指導者は常に寛大な態度で臨まねばなりません。教師は生徒の述べることに一つ一つ耳を貸してあげないといけません。意見を述べるという行為そのものが、意見の正しい正しくないに関係なく、魂が成長しようとしていることの指標だからです。

まじめな意見であれば、わたしたちはどんなことにも腹は立てませんから、少しもご心配には及びません。大いに歓迎します。どなたがどんなことをおっしゃろうと、またどんなことをなさろうと、みなさんに対するわたしの愛の心がいささかでも減る気づかいはいりません」

「私たちも、あなたに対して同じ気持ちを抱いております。要は求道心の問題に帰着するようです」


「今わたしが申し上げたことに、批判がましい気持ちはみじんも含まれておりません。われわれはみんな大霊であると同時に人間でもあります。非常に混み入った存在――一見すると単純のようで、奥の深い存在です。魂というものは開発されるほど単純さを増しますが、同時に奥行きを増します。単純さと深遠さは、同じ一本の棒の両端です。作用と反作用は、科学的にいっても正反対であると同時に同一物です。

進歩は容易には得られません。もともと容易に得られるようになっていないのです。われわれはお互いに生命の道の巡礼者であり、手にした霊的知識という杖が、困難に際して支えになってくれます。その杖にすがることです。霊的知識という杖です。それを失っては進化の旅は続けられません」

「私たちはあまりに霊的知識が身近すぎて、かえってその大切さを見失いがちであるように思います」


「わたしは、常づね二つの大切なことを申し上げております。一つは、知識の及ばない領域に踏み入る時は、その知識を基礎とした上での信仰心に頼りなさいということです。それからもう一つは、つねに理性を忘れないようにということです。理性による合理的判断力は大霊からの授かりものです。

あなたにとっての合理性の基準にそぐわないものは、遠慮なく拒否なさることです。理性も各自の成長度というものがあり、成長した分だけ判断の基準も高まるのです。一見すると矛盾しているかに思える言葉がいろいろとありますが、このテーマもその一つであり、一種の自家撞着(パラドックス)を含んでおります。が、パラドックスは真理の表象でもあるのです。

理性が不満を覚えて質問なさる――それをわたしは少しも咎めません。むしろ結構なこととして、うれしく思うくらいです。疑問を質(ただ)そうとすることは魂が活動していることの証拠であり、わたしにとってそれは喜びの源泉だからです。

さて、わたしは何とか皆さんのご質問にお答えできたと思うのですが、いかがでしょうか」

そう述べてから、その日の中心的質問者だった、かつてメソジスト派の牧師だった人の方を向いて、笑顔でこう述べた。


「いかがでしょう、わたしの答案用紙に“思いやりあり”“人間愛に富む”とでも書き込んでくださいますか?」

Monday, March 20, 2023

シアトルの春 最高神の道具となったということです。

 It means that it has become a tool of the Supreme God.

白樺の森 イラスト素材 無料ダウンロード - Lovepik

 

スピリチュアリズムによる新しい啓示の重大性について、こう述べる。

 「闇に閉ざされたこの地上界にあって、意義ある貢献する機会を与えてくれる霊的知識を手にされた皆さんは、何と幸せな方たちでしょう。幾十世紀にもわたって偉大なる頭脳を悩ませてきた多くの謎を解くカギを手にされた皆さんは、何と幸せでしょう。

歩むべき道を照らしだし、永遠の生命の機構の中におけるご自分の存在すべき位置を理解させてくれる叡智を授かった皆さんは、実にお幸せな方たちです。そうした霊的知識を誇りに思わないといけません。

誤った教えの下敷きとなってしまっている人々を救いだし、正しい知識と理解への道を指し示してあげることが出来るからです。

 しかしそれにも増して大きいのは、そうした知識を手にした人が背負うことになる責任です。本当の意味で大霊の使徒となるからです。最高神の道具となったということです。忠誠を捧げる聖なる大義を汚すようなことは絶対にしないという責任が、その人の双肩に掛ってきます。

 地上世界は霊的知識を必要としております。それは生活の全側面を照らしだし、理解に苦しむ問題を簡単に解いてくれます。人類の進歩のブレーキとなってきた誤った教えの粗悪さと不当性によって、これ以上苦しめられることは無くなるでしょう。

今まさに地上世界は、歴史的に見ても重大な時期を迎えているのです。皆さんの目の前で新しい歴史が刻まれつつあるのです。魂の最終のゴールである〝自由〟の獲得への道を、あなた方が整備してあげているのです。

 皆さんには霊的貢献の分野があります。大霊の子が人生の嵐の中を生き抜く上での正しい基盤を手にすることが出来るように、この霊的真理を普及させないといけません。

その普及活動を阻止しようとする勢力は次第に衰えつつあります。かつては脅威に思えた反抗が、今やおぼろな影となっております。かつて先駆者たちが直面させられた苦難は、その先駆者たち自身のお陰で大幅に取り除かれました。

しかし、まだまだ為すべきことが多く残されております。その大きな仕事の一端が、あなた方の双肩に掛っているのです。

 堂々と胸を張り、魂の自由と進歩と啓発に貢献していることに、誇りを持って下さい。大霊の子等が暗闇でなく真理の光の中で生きるための魂の自由と解放という仕事において、皆さんは、ご自分で考えておられる以上に、大きな貢献をしておられます。

 本当の自我に目覚める霊が増えつつあります。ここぞという重大な時に何の役にも立たなかった古い教えに背を向ける男女が増えつつあります。今や古い秩序は完全に砕かれました。

古いものはやはり古いという認識のもとに、古い宗教的体制への不信感が加速されております。新しい教義、新しい人生指導原理を求めているのです。


 人々は光明を求めています。のちの世代に光明を約束してくれるものに希望を託しております。過去が残してくれたものに不審を抱き、新しい霊的真理を渇望しているのです。それを提供するのが、あなた方の役目です。

これから始まる再構築の大事業に備えるための知識と力とを身につけさせるために、陰ながら導いてくれている背後霊の存在を認識させてあげるのです。

 肩書(ラベル)と言うものが次第に魅力を失いつつあります、地上人類は今まであまりに長い間、タイトルや肩書を崇めてきました。それが今、そうしたものに幻滅を感じ始めております。新しいタイプの魂、真実を問い質す魂、真理を求める魂、権威を自称するものを容易に信用しない魂、遠い昔の聖なる書はあくまでもその時代のもので、しかもただ霊的啓示であると信じられているに過ぎないから信じない、と主張する魂が生まれつつあります」


次に、霊的交流を求める上での心掛けについてのアドバイスを求められて───

 「精神を受け身の状態にし、冷静でいてしかも受容力に富んだ態度を保つ修業が必要です。霊力は、人間の方から命令的に求められる性質のものではありません。秩序正しい段階を踏んで用意を整えて下さらないと、授けることは出来ないのです。

ある一定の必須の条件というものがあるからです。通信回路が正しく開かれていないと、インスピレイションは流れませんし、たとえ流れても、歪められてしまいます。

 何よりも大切なのは、いかなる困難、いかなる騒ぎの中にあっても、平静さを失わないようになることです。私たちの教えを知識としていくら沢山詰め込んで下さっても、心の平静さを保つ修業ができないかぎり、その価値は十分に発揮されないことになります。

 あなたも大霊の一部なのです。その無限の力の宝庫から必要なものを引き出すことができるのです。いかなる人生の嵐、喧騒、混乱の中にあっても、平然とそれを達観し、永遠にして無限なる霊的存在としての〝あなた自身〟は絶対に惑わされないとの、不敵な信念に燃えないといけません。

困難には正面から取り組んで、それを克服しないといけません。その葛藤の中においてこそ性格が形成され、霊性が磨かれ、真実の自我を発見していくことになるのです。

 霊的真理を手にした私たちには、為すべきことが山ほどあります。今行われている(第二次)世界大戦、大量の肉体の殺し合い、狂気の破壊行為、世界全体を被う悲しみの波動は、これから先、大変な困難を生み出して行くことでしょう。

しかし、戦争は永遠に続くものではありません。いつかは終わります。その時には私達が再びその使命を果たす役目が廻ってきます」


 そして最後に、地球浄化の大事業者に携わっている世界中の指導霊を代表する形で、こう激励した。

 「この事業が成功するかしないかは、皆さんのような地上の道具の忍耐力と共鳴度と理解力に掛っております。私も、これまでずいぶん永い間、みなさんを陰から導いてまいりました。せっかく順調に奉仕の道を歩んでいるのに、ふと迷いが生じて不純な動機を宿した時、私が、皆さんの良心の耳元で囁いて、無事正しい道に引き戻したことが何度あったか知れません。

 長年にわたるそうした苦労の末に、こうして同志の方を一堂に集めることに成功しました。その目的は、地上の人間が大霊の意図したとおりに霊的属性を発揮するにはどういう生き方をすべきかを教えてあげることです。皆さん方から背を向けない限り、私たちはこれからも忍耐強くこの仕事を続けてまいります。

 大霊から授かっている才覚を精一杯発揮して、一人でも多くの人に霊的真理を知らしめるのが、私たちの使命なのです。最初はごく少数の集まりでした。が、その滴のような小さな集まりが小川となり、やがて大河となって海へ注ぐことになるのです。

 スピリチュアリズムと呼ばれている新しい啓示が世界中に知れわたるのに、(十九世紀半ば以来)ほぼ一世紀を要しました。もう一世紀後には、その数は信じられないほど多くなっていることでしょう。皆さんはその先駆者(パイオニア)なのです」

 

シルバーバーチ