Thursday, February 17, 2022

シアトルの冬 霊界のフェスティバル  Spirit world festival



 

 1 霊界のフェスティバル     

一九一三年九月三十日  火曜日

 こうして私たちが地上へ降りて来て、今なお地上という谷間を歩む一個の人間と通信を交わす時の心境はまずあなたには判らないでしょう。同じく霊界にいる者の中でも、私たちは余ほど恵まれた境遇にあることを身に沁みて感じるのです。

それと言うのも、こうして人類の向上のために役立つ道があることを自信を持って語れる段階まで来てみますと、善行と啓発の可能性は本当に無限にあるように思えるのです。もっとも、今のところ私たちに出来ることは限られております。

あなたのように、神を信じその子イエスに身をあずけることによって神に奉仕する者には何一つ怖れるものは無いとの信念のもとに、勇敢に私たちに協力してくれる者(※)が出てくるまでは、この程度で佳しとしなければならないでしょう。

(※オーエン氏はもともと英国国教会の牧師で「推薦文」の筆者ノースクリッフ卿が社主であった新聞 The Weekly Despatchにこの霊界通信を連載したことで教会長老から弾圧を受け撤回を迫られたが、それを拒否したために牧師の職を追われた経験がある──訳者)

 今なお霊魂の存在と私たちの使命とメッセージに疑いをはさむ人のためにひとこと言わせて頂けば、私たちが美しい霊界の住処(すみか)を離れて地球を包む暗い霧の中へ降りて来る時は、決して鼻歌交じりの軽い気持ちで来るのではありません。
 
私たちには使命があるのです。誰かがやらねばならない仕事を携えてやってくるのです。そして、そのことに喜びを感じているのです。

 さてあれから少し後───地上的な言い方をすれば───のことです。私たちは、とある広い場所へ案内されました。そこには大きな湖───湖盆と言った方が良いようなもの───があり、その中へ絶え間なく水が流れ込んでおり、まわりにはかなりの間隔を置いて塔のついた大きな会館(ホール)の様なものが立ち並んでおります。

建築様式も違えばデザインも違い、素材も同じ種類ではありません。ホールのまわりには広々とした庭園や森があって、中には何マイルにも広がっているものもあり、そこには各種の動物や植物が群がっております。

大部分は地上でも見かけるものですが、見かけないものもあります。ただし私の記憶では、現在は見かけなくても曽ては生息したものが少しはあると思います。以上が外観です。私がお話したいのは、そうしたコロニーの存在の目的です。


 目的は実は音楽の創造と楽器の製造に他なりません。ここに住む人たちは音楽の研究に携わっているのです。各種の音楽の組み合わせ、その効果、それも単に〝音〟として捉えるのではなく、他の要素との関連をも研究します。

幾つかの建物を見学してまわりましたが、そこに働く人全員が明るく楽しそうな表情で私たちを迎えて下さり、すみずみまで案内して下さいました。

同時に私たちに理解できる範囲のことを説明して下さいましたが、正直言ってそれはそう多くはありませんでした。では私たちに理解できた範囲のことを説明してみましょう。

 ある建物───見学してみると製造工場というよりは研究所と呼んだ方が良いと思いました───の中では地上で作曲の才能のある人間へ音楽的インスピレーションを送る最良の方法の研究に専念しており、又ある建物では演奏の得意な人間に注目し、さらには声楽の得意な人間、教会音楽の専門家、コンサートミュージック、あるいはオペラの作曲に携わる人間等々の為に各各の建物が割り当てられているのです。

 研究の成果は体系的に図表化されます。そこまでがここに働く人たちの仕事です。その成果を今度は別のグループの人たちが目を通し、それをどうすれば最も効果的に地上へ送れるかを検討します。

検討が終わると更に別のグループの人たちが実際にベールを通して地上へ送る作業に取り掛かります。まず目標とすべき人間が選別されます。すなわちインスピレーションに最も感応しやすいタイプです。

そうした選別をするのが得意なグループが別にいて、細かい検討が加えられます。全てが整然としております。湖の周りの研究所から地上の教室やコンサートホール、オペラハウス等へ向けて、天上の音楽を送り届けることに常時携わっている人たちの連繋組織があるのです。

こういう具合にして地上に立派な音楽が生まれるのです・・・・・・。もちろんそうです、地上の音楽の全てがこちらから送られたものとは限りません。

それはこちらの音楽関係者の責任ではなく、ベールのそちら側の入口に問題があり、同時にこちら側の暗黒界の霊団による影響もあり、受け取った地上の作曲家の性格によって色付けされてしまうこともあります。


──塔は何のためにあるのでしょうか。

 これからそれを説明しようと思っていたところです。

 湖は広大な地域に広がっており、その沿岸から少し離れた一円にさっきの建物(ホール)が建っております。

そして時おり、あらかじめ定められた時が来ると、それぞれの研究所(ホール)で働く人のうちの幾人か───時には全員───がそれぞれの塔に集まり、集結し終わるとコンサート、まさにコンサートの名に相応しいコンサートが催されます。

演奏曲目は前もって打合わせが出来ております。一つの塔には一つのクラスの演奏者がおり、別の塔には別のクラスの演奏者がおり、次の塔に一定の音域の合唱団がおり、そのまた次の塔には別の音域の合唱団がおります。それが幾つもあるのです。

地上では四つの音域しかありませんが、こちらでは音域がたくさんあるのです。さらに別の塔の人にも別の受け持ちがあるのですが、私には理解できませんでした。私の推測ではそれぞれの塔からの音量を適度に調和させる専門家もいるようでした。

 そのことよりも私は催しそのもの───コンサート、フェスティバル、何でもよろしい───の話に入りたいと思います。私たちは湖の真ん中あたりにある島へ案内されました。そこは美しい木々と芝生と花が生い繁り、テラスや東屋、石または木で出来た腰掛けなどがしつらえてあります。そこでフェスティバルを聞いたのです。

 まず最初にコードが鳴り響きました。長く途切れることなく、そして次第に大きくなって行き、ついにはその土地全体───陸も水も樹木の葉一枚一枚までも行き亘っていくように思えました。それは全ての塔にいる楽団及び合唱団にキーを知らせるものでした。

やがてそれが弱まって行き全体がシーンと静まり返りました。すると今度は次第にオーケストラの演奏が聞こえてまいりました。多くの塔から出ているのですが、どの演奏がどの塔という区別がつきません。完全なハーモニーがあり、音調のバランスは完璧でした。

 続いて合唱が始まりました。その天上の音楽を地上の言語で叙述するなど、とても無理な話なのですが、でもその何分の一かでも感じ取っていただけるかもしれないと思って述べているのです。

簡単に言えば、全ての存在をより麗わしくするものがありました。美しいというだけではないのです。麗わしさがあるのです。この二つの形容詞は意味合いが違うつもりで使用しております。

私たちの顔に麗わしい色合いと表情が表われ、樹木は色彩が一段と深みを増し、大気は虹のような色彩をした霞に似たものに変化して行きました。それが何の邪魔にもならないのです。むしろ全てを一体化させるような感じすら致しました。

水面には虹の色が映り、私たちの衣服もその色彩を一段と強めておりました。さらには動物や小鳥までがその音楽に反応を示しているのです。

一羽の白い鳥がとくに記憶に残っておりますが、その美しい乳白色の羽根が次第に輝きを増し、林の方へ飛んで行く直前に見た時は、まるで磨き上げた黄金のような色───透明な光あるいは炎のように輝いておりました。

やがて霞がゆっくりと消えて行くと私たち全員、そして何もかもが再びいつもの状態に戻りました。と言っても余韻は残っておりました。強いて言うならば〝安らぎ〟とでも言うべきものでした。

 以上がこの〝音楽の里〟で得た体験です。私たちが聞いた音楽はその後専門家が出来具合を繰り返し討論し合い、ここを直し、そこを直しして、これを何かの時、たとえばこちらでの感謝祭(※)とか、地上での任務を終えて帰ってくる霊団を迎えるレセプションとか、その他の用途に使用されることになります。

何しろこちらの世界では音楽が全ての生活面に滲透しております。いえ、すべてが音楽であるようにさえ思えるのです。音楽と色彩と美の世界です。すべてが神の愛の中で生きております。私たちはとてもその愛に応え切れません。

なのに神の愛が私たちを高き世界へと誘い、行き着くところ全てに愛がみなぎり、神の美を身につける如くにその愛を身につけなくてはいけないのです。

そうせざるを得ないのです。なぜなら天界では神が全てであり、何ものにも替えられないものだからです。愛とは喜びです。

それをあなたが実感として理解するようになるのは、あなた自身が私たちと同じところへ来て私たちと同じものを聞き、私たちが神の愛を少し知る毎に見ることを得た神の美が上下、前後、左右、あたり一面に息づき輝いているのを目のあたりにした時のことでしかないでしょう。

 力強く生きなさい。勇気を持って生きなさい。それだけの価値のある人生です。それは私たち自らが証言しているのですから。

 では、お寝み。時おりあなたの睡眠中に今お話したような音楽のかすかなこだまをあなたの霊的環境の中に漂わせているのですよ。それは必ず翌日の生活と仕事の中によい影響を及ぼしております。

(※霊界でもよく祭日が祝われる話が他の霊界通信にも出てくる。地上を真似たのではなく、逆に霊界の催しが人間界に反映しているのである。──訳者)  




 Spirit world festival

Tuesday, September 30, 1913


In this way, you will not know the feelings when we come down to the ground and communicate with one person who still walks in the valley of the ground. Even among those who are also in the spirit world, we feel that we are in such a privileged situation.


After all, when we reach the stage where we can confidently say that there is a way to improve humanity, the possibilities of good deeds and enlightenment seem to be truly endless. However, so far, there is a limit to what we can do.


A person who bravely cooperates with us, like you, with the belief that there is nothing to be afraid of who believes in God and serves God by giving himself to his Son Jesus (*). Until it comes out, it will have to be good at this level.

(* Mr. Owen was originally a pastor of the British Church and was forced to withdraw by being oppressed by the church elders by serializing this spirit world newsletter in the newspaper The Weekly Despatch, which was owned by Sir Northcliff, the author of the "testimonial". However, I have had the experience of being forced to work as a minister because I refused to do so.


For those who still doubt the existence of the soul and our mission and message, let us say that we leave the beautiful spiritual dwelling place (Sumika) and descend into the dark fog that surrounds the earth. When I come, I never come with a light feeling of humming.
It was
We have a mission. Someone comes with a job that they have to do. And I am delighted with that.


Well, a little after that ─── in a ground-based way ───. We were guided to a large place. There is a big lake ─── it's better to call it a lake basin ──, and water is constantly flowing into it, and a large tower with towers around it. Things like a hall are lined up.


Different architectural styles, different designs, and different materials are not the same type. Surrounding the hall are spacious gardens and forests, some of which stretch for miles, where a variety of animals and plants flock.


Most are found on the ground, but some are not. However, in my memory, there are a few things that have inhabited even if they are not seen now. The above is the appearance. What I would like to talk about is the purpose of the existence of such colonies.




Actually, the purpose is nothing but the creation of music and the manufacture of musical instruments. The people who live here are involved in the study of music. We will study the combination of various kinds of music, its effect, and its relationship with other elements, not just as "sound".


I visited several buildings, and all the people who worked there welcomed us with a cheerful and fun look and guided us to every corner.


At the same time, he explained to us what we could understand, but to be honest, it wasn't that many. Let me explain what we can understand.


In a building ─── I thought it would be better to call it a laboratory rather than a manufacturing factory ─── the best way to send musical inspiration to a talented person on the ground. Dedicated to studying methods, and in some buildings focusing on people who are good at playing, and also for people who are good at vocal music, church music experts, concert music, or people involved in opera composition, etc. Each building is assigned.


The results of the research are systematically charted. That is the work of the people who work here. This time, another group of people will read the results and consider how to send them to the ground most effectively.


After the examination, another group of people will actually start sending to the ground through the veil. First, the people to be targeted are selected. In other words, it is the type that is most sensitive to inspiration.


There is another group that is good at making such selections, and detailed consideration is added. Everything is in order. There is a collaborative organization of people who are always involved in delivering heavenly music from the laboratories around the lake to the classrooms, concert halls, opera houses, etc. on the ground.


In this way, fine music is born on the ground ... Of course, yes, not all music on earth came from here.


It is not the responsibility of the musicians here, but there is a problem with the entrance on that side of the veil, and at the same time it is influenced by the spirit group of the dark world on this side, and it is colored by the character of the composer on the ground who received it. There is also.




──What is the tower for?


I was thinking of explaining it from now on.


The lake spreads over a vast area, and the building (hall) just before is built in a circle a little away from the coast.


And from time to time, when a predetermined time comes, some of the people working in each laboratory (hall) ─── sometimes all ─── gather in each tower, and when they finish gathering, a concert, A concert that fits the name of the concert will be held.


The performance songs have been discussed in advance. One tower has one class of performers, another tower has another class of performers, the next tower has a choir of a certain range, and the next tower has another. There is a choir in the range. There are many of them.


There are only four ranges on the ground, but there are many ranges here. The person in another tower has another responsibility, but I couldn't understand it. My guess was that some experts would moderately harmonize the volume from each tower.


Rather than that, I would like to talk about the event itself ─── concerts, festivals, anything is fine───. We were taken to an island in the middle of the lake. It is full of beautiful trees, lawns and flowers, with terraces, eastern houses, and stools made of stone or wood. I heard the festival there.


First of all, the chord rang. It seemed to grow uninterrupted for a long time and gradually grow, and finally the whole land ─── land, water, and even leaves of trees. It was to inform the orchestras and choirs in all the towers of the key.


Eventually it weakened and the whole thing calmed down with the scene. Then, I gradually heard the orchestra playing. It comes from many towers, but I can't tell which performance is which tower. There was perfect harmony and the tonal balance was perfect.


Then the chorus started. It is a very impossible story to describe the heavenly music in the language of the earth, but I think that you may feel even a fraction of it.


Simply put, there was something that made all beings more beautiful. It's not just beautiful. There is beauty. These two adjectives are used with the intention of having different meanings.


Beautiful shades and expressions appeared on our faces, the trees became deeper in color, and the atmosphere changed to something like a rainbow-colored haze. It doesn't get in the way. Rather, I even felt like integrating everything.


The color of the rainbow was reflected on the surface of the water, and our clothes also strengthened that color. Even animals and small birds are reacting to the music.


One white bird is especially memorable, but its beautiful milky white feathers gradually shine, and when I see it just before flying toward the forest, it looks like a polished golden color. ──It was shining like a transparent light or flame.


Eventually the haze slowly disappeared and all of us, and everything, returned to normal. However, the lingering sound remained. It should have been called "peace" if I had to say it.


The above is the experience I got at this "Music Village". After that, the music we listened to was repeatedly debated by experts, fixed here, fixed, and this was done at some time, such as Thanksgiving here (*) or on the ground. It will be used for receptions and other purposes to welcome the returning spirits after completing their mission.


After all, in this world, music permeates all aspects of life. No, it even seems like everything is music. The world of music, color and beauty. Everything lives in the love of God. We cannot live up to that love.


Yet, God's love invites us to the higher world, and everywhere we reach it, we must wear it as if we were to wear the beauty of God.


I have no choice but to do so. Because in heaven God is everything and cannot be replaced by anything. Love is joy.


It is God that you come to realize it as you come to the same place as us, hear the same as us, and see every time we know a little about God's love. It's only when you see the beauty of the gods breathing and shining all over, up and down, front and back, left and right.


Live powerfully. Live with courage. It's a life worth it. That is because we testify ourselves.


Then, sleep. Occasionally, during your sleep, the faint echoes of the music you just talked about float in your spiritual environment. It always has a positive effect on the next day's life and work.


(* The story that holidays are often celebrated in the spirit world also appears in other spirit world communications. Instead of imitating the earth, on the contrary, the events of the spirit world are reflected in the human world. ── Translator) 
                  

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