Wednesday, March 29, 2023

シアトルの春 わたしたちは、霊的真理の宗教的意義をたゆまず説き続けます。

We persevere in preaching the religious significance of spiritual truths.

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「わたしたちの霊団の使命は、れっきとした目的ないし意義をもつ証拠を提供し、それによって心霊的法則というものが存在することを立証する一方で、生きるよろこびと霊的教訓を授けるということです。物理的法則を超えた別の次元の法則の存在を証明するだけでなく、霊についての真理を啓示するということです。

そうした使命をもつわたしたちは、真っ向から立ち向かわねばならない巨大な虚偽の組織が存在します。過去幾世紀にもわたって積み重ねられてきた誤りを改めなければなりません。人間が勝手にこしらえた教義を基盤として築き上げられてきた虚飾の大機構を解体しなければならないのです。

わたしたちの努力は常に、物質界の大霊の子等に、いかにして魂の自由を見出し、いかにして霊的真理の陽光を浴び、いかにして教義の奴隷となっている状態から脱け出るかをお教えすることに向けられております。これは容易ならぬ仕事です。なぜなら、いったん宗教という名の足枷(あしかせ)をはめられたが最後、迷信という名の厚い壁をつき破って霊的真理が浸透するには、永い永い年月を要するからです。

わたしたちは、霊的真理の宗教的意義をたゆまず説き続けます。その重要性に目覚めれば、戦争と流血による革新よりはるかに強烈な革命が地上世界にもたらされるからです。

それは魂の革命です。その暁には、世界中の人々が授かって当りまえのもの――霊的存在としてのさまざまな自由を満喫する権利を我がものとすることでしょう。

わたしたちが忠誠を捧げるのは、教義でもなく、書物でもなく、教会でもありません。宇宙の大霊すなわち神と、その永遠不変の摂理です。

いずれ、地上世界に強力な霊の力が注がれるようになります。これまではびこってきた利己主義と無知に歯止めをかけるための、大きな仕事が計画されているのです。それはいつかは成就されます。が、その途中の段階においては、大きな産みの痛みを味わわなくてはならないでしょう。

その仕事を支援するために、わたしたちの世界から大勢のスピリットが馳せ参じております。あなた方の顔見知りの人、血のつながりのある人もいれば、愛のつながりによって引かれてくる人もいます。背後霊というと、皆さんはすぐに顔見知りの名前を思い浮かべがちですが、一方には皆さんのまったく知らない人で、ただ自分の力を役立てることにのみ喜びを覚えて援助してくれている人がいることも、どうか忘れないでください。

バイブルにはサウロ(のちのパウロ)がダマスカスへ向かう途中、天からの光に包まれ、目が眩(くら)んで倒れ、それがきっかけで改心する話(使徒行伝)がありますが、世の中はそんな具合に一気に改まるものではありません。一人ずつ霊的真理に目覚め、一人ずつ大霊の道具となっていくという形で、少しずつ光明が広がっていくのです。霊的なものは、大事に育て慎重に広めていく必要があることを銘記しなければなりません。急激な改心は、得てして永続きしないものです。わたしたちの仕事は永続性が生命です。 

一個の魂が大霊の道具となった時、一個の魂が暗黒から光明へ、無知から知識へ、迷信から真実へと目覚めた時、その魂は世界全体の進歩に貢献していることになるのです。なぜなら、その一人ひとりが、言わば物質万能主義の棺(ひつぎ)に打ち込まれるクギのようなものだからです。

発達にも二つの種類があることを知ってください。霊そのものの発達と、霊が使用する媒体の発達です。前者は魂そのものの進化であり、後者は単なる心霊的能力の開発にすぎません。霊的進化を伴わない心霊能力だけの発達では、低い次元のバイブレーションしか出ません。両者が相たずさえて発達した時、その人は偉大な霊能者であると同時に、偉大な人物であることになります。

わたしたちが霊界からたずさえてくるメッセージは、地上人類にとって実に素晴らしい恩恵をもたらします。魂を解放し、大霊からの遺産(神的属性)の素晴らしさに目を開かせます。あらゆる足枷と束縛を捨てるように教えます。霊的真理の本当の有り難さを教えます。物的生活の在り方と同時に、霊的生活の在り方も教えています。美と愛と叡智と理解力と真理と幸福をもたらします。人のために――ひたすら人のために、と説くメッセージです。

ところが、そのメッセージをたずさえてくるわたしたちが、大霊を正しく理解していない人々、霊の働きかけの存在を信じない人たちによって拒絶されております。それは、いつの時代にもよくある話です。

他方、現在の地上の状態は、そうしたわたしたちの働きかけをますます必要としております。流血につぐ流血、そしてその犠牲となった人々の涙の絶えることがありません。無明(むみょう)ゆえに、地上人類は大霊の摂理にしたがった生き方をしておりません。暗黒と絶望の道を選択しております。そこでわたしたちが、希望と光明と平和と調和をもたらす知識をたずさえてきたのです。にもかかわらず、無知ゆえにわたしたちを軽蔑します。わたしたちのメッセージを拒絶します。わたしたちを背後から導いている強大な霊的組織力の存在に気づいてくれません。しかし、霊的実在を教える大真理は、かならずや勝利をおさめます。

摂理に逆らう者は、みずからその苦(にが)い実りを刈り取ることになります。摂理にしたがって生きる者は、物的・霊的の両面において豊かな幸せを刈り取ります。

暗黒が蔓延している地上にあって、どうぞ希望を失わず、あなた方とともに人類の高揚のために働いている多くの霊、物的世界を改善しようとしている霊の努力はかならずや実ることを信じてください。その背後に控える霊力は、宇宙で最も強力な力なのです。

価値あるものは、苦難と悲哀なしには達成できません。地上は地上なりの教訓の修得方法があるのです。それを避けて通るわけにはいきません。今、霊的勢力が地上全土にわたって活動を開始しつつあり、あらゆる地域の人々に霊的メッセージが届けられ、その心を明るく照らし、その光が広まるにつれて、物質万能主義の闇を追い払ってまいります。

わたしたちは、罰の恐ろしさをチラつかせながら説得することはいたしません。恐怖心から大人しく生きる、そんな卑屈な臆病者にはなってほしくありません。内部に宿る神性を自覚し、それを発揮することによって霊性を高め、一段と崇高な真理と叡智を身につけていただくことを目指しております。

そのためにはまず、これまでに得たものに不満を抱くようにならなければなりません。なぜなら、今の自分に満足できず、さらに何かを求めようとするところに、より高い知識を得る可能性が生まれるからです。満足する人間は進歩が停滞します。満足できない人はさらに大きな自由へ向けて突き進むことになります。

わたしたちは決して“理知的に難しく考えずに、ただ信じなさい”とは申しません。反対に、“大霊から授かった理性を存分に駆使して、わたしたちを試しなさい。徹底的に吟味なさい。その結果、もしもわたしたちの述べることの中に低俗なこと、邪険なこと、道義に反することがあると思われたら、どうぞ拒絶してください”と申し上げております。

わたしたちは、ただひたすら、“より高潔な生活”――自己犠牲と理想主義を志向する生活を説いております。もしそのことをお認めいただけるならば、それは、わたしたちの教えの中身に大霊の極印(ごくいん)が押されていることを証明するものと言えましょう。

たった一個の魂を目覚めさせてあげることができれば、悲嘆に暮れる者をたった一人でも慰めてあげることができれば、怖(お)じ気づいた人の心を奮(ふる)い立たせ、人生に疲れた人に生きる勇気を与えることができれば、それだけでも努力の甲斐があったことになるのではないでしょうか。

わたしたちのメッセージを聞いて心に動揺をきたし、困惑し、わけがわからなくなりながらも、先入的信仰によって身動きが取れなくなっている人が大勢います。しかし、その人たちも、牢獄に閉じ込められた魂へ向けて呼びかける自由の声を耳にして煩悶しております。

そういう人たちにこそ、わたしたちのメッセージを届けてあげるべきです。思いも寄らなかったものが存在することを知って、それを必死に求めようとする、そのきっかけとなります。真理とはすべて踏み石の一つにすぎません。

この霊媒の口をついて出る言葉に、もしもあなた方の理性が反発を覚えるもの、大霊の愛の概念と矛盾するもの、愚かしく思えるもの、あなたの知性を侮辱するものがあるとすれば、それは、もはやわたしの出る幕でなくなったことを意味します。わたしの時代は終わったことになります。

この交霊会も、これまでに数え切れないほど催されておりますが、その間わたしの口から魂の崇高な願望と相容(あいい)れないことを述べたことは、ただの一度もないと確信しております。わたしたちは常にあなた方の魂の最高の意識に訴えているからです。

地球人類は地球人類なりに、みずからの力で救済手段を講じなくてはなりません。できあいの手段はないのです。前もって用意されたお決まりの救済手段というものはないのです。そのためには、これが生命現象だと思い込んでいる自然界の裏側に、目に見えない霊的実在があること、そして、物質界に生活している人間は物的存在であると同時に霊的存在であり、物的身体を通して自我を表現している霊であるという事実を、まず理解しなくてはなりません。

物的身体は、大霊の意図された通りに、生活上の必需品をきちんと揃えることによって、常に完全な健康状態に保たねばなりません。一方、霊は、あらゆるドグマと信条による足枷から解放されねばなりません。そうすることによって実質的価値、つまり霊的に見て意味のないものに忠誠を捧げることなく、真実なるもののためにのみ精を出すことになり、過去幾千年にもわたって束縛してきた信条やドグマをめぐっての下らぬいがみ合い、仲違(たが)い、闘争をなくすことができます。

わたしたちは、大霊を共通の親とする全人類の霊的同胞性を福音として説いております。その理解を妨げるものは地上的概念であり、虚偽の上に建てられた教会であり、特権の横領(※)であり、卑劣な圧制者の高慢と権力です。


※――宗教が組織化されるに伴って内部に権力構造が生まれる。それは人間的産物にすぎないのであるが、それを宇宙の絶対者から授かったものと錯覚し、そう宣言しはじめる。それを“横領”と表現した。

シルバーバーチ

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