Tuesday, April 11, 2023

シアトルの春 なぜ生れてきたのか

why you were born

白樺の木イラスト - No: 22077343/無料イラスト/フリー素材なら「イラストAC」

  地上に生を享ける時、地上で何を為すべきかは魂自身はちゃんと自覚しております。何も知らずに誕生してくるのではありません。自分にとって必要な向上進化を促進するにはこういう環境でこういう身体に宿るのが最も効果的であると判断して、魂自らが選ぶのです。


ただ、実際に肉体に宿ってしまうと、その肉体の鈍重さのために誕生前の自覚が魂の奥に潜んだまま、通常意識に上がって来ないだけの話です。

 あなたがた地上の人間にとっての大きな問題点は、やむを得ないことかもしれませんが、人生というものを間違った視点から観ていることです。つまり、あまりにもこの世的・物質的観点からのみ人生を考えていることです。

人生には確かに地上的な要素がありますが、同時に霊的なものであり、永遠に続くものなのです。その永遠なるものを地上的視野だけで眺めてはいけません。それでは十全な判断は出来ません。

神の子には、一人の例外も無く、善悪ともに〝埋め合わせ〟の原理が働くのですが、地上生活のみで判断しようとすると全ての要素を考慮することができなくなります。

 人生には目的があります。しかしその目的は、それに携わる人間が操り人形でしかないほど融通性のないものではありません。笛に踊らされる人形ではないのです。人間の一人ひとりに分霊が宿っており、一人ひとりが無限の創造活動に参加できるのです。

つまりあなた方には個的存在としての責任と同時に、ある限度内の自由意志が与えられているのです。自由意志といっても、大自然の法則の働きを阻止することができるという意味ではありません。ある限られた範囲内での選択の権利が与えられているということです。

運命全体としての枠組みは出来ております。しかしその枠組みの中で、あなた方が計画した予定表(ブループリント)に従いながらどれだけ潜在的神性を発揮するかは、あなたの努力次第だということです。


 もしかしたら、そのブループリントさえ自覚できないかもしれません。でも魂は神性を宿すが故に常に活動を求め、自己表現を求めて波のようにうねります。時にはそれが悲嘆、無念、苦悩、病苦という形をとり、無気力状態のあなたにカツを入れ、目を覚まさせることになります。

もしも神があなたを創造活動へ参加させ、そうすることによって潜在的神性を開発させることを望まないのであれば、あなたがこの世に生を享けた意味は無いことになりましょう。そこに〝埋め合わせの原理〟が働いていることを理解しなくてはいけません。

つまり創造活動に貢献する仕事に携わりつつ潜在能力を開発していく生活の中で、あなたの人間的発達が促進されていくという仕組みです。

 つまり二重の仕組みになっているわけです。進歩の誘発は内と外の両側から行われるのです。魂の奥には物質界のいかなるエネルギーよりも大きい威力が秘められています。宇宙は大霊の一部だからです。それが無ければ生命は存在しません。

なぜなら生命は霊そのものだからです。物質はカゲに過ぎません。霊という実在の殻に過ぎません。この二重のエネルギーをどこまで活用できるかは、その魂の悟りの程度にかかっています。

 霊は生命そのものであり、生命は霊そのものです。霊の無いところに生命はありません。物質は殻に過ぎません。霊という実在によって投影されたカゲにすぎません。物質それ自体には存在はないのです。あなたが存在し、呼吸し、動き、考え、判断し、反省し、要約し、決断し、勘案し、熟考することができるのは、あなたが霊であるからこそです。

霊があなたの身体を動かしているのです。霊が離れたら最期、その身体は崩壊して元の土くれに戻ってしまいます。物質を崇拝する人間は間違った偶像を拝していることになります。そこに実在が無いからです。物質は一時的な存在に過ぎません。

 霊はすべての存在物を形成する基本的素材であるが故に永続性があります。人間という形体によって表現されている生命力は、小鳥、動物、魚類、樹木、草花、果実、野菜等に表現されているものと同じ生命力なのです。いかなる形体にせよ、生命のあるところには必ず霊が働いております。


 自覚の程度、意識の程度にはさまざまな段階があります。霊の表現形態は無限だからです。無限なるものに制限を加えるわけには参りません。その生命の背後の力をあなた方は〝神〟と呼び、私は〝大霊〟(※)と呼びます。それは全ての霊の極致であり源泉であり頂上であるからです。
 
いかなる形態を取ろうと、創造者たるその大霊の表現であることに変わりありません。 (※シルバーバーチはこの〝大霊〟Great Spirit の他に〝白色大霊〟Great White Spirit という呼び方をします。白色とは実は無色透明を意味しているのですが、やはり〝神〟Got という言い方もよくしますので、本書では特殊な場合を除いてこの〝神〟に統一しました。──訳者)

 残念ながら、人の為に役立つ仕事はなかなか思うにまかせないものです。私が法則をこしらえたのではありません。

宇宙の理法はこうなっているということをお教えしているだけです。最大の貢献をなさんと心掛ける人は、困難や難問を避けようとしてはなりません。その困難、その難問こそが、そうした志をもつ人々の魂の奥底を掘り起こし、奉仕の仕事に役立つ道具として是非とも具えねばならない隠れた資質を活用させることになるからです。


 奉仕という名の硬貨(コイン)にもその価値を示す表示があるということです。真に役立つ人間になるためには魂の最奥まで響く強烈な体験がなくてはなりません。

魂が円熟の花を咲かせるためには奥深く耕されなければなりません。そのことを思うと、私は時として、その逆であってくれればいいのだが・・・・・と思うことがあります。つまり自己犠牲の道を歩む人間がいうなれば〝バラ色の人生〟を歩むことができればと思うのです。しかし、その美しいバラにもトゲがあります。

 以上、霊についての真理を幾つか紹介しましたが、私がそれを変更するわけには参りません。できもしないことをあたかもできるかのように言うわけにはいきません。できないものはできないのです。無限なる霊である神の働きは完璧です。完璧なる公正のもとに働きます。 

完璧というものは、未完成の地上の人間だけでなく私どもの世界の多くの界層の霊にとっても理解できるものではありません。物事には必ず埋め合わせがあり、応報があります。その計量は完璧な天秤によって行われます。犠牲的生活によって魂が〝損〟をすることはありません。

また利己的生活によっていささかも〝得〟をすることはありません。魂の進化の程度と悟りの指標はどれだけ〝ゲッセマネの園(※)〟に生き、どれだけ〝変容の丘(※※)〟に達するかにあります。そこには神の真の愛の働きがあります。

(※キリストが最大の苦難と裏切りにあった場所──苦難の象徴。※※キリストがこの世のものとも思えぬ輝ける姿に変容した丘──苦難克服の象徴。──訳者)

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