Sunday, April 16, 2023

シアトルの春 シルバーバーチは今や世界で最も有名な〝死者〟の一人となっている。    

Silver Birch is now one of the most famous "dead" in the world.

Teachings of Silver Birch Austen, A.W. (Editor) [Very Good] [Hardcover]

  まえがき
 

 ハンネン・スワッハー・ホームサークルの支配霊シルバーバーチの霊言集はすでに何冊か出ているが、本書はその好評に応えて新たに編纂したものである。

 シルバーバーチは今や世界で最も有名な〝死者〟の一人となっている。その霊言の価値は平凡な日常生活に応用できるという点にある。それがまず第一のメリットであるが、もう一つ、シルバーバーチが一貫して説き続けているのは絶対的な道徳的摂理の存在───全大宇宙のすみずみまで支配し、

いかなる嘆願、後悔、懺悔、そのほか自分の所業がもたらす結果から逃れんとするいかなる方便によっても影響されない法則が存在することを指摘している点である。その法則そのものが自動的にそれに相応しい結果をもたらすと説くのである。

 本書の編纂に当って苦心したのは、膨大な資料の中からどれを削るかということであった。その取捨選択に当って私が心がけたことは、シルバーバーチという古代霊を人類の指導者の名に相応しい存在として浮き彫りにすること───人間の進むべき方向を示し、その道中に生じる困難を避けるのではなく、それと取り組み、それを自らの手で克服していくための心構えを教えてくれる、真の指導者であることを明らかにすることである。

 今は私もレギュラーメンバーの一人であるが、本書に収められた霊言は私がまだメンバーでなかった頃のものである。が、私もその後十分に霊言に親しみ、その真髄が、さまざまな進化の階梯にあるすべての人間が理解し応用することのできる単純素朴な訓えを通して最大限の貢献をすることにある、ということを十分に得心している。古代の哲学者と近代の哲学者との差はたいして大きくはない。

古代の哲学者の方が単純素朴であり、インスピレーションの源を意識していた者が多かったということくらいなものである。が、これから紹介する人物は真理の不滅性と不変性、そしてそれが誰にでも理解できる形で表現できるものであること、そして又その表現法の違いを除いては決して改める必要がないという事実の生き証人である。

つまりシルバーバーチはその訓えを通じて死後の意識的生活の存続を証明し、霊的教訓は決して失われることはないこと、この世とあの世の区別なく人間的体験のエッセンスであること、そして人間の霊性に秘められた可能性が無限であることを教え示すのである。

 良き時代を体験し〝悪しき〟時代にはこの古代霊の叡智の導きを受けた人間の一人として、私はその叡智の抜粋を紹介できることを心からうれしく思う。

私はたいていの思想に親しみ、新旧の宗教のほとんどすべてに通暁しているつもりであるが、素朴さと真実味と実用性の点においてこの霊訓に匹敵するものにでくわしたことが無い。またその説得力の素晴らしさは他の追随を許さないものをもっている。

それはインスピレーションの源に少なくとも一段階、他よりも近いからにほかならない。

 本書の目的は地上の暗闇に光をもたらし、人間に背負わされた重荷を軽減し、生命の大機構を説き明かし、魂の死後存続を証明し、地上世界を美しく且つ祝福された生活の場として再構築することである。それは今まさに読まれんとするこの霊的知識を応用することによってのみ実現されることであろう。
       一九四四年  編者


 訳者注───全十一冊の中で本書だけが〝編者〟 The Editor としてあって氏名が記されていない。表題を H・S・(ハンネン・スワッハー)ホームサークル編としたのは、それが版権の所有者だからである。このシリーズに関するかぎり誰が編纂したかはどうでもよい問題であろう。

要はシルバーバーチの霊言そのものである。私もその点に鑑みて一つの章を内容上から二つに分けたり、前巻でカットしたものを加えたりして日本人向けに理解の便を図ってある。

表題も内容に相応しいものに改めてある。老若男女がいつどこで読んでもすっと理解できるように、というのが私の本シリーズの翻訳に当っての基本方針であり、それがシルバーバーチ霊団の基本的態度でもあるからである。

 以上、英語の勉強もかねて原書で読みたいとおっしゃる方が増えているのでお断りさせていただいた。なお全巻の書名と出版社名は『古代霊は語る』の巻末に紹介してある。(※印は絶版)丸善、紀伊国屋等の洋書部から取り寄せられる。疑問の点、お迷いの点があれば、遠慮なく訳者に問い合わせていただきたい。できるだけの便宜を図ってあげたいと思っている。

 

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