ハンネン・スワッハー・ホームサークル、すなわちシルバーバーチ交霊会はきまってシルバーバーチの祈りの言葉で始まり、終わりも必ずシルバーバーチの祈りの言葉で締めくくられる。祈りの内容は大同小異であるが、その表現は一つひとつ違い、出席者はその妙味に感嘆させられるのが常である。その中から典型的なものを紹介する。
神よ───天地の創造主、
至尊至高の絶対的な力、
全存在の宿命の統括者にまします神よ、
私たちはこれまであなたの得さしめ給いし
全てのものに対して
深甚なる感謝の意を表明いたします。
私たちの為に暗き道を
明るく照らし給いしその光、
あなたを、
そして私たち自らをより深く
理解させて下さったその知識、
そして私たちを栄光と光輝とによりて
温かく包んでくださった
その叡智に対して深く感謝いたします。
私がこうして存在することの真の理由、
宇宙人生の背後に秘められた
真の目的を啓示され給い、
日夜私たちをお導きくださる
その愛に深く感謝いたします。
また、
私たちのために真理普及の道を
切り開いて下さった先達の数々、
地ならしをして下さった開拓者の数々、
悪戦苦闘した改革者たち、その他、
宗教家、哲学者、賢聖 ───
そのうちのある者は地上にては名も知られず、
死して漸くその偉大さを認められ、
あるいは死後もなおその
偉大さを気づかれずにおりますが、
こうした人々の全てに対しても
深い感謝の念を禁じ得ません。
これまでにあなたより授けられた
恩寵に対し厚く御礼申し上げます。
皆々と共に感謝の言葉を
捧げるとともに、
代わりて
私たちがあなたの御力の通路となり、
あなたの御計画推進の一翼を担い、
御子たちのために
役立つことができますよう
導き給わんことを。
ここに、
ひたすら人のために役立つことをのみ願う
あなたの僕の祈りを捧げ奉ります。
(注釈──祈りの初めあるいは途中で神に呼びかける時、シルバーバーチは必ず Great White Spirit という言い方をします。普段の霊言の中では神のことを Great Spirit ── 時に God──と言っており、これを文字通りに訳せば〝大霊〟ということになります。
われわれ一人ひとりが〝霊〟で、その生みの親である神を〝大霊〟というのは理屈では分かりますが、これでは日本人にとって古来〝神〟という文字およびそれを口にした時の響きから受ける崇敬の念が感じ取れません。そこで私はこれまで、ある時は神と訳しある時は大霊と訳したりしましたが、
これにさらに White という形容詞が付くと、もはや日本語では訳せなくなります。と言うのは、シルバーバーチはホワイトという用語を〝無色〟の意味で用い、それによって〝無垢〟を象徴させているのですが、英語ではそれで良いとしても、これを〝白い〟とか〝白色の〟とか〝無色の〟とかの日本語に直すと、日本語特有の感覚的な〝味〟が強く出て理解の妨げになります。
その点、カミと言う言葉は、言霊的にみても響きの上からもシルバーバーチの説く God あるいは Great spirit とぴったりであるとの考えから、私は祈りの冒頭の Great White Spirit もあっさりと〝神〟と訳しました。
また、シルバーバーチは祈りの最後に必ず〝あなたの僕インディアン〟your Indian servant と言うのですが、このインディアンがシルバーバーチ霊その人でないことは「まえがき」で編者がハンネン・スワッハーの言葉を引用して解説しています。
しかしこのインディアンの霊も紀元前の古代霊であり、神界 ── 少なくとも地球圏の最高界 ── の波長を受信できるほど進化した高級霊であることは間違いありません。
霊界の霊媒として元インディアンだった霊を使ったことには、
インディアンが民族的に心霊能力が優れていることも理由の一つでしょうが、
私は、これまで白人中心の文明思想に毒されてきている地球人類への戒めが込められていると観ております。
それはシリーズを読み通していただけば、
きっと読み取っていただけるものと思います。)
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