What is the purpose of being born?
地上生活の目的は人間の霊性の発現を促すことです。
地球という天体上に住む人間の一人一人に生きる目的があります。なのに大半の人間がその生活の基盤となっている霊的実在に気づいていないのは悲しいことです。まるで穴居人のように、ガランとした暗がりの中で暮らしております。視角がズレているのです。焦点が狂っているのです。
ビジョンが間違っているのです。人生がもたらしてくれる莫大な豊かさをまったく知らずにいます。霊的真理に気がつけば自分がいま何をしなければならないかを自覚して、そこに人間革命が生じます。
われわれはみんな人間的存在です。ということは、内部に不完全であるが故の欠点を宿しているということです。もしも完全であれば、あなた方は地上に存在せず私は霊界に存在しないでしょう。宇宙における唯一の完全な存在である大霊に帰一してしまっていることでしょう。
私には皆さんの人間であるが故の弱点がよく理解できます。しかし、一つ一つの問題を自分への挑戦(チャレンジ)として平然と受け止めると同時に、内部の霊性を強化し、開発し、発展させて霊性を高めるための触媒として、それを克服していかねばなりません。
地上的環境の中に置かれている以上あなた方は、地上ならではのさまざまな条件が生み出す幸福の絶頂と不幸のドン底、いわゆる人生の浮き沈みというものに直面しないわけにはまいりません。
℘19
しかし、そこにこそ皆さんが地上に生を受けた意味があるのです。つまりそうしたさまざまな浮き沈みの体験が皆さんの霊、真実の自我に潜在する資質を顕現させることになるのです。困難と逆境とに遭遇してはじめて発揮されるものなのです。
魂が真の自我に目覚めるのは太陽が光り輝いている時ではありません。バラ色の人生の中では霊性は発揮されません。危機、挑戦、困難、障害、妨害の中にあってこそ発揮されるのです。それが魂に潜在する神性を自覚する唯一の触媒を提供してくれるのです。
これは、霊的叡智を求める求道者のすべてに言えることです。断腸の思い、悲痛、苦痛を体験しないことには、そのあとに訪れる恩寵の有難さが十分に理解できません。人のために役立とうとする人間は試練を覚悟しなければなりません。時には力の限界までしごかれることもあります。
人間一人一人に神の計画があるのです。偶然の事故、偶然のチャンス、偶然の一致というものはありません。すべてが大自然の摂理によって動いており、そこには奇跡も摂理への干渉も有り得ません。摂理そのものが完璧にできあがっているのです。なぜなら完全な叡智によって生み出されているからです。
神の法則に例外というものはありません。存在するもののすべて───地上の森羅万象だけでなく、無辺の大宇宙のあらゆるもの───が神の配剤にあずかっているのです。どちらへ目をやっても、そこに神の法則の働きがあります。
小さすぎて見落とされたり、大きすぎて法則のワクからはみ出たりすることは有り得ません。それと同じ法則があなたにも働いているのです。もちろん私にも、そして他のすべての人にも働いております。
これで、作用と反作用とが正反対のものであると同時に相等しいものであることがお分かりでしょう。幸福の絶頂に至るにはドン底の苦しみを味わわねばならないこともお分かりでしょう。
そして又、皆さんが自分ではドン底を味わったつもりでいても、まだまだ絶頂を極めてはいらっしゃらないこともお分かりでしょう。その証拠に、心の奥のどこかにまだ死後の世界についての疑念をおもちです。
しかし人間は生き続けます。地上で永遠に、という意味ではありません。地上的存在に不滅ということは有り得ないのです。物的なものには、その役割を終えるべき時期というものが定められております。分解して元の成分に戻っていきます。
大自然の摂理の一環として物的身体はそのパターンに従います。が、あなたそのものは存在し続けます。生き続けたくないと思っても生き続けます。自然の摂理で、あなたという霊的存在は生き続けるのです。
ある種の教義や信条を信じた者だけが永遠の生命を与えられると説いている宗教がありますが、永遠の生命は宗教や信仰や憧れや願いごととは無関係です。生き続けるということは変えようにも変えられない摂理であり、自動的にそうなっているのです。
そもそも人間は死んでから霊となるのではなくて、もともと霊であるものが地上へ肉体をまとって誕生し、その束の間の生活のためではなく、霊界という本来の住処へ戻ってからの生活のために備えた発達と開発をするのですから、死後も生き続けて当たり前なのです。
元の出発点へ帰るということであり、地上のものは地上に残して、宇宙の大機構の中であなたなりの役目を果たすために、霊界でそのまま生き続けるのです。
その無限の宇宙機構の中にあって神の子は、一人の例外もなく必ず何らかの役目があります。そして、それを果たそうとすると、いろいろと困難が生じます。が、それは正面から迎え撃って克服していくべき挑戦と心得るべきです。困難と障害は、霊性を発達させ進化させていく上において必要不可欠の要素なのです。
地上というところはバイブレーションが重く鈍く不活発で、退屈な世界です。それに引きかえ霊の世界は精妙で繊細で鋭敏です。その霊妙なエネルギーを地上に顕現させるには、各自に触媒となる体験が必要です。
太陽がさんさんと輝いている時、つまり富と財産に囲まれた生活を送っているようでは霊的真理は見出せません。何一つ難門が無いようでは霊的真理は理解できません。困苦の真っ只中に置かれてはじめて触媒が働くのです。
霊性の開発には青天よりも嵐の方がためになることがあるものです。鋼が鍛えられるのは火の中においてこそです。黄金が磨かれてそのまばゆいばかりの輝きを見せるようになるのは、破砕の過程を経てこそです。人間の霊性も同じです。何度も何度も鍛えられてはじめて、かつて発揮されたことのない、より大きな霊性が発現するのです。
黄金はそこに存在しているのです。しかしその純金が姿を見せるには原鉱を破砕して磨かねばなりません。鋼は溶鉱炉の中で焼き上げねばなりません。同じことが皆さん方すべてに言えるのです。
霊に関わるもの、あなたの永遠の財産であり、唯一の不変の実在である霊に関わるものに興味を抱くようになるには、それを受け入れるだけの用意ができなくてはなりません。そこで鋼と同じように試練を受けることが必要となるのです。
苦を味わわねばならないということです。不自由を忍ばねばなりません。それは病気である場合もあり、何らかの危機である場合もあります。それがあなたの魂、神の火花に点火し、美しい炎と燃え上がりはじめます。それ以外に方法はありません。
光を見出すのは闇の中においてこそです。知識を有難く思うのは無知の不自由を味わってこそです。人生は両極です。相対性といってもよろしい。要するに作用と反作用とが同等であると同時に正反対である状態のことです。
魂はその琴線に触れる体験を経るまでは目覚めないものです。その体験の中にあっては、あたかもこの世から希望が消え失せ、光明も導きも無くなったかに思えるものです。
絶望の淵にいる思いがします。ドン底に突き落とされ、もはや這い上がる可能性がないかに思える恐怖を味わいます。そこに至ってはじめて魂が目を覚ますのです。
ですから、私たち霊界の者は魂にその受け入れ準備ができるまで根気よく待つほかないのです。馬を水辺に連れて行くことはできても水を飲ませることはできない、という諺があります。本人がその気にならなければどうしようもないのです。
私には皆さんのどなたよりも長い経験があります。そのおかげで、われわれのすべてを包摂し全存在に配剤した自然法則の完璧さについて、皆さんよりも深く理解しております。
時おり私は地上の同志のもとを訪ねてみることがありますが、霊的知識をたずさえているはずの人が悩み、そして心配しているのを見て、不可解でならないことがあります。霊的知識は、永遠の霊にはいかなる危害も及ばないことを保証する基盤であるはずです。
霊的知識を手にした者は常に光の中に生き、明日を思い煩うことがあってはなりません。
地上には人間が思い煩う必要のあることは何一つありません。あなたの内部には霊的兵器───非常事態や危機に際して活用できる霊的資質が宿されているのです。その潜在力を呼び起こし、待機している霊に訴えれば、解決できない問題は何一つありません。
まえがき
人間は何のために生まれてくるのだろうか。死んだらどうなるのだろうか。もっと幸せで生き甲斐のある生活を送るにはどうすればよいのか。天地万物の背後には知的な〝こころ〟が存在するのだろうか。物的宇宙に、そして人間に、何か〝計画〟というものがあるのだろうか。
知性の芽生えとともに、人類はこうした謎を追求しつづけてきた。そして今その解答が、かつて同じこの地球で生活し今は一段と次元の高い世界へ進化して行っている人類の先輩霊の一人によってもたらされつつある。
その霊は人間の無知の暗闇を照らす松明の持ち手としての使命を引き受け、地上で語るための霊媒としてモーリス・バーバネルを選んだ。
間もなくそのバーバネルを通して語るメッセージに耳を傾ける小さなグループができた。そしてそのうちの一人で〝フリート街の法王〟(英国ジャーナリズム界の御意見番)の異名をもつハンネン・スワッハーの名を冠して〝ハンネン・スワッハー・ホームサークル〟を正式の名称とした。
そのメンバーのうちの三人は世襲的にはユダヤ教徒であり、さらに三人はキリスト教徒だった。が、シルバーバーチと名のるその霊は
「我々が忠誠を捧げるのは一つの教義でもなく、一冊の書物でもなく、一個の教会でもなく、生命の大霊とその永遠不変の大自然の摂理です」
と語るのだった。
一人の人間が人類全体の命運を左右することは現実に有りうることである。イエスがそうだったし、ヒトラーがそうだった。このモーリス・バーバネルとシルバーバーチという二つの世界にまたがるコンビは、以来、数え切れないほどの人々の人生を変え、悲しむ人には慰めを、絶望の淵に沈む人には希望を与え、今や世界のすみずみまでその愛好者が増えつつある。
ところで、そのシルバーバーチとはいったい何者であろうか。
それについては、最も身近かな存在である霊媒のバーバネルも、一九二〇年に始めて入神させられてシルバーバーチのマウスピースとなった時に何も知らなかったことは、間違いない事実である。そしてそれから六十一年後に他界するまで、もしかしたら知っていたかも知れないが、ひとことも口にしていない。
が、彼はその六十一年の歳月を支配霊シルバーバーチの語るメッセージを世界中に広めることに献身した。他界する当日まで倦むことなく忠実にその使命を全うし続けた。本書には彼による最後の交霊会の霊言が収録されている。
私はこの霊言集を次の三人の先達に捧げたい。すなわち優れた編集者であり、ジャーナリストであり、作家であり、また実業家としての才も見せた霊媒のモーリス・バーバネル、四十九年間にわたってその地上での良き伴侶であった奥さんのシルビア、そしてサークルのメンバーであり同時に霊言の速記者でもあったフランシス・ムーア女史である。 パム・リーバ
一章 シルバーバーチの挨拶
私たち霊団の者は、一種名状しがたい暗闇に包まれている地上各地において、大々的救済活動に従事しております。霊の光がその暗闇を突き破り、人間が全生命の根源──物質的に精神的に霊的に豊かにする崇高な霊力の恩恵にあずかれるようにしてあげなければならないのです。
進歩は遅々たるものです。克服しなければならない障害が山ほどあります。が、着実に進展しつつあります。各地に新しい橋頭堡が築かれつつあります。霊力はすでに地上に根づいております。それが、幾百万とも知れぬ人々に恩恵をもたらすことでしょう。
私をはじめ、私を補佐してくれる霊団の者、そして地上にあって私たちの道具となってくれるあなた方は、この気高い事業に奉仕する栄誉を担っているわけです。それ故にこそわれわれは、双肩に託された信頼をいかなる形にても汚すことのないように心掛ける責任があると言えます。
あなた方は霊力を活用する立場にあります。私も同じです。そして必要とあれば私は、こうして私たちがあなた方のために尽力しているように、あなた方が他人のために自分を役立てるための霊力を、さらに余分に引き出すこともできます。
これまでに啓示していただいた知識のおかげで、われわれは背後に控える力が地上のいかなる霊力よりも強大であるとの認識によって、常に楽観と希望をもって臨んでおります。敗北意識を抱いたり意気消沈したりする必要はありません。
すべて神の計画どおりに進行しており、今後もそれは変わりません。人間が邪魔することはできます。計画の進展を遅らせることはできます。が、宇宙最高の霊が地球救済のために開始した計画を台なしにしてしまうことはできません。
われわれが有難く思うべきことは、地上的なものが提供してくれるいかなるものにも優る、物質の領域を超えた、より大きくより美しい生命の世界をかいま見ることを可能にしてくれる霊的知識を手にしていることです。
その世界には、地上に豊かな恩恵をもたらす霊力の道具としての人間を援助し鼓舞し活用することを唯一の望みとしている、進化せる高級霊が存在することをわれわれは、信仰ではなく事実として認識しております。
その霊力は病気を癒やし、悲しむ人を慰め、道を失った人を導き、無知を知識に置きかえ、暗闇を光明に置きかえ、生きる意欲を失った人には元気を与え、真理に渇いた人の心をうるおし、真の自我を見出そうとする人には神の計画に基づいたガイドラインを提供してあげます。
援助を求める祈りが聞かれないままで終わるということはありません。人のために何か役立つことをしたいという願いが何の反応もなしに終ることはありません。霊界においては、自分より恵まれない人のために役立てる用意のある地上の人間を援助せんとして万全の態勢を整えております。
ただ単に霊感や啓示を手にすることができるというだけではありません。霊力という具体的なエネルギーの働きかけによって、受け入れる用意のできた魂にふんだんに恩恵がもたらされるのです。
その道具として、内部の神性をより多く発揮すべく、進化と発達と開発のために不断の努力を怠らないというのが、われわれの絶対的な義務です。
生命に死はありません。墓には生命を終わらせる力はありません。愛にも死はありません。なぜなら愛は死を超えたものだからです。この生命と愛こそ、われわれが所有しかつ利用することのできる大霊の絶対的神性の双子(ツイン)です。それを発達させ開発させることによって、われわれより恵まれない人々のために、他の資質とともに活用することができます。
今の地上は大霊すなわち宇宙の神よりも富の神マモンを崇拝する者の方が多くなっております。本来ならば人間生活を豊かにする霊的知識を携えた霊的指導者であるべきはずの宗教家がまずもって無知なのです。
霊的真理とは何の関係もない、人間が勝手にこしらえた教義や信条やドグマを信じ、それに束縛されているからです。洞察力に富んでいなければならない立場の人みずからが、悲しいかな、一寸先も見えなくなっているのです。
そのために、霊の力を地上に顕現させ、生命と愛とが永遠であるとの証拠を提供し、医者に見放された患者を治してあげることによって霊力の有難さを味わわせてあげるためには、いろいろとしなければならないことがあるわけです。
霊力の機能はそれ以外にもあります。日常の生活において他のすべての策が尽きたと思えた時の支えとなり、指示を与え、導きます。
宇宙機構の中における地上の人生の目的を認識することによって、各自がその本性を身体的に精神的に霊的に発揮できる道を見出し、かくして、たとえわずかな間とはいえ、この地上での旅によって、これ以後にかならず訪れる次のより大きい生命の世界に備えて、大自然の摂理の意図するままに生きられるように導いていきます。
自分はこれからどうなるだろうかという不安や恐怖を抱く必要はどこにもありません。霊は物質に勝るのです。大霊はいかなる地上の人間よりも強大な存在です。いつかは必ず神の計画どおりになるのです。
そのためには、あなた方人間の一人ひとりに果たすべき役割があります。いま住んでおられるところを、あなたがそこに存在するということによって明るく豊かにすることができるのです。そのための指針はあなたが霊的に受け入れる用意ができたときに授けられます。
いったん宇宙の最大の力とのつながりができたからには挫折は有り得ないことをご存知ならば、いつも明るく信念と希望に燃えてください。あなたを愛する霊たちがいつでも援助に参ります。
あなたと地上的な縁によってつながっている霊だけではありません。霊的知識を地上全体に広めるためにあなたを霊的通路として活用せんとしている上層界の霊である場合もあります。
私からのメッセージはいつも同じです───くよくよせずに元気をお出しなさい、ということです。毎朝が好機の訪れです。自己開発のための好機であると同時に、あなた自身ならびに縁によってあなたのもとを訪れる人々の地上での目的が成就される、その手段を提供してくれる好機の訪れでもあります。
シルバーバーチの祈り
私ども一同は、暗黒と無知と迷信と利己主義と暴力、そのほか地上のガンともいうべき恐ろしい害毒を駆逐することによって、神の永遠の創造活動にわれわれならではの役目を果たすことができますよう祈ります。
私どもの仕事は、そうした害毒に代わって、神の子等が内部にその可能性を宿している燦爛たる光輝を発揮させる崇高な知識を授けることです。
これまでに私どもが授かった恩恵への感謝の表明として、私どもは今後ともその崇高な叡智と霊力の通路たるにふさわしい存在であり続け、恵まれない人々を救い他の人々に救いの手を差しのべ、生き甲斐ある人生の送り方を教える、その影響力の及ぶ範囲を強化し、そしてますます広げていく上で少しでもお役に立ちたいと祈る者です。
ここに、常に己を役立てることのみを願うインディアンの祈りを捧げます。
Light from Silver Birch
Edited by Pam Riva
まえがき
人間は何のために生まれてくるのだろうか。死んだらどうなるのだろうか。もっと幸せで生き甲斐のある生活を送るにはどうすればよいのか。天地万物の背後には知的な〝こころ〟が存在するのだろうか。物的宇宙に、そして人間に、何か〝計画〟というものがあるのだろうか。
知性の芽生えとともに、人類はこうした謎を追求しつづけてきた。そして今その解答が、かつて同じこの地球で生活し今は一段と次元の高い世界へ進化して行っている人類の先輩霊の一人によってもたらされつつある。
その霊は人間の無知の暗闇を照らす松明の持ち手としての使命を引き受け、地上で語るための霊媒としてモーリス・バーバネルを選んだ。
間もなくそのバーバネルを通して語るメッセージに耳を傾ける小さなグループができた。そしてそのうちの一人で〝フリート街の法王〟(英国ジャーナリズム界の御意見番)の異名をもつハンネン・スワッハーの名を冠して〝ハンネン・スワッハー・ホームサークル〟を正式の名称とした。
そのメンバーのうちの三人は世襲的にはユダヤ教徒であり、さらに三人はキリスト教徒だった。が、シルバーバーチと名のるその霊は
「我々が忠誠を捧げるのは一つの教義でもなく、一冊の書物でもなく、一個の教会でもなく、生命の大霊とその永遠不変の大自然の摂理です」
と語るのだった。
一人の人間が人類全体の命運を左右することは現実に有りうることである。イエスがそうだったし、ヒトラーがそうだった。このモーリス・バーバネルとシルバーバーチという二つの世界にまたがるコンビは、以来、数え切れないほどの人々の人生を変え、悲しむ人には慰めを、絶望の淵に沈む人には希望を与え、今や世界のすみずみまでその愛好者が増えつつある。
ところで、そのシルバーバーチとはいったい何者であろうか。
それについては、最も身近かな存在である霊媒のバーバネルも、一九二〇年に始めて入神させられてシルバーバーチのマウスピースとなった時に何も知らなかったことは、間違いない事実である。そしてそれから六十一年後に他界するまで、もしかしたら知っていたかも知れないが、ひとことも口にしていない。
が、彼はその六十一年の歳月を支配霊シルバーバーチの語るメッセージを世界中に広めることに献身した。他界する当日まで倦むことなく忠実にその使命を全うし続けた。本書には彼による最後の交霊会の霊言が収録されている。
私はこの霊言集を次の三人の先達に捧げたい。すなわち優れた編集者であり、ジャーナリストであり、作家であり、また実業家としての才も見せた霊媒のモーリス・バーバネル、四十九年間にわたってその地上での良き伴侶であった奥さんのシルビア、そしてサークルのメンバーであり同時に霊言の速記者でもあったフランシス・ムーア女史である。 パム・リーバ
一章 シルバーバーチの挨拶
私たち霊団の者は、一種名状しがたい暗闇に包まれている地上各地において、大々的救済活動に従事しております。霊の光がその暗闇を突き破り、人間が全生命の根源──物質的に精神的に霊的に豊かにする崇高な霊力の恩恵にあずかれるようにしてあげなければならないのです。
進歩は遅々たるものです。克服しなければならない障害が山ほどあります。が、着実に進展しつつあります。各地に新しい橋頭堡が築かれつつあります。霊力はすでに地上に根づいております。それが、幾百万とも知れぬ人々に恩恵をもたらすことでしょう。
私をはじめ、私を補佐してくれる霊団の者、そして地上にあって私たちの道具となってくれるあなた方は、この気高い事業に奉仕する栄誉を担っているわけです。それ故にこそわれわれは、双肩に託された信頼をいかなる形にても汚すことのないように心掛ける責任があると言えます。
あなた方は霊力を活用する立場にあります。私も同じです。そして必要とあれば私は、こうして私たちがあなた方のために尽力しているように、あなた方が他人のために自分を役立てるための霊力を、さらに余分に引き出すこともできます。
これまでに啓示していただいた知識のおかげで、われわれは背後に控える力が地上のいかなる霊力よりも強大であるとの認識によって、常に楽観と希望をもって臨んでおります。敗北意識を抱いたり意気消沈したりする必要はありません。
すべて神の計画どおりに進行しており、今後もそれは変わりません。人間が邪魔することはできます。計画の進展を遅らせることはできます。が、宇宙最高の霊が地球救済のために開始した計画を台なしにしてしまうことはできません。
われわれが有難く思うべきことは、地上的なものが提供してくれるいかなるものにも優る、物質の領域を超えた、より大きくより美しい生命の世界をかいま見ることを可能にしてくれる霊的知識を手にしていることです。
その世界には、地上に豊かな恩恵をもたらす霊力の道具としての人間を援助し鼓舞し活用することを唯一の望みとしている、進化せる高級霊が存在することをわれわれは、信仰ではなく事実として認識しております。
その霊力は病気を癒やし、悲しむ人を慰め、道を失った人を導き、無知を知識に置きかえ、暗闇を光明に置きかえ、生きる意欲を失った人には元気を与え、真理に渇いた人の心をうるおし、真の自我を見出そうとする人には神の計画に基づいたガイドラインを提供してあげます。
援助を求める祈りが聞かれないままで終わるということはありません。人のために何か役立つことをしたいという願いが何の反応もなしに終ることはありません。霊界においては、自分より恵まれない人のために役立てる用意のある地上の人間を援助せんとして万全の態勢を整えております。
ただ単に霊感や啓示を手にすることができるというだけではありません。霊力という具体的なエネルギーの働きかけによって、受け入れる用意のできた魂にふんだんに恩恵がもたらされるのです。
その道具として、内部の神性をより多く発揮すべく、進化と発達と開発のために不断の努力を怠らないというのが、われわれの絶対的な義務です。
生命に死はありません。墓には生命を終わらせる力はありません。愛にも死はありません。なぜなら愛は死を超えたものだからです。この生命と愛こそ、われわれが所有しかつ利用することのできる大霊の絶対的神性の双子(ツイン)です。それを発達させ開発させることによって、われわれより恵まれない人々のために、他の資質とともに活用することができます。
今の地上は大霊すなわち宇宙の神よりも富の神マモンを崇拝する者の方が多くなっております。本来ならば人間生活を豊かにする霊的知識を携えた霊的指導者であるべきはずの宗教家がまずもって無知なのです。
霊的真理とは何の関係もない、人間が勝手にこしらえた教義や信条やドグマを信じ、それに束縛されているからです。洞察力に富んでいなければならない立場の人みずからが、悲しいかな、一寸先も見えなくなっているのです。
そのために、霊の力を地上に顕現させ、生命と愛とが永遠であるとの証拠を提供し、医者に見放された患者を治してあげることによって霊力の有難さを味わわせてあげるためには、いろいろとしなければならないことがあるわけです。
霊力の機能はそれ以外にもあります。日常の生活において他のすべての策が尽きたと思えた時の支えとなり、指示を与え、導きます。
宇宙機構の中における地上の人生の目的を認識することによって、各自がその本性を身体的に精神的に霊的に発揮できる道を見出し、かくして、たとえわずかな間とはいえ、この地上での旅によって、これ以後にかならず訪れる次のより大きい生命の世界に備えて、大自然の摂理の意図するままに生きられるように導いていきます。
自分はこれからどうなるだろうかという不安や恐怖を抱く必要はどこにもありません。霊は物質に勝るのです。大霊はいかなる地上の人間よりも強大な存在です。いつかは必ず神の計画どおりになるのです。
そのためには、あなた方人間の一人ひとりに果たすべき役割があります。いま住んでおられるところを、あなたがそこに存在するということによって明るく豊かにすることができるのです。そのための指針はあなたが霊的に受け入れる用意ができたときに授けられます。
いったん宇宙の最大の力とのつながりができたからには挫折は有り得ないことをご存知ならば、いつも明るく信念と希望に燃えてください。あなたを愛する霊たちがいつでも援助に参ります。
あなたと地上的な縁によってつながっている霊だけではありません。霊的知識を地上全体に広めるためにあなたを霊的通路として活用せんとしている上層界の霊である場合もあります。
私からのメッセージはいつも同じです───くよくよせずに元気をお出しなさい、ということです。毎朝が好機の訪れです。自己開発のための好機であると同時に、あなた自身ならびに縁によってあなたのもとを訪れる人々の地上での目的が成就される、その手段を提供してくれる好機の訪れでもあります。
シルバーバーチの祈り
私ども一同は、暗黒と無知と迷信と利己主義と暴力、そのほか地上のガンともいうべき恐ろしい害毒を駆逐することによって、神の永遠の創造活動にわれわれならではの役目を果たすことができますよう祈ります。
私どもの仕事は、そうした害毒に代わって、神の子等が内部にその可能性を宿している燦爛たる光輝を発揮させる崇高な知識を授けることです。
これまでに私どもが授かった恩恵への感謝の表明として、私どもは今後ともその崇高な叡智と霊力の通路たるにふさわしい存在であり続け、恵まれない人々を救い他の人々に救いの手を差しのべ、生き甲斐ある人生の送り方を教える、その影響力の及ぶ範囲を強化し、そしてますます広げていく上で少しでもお役に立ちたいと祈る者です。
ここに、常に己を役立てることのみを願うインディアンの祈りを捧げます。
Light from Silver Birch
Edited by Pam Riva
地上生活の目的は人間の霊性の発現を促すことです。
地球という天体上に住む人間の一人一人に生きる目的があります。なのに大半の人間がその生活の基盤となっている霊的実在に気づいていないのは悲しいことです。まるで穴居人のように、ガランとした暗がりの中で暮らしております。視角がズレているのです。焦点が狂っているのです。
ビジョンが間違っているのです。人生がもたらしてくれる莫大な豊かさをまったく知らずにいます。霊的真理に気がつけば自分がいま何をしなければならないかを自覚して、そこに人間革命が生じます。
われわれはみんな人間的存在です。ということは、内部に不完全であるが故の欠点を宿しているということです。もしも完全であれば、あなた方は地上に存在せず私は霊界に存在しないでしょう。宇宙における唯一の完全な存在である大霊に帰一してしまっていることでしょう。
私には皆さんの人間であるが故の弱点がよく理解できます。しかし、一つ一つの問題を自分への挑戦(チャレンジ)として平然と受け止めると同時に、内部の霊性を強化し、開発し、発展させて霊性を高めるための触媒として、それを克服していかねばなりません。
地上的環境の中に置かれている以上あなた方は、地上ならではのさまざまな条件が生み出す幸福の絶頂と不幸のドン底、いわゆる人生の浮き沈みというものに直面しないわけにはまいりません。

しかし、そこにこそ皆さんが地上に生を受けた意味があるのです。つまりそうしたさまざまな浮き沈みの体験が皆さんの霊、真実の自我に潜在する資質を顕現させることになるのです。困難と逆境とに遭遇してはじめて発揮されるものなのです。
魂が真の自我に目覚めるのは太陽が光り輝いている時ではありません。バラ色の人生の中では霊性は発揮されません。危機、挑戦、困難、障害、妨害の中にあってこそ発揮されるのです。それが魂に潜在する神性を自覚する唯一の触媒を提供してくれるのです。
これは、霊的叡智を求める求道者のすべてに言えることです。断腸の思い、悲痛、苦痛を体験しないことには、そのあとに訪れる恩寵の有難さが十分に理解できません。人のために役立とうとする人間は試練を覚悟しなければなりません。時には力の限界までしごかれることもあります。
人間一人一人に神の計画があるのです。偶然の事故、偶然のチャンス、偶然の一致というものはありません。すべてが大自然の摂理によって動いており、そこには奇跡も摂理への干渉も有り得ません。摂理そのものが完璧にできあがっているのです。なぜなら完全な叡智によって生み出されているからです。
神の法則に例外というものはありません。存在するもののすべて───地上の森羅万象だけでなく、無辺の大宇宙のあらゆるもの───が神の配剤にあずかっているのです。どちらへ目をやっても、そこに神の法則の働きがあります。
小さすぎて見落とされたり、大きすぎて法則のワクからはみ出たりすることは有り得ません。それと同じ法則があなたにも働いているのです。もちろん私にも、そして他のすべての人にも働いております。
これで、作用と反作用とが正反対のものであると同時に相等しいものであることがお分かりでしょう。幸福の絶頂に至るにはドン底の苦しみを味わわねばならないこともお分かりでしょう。
そして又、皆さんが自分ではドン底を味わったつもりでいても、まだまだ絶頂を極めてはいらっしゃらないこともお分かりでしょう。その証拠に、心の奥のどこかにまだ死後の世界についての疑念をおもちです。
しかし人間は生き続けます。地上で永遠に、という意味ではありません。地上的存在に不滅ということは有り得ないのです。物的なものには、その役割を終えるべき時期というものが定められております。分解して元の成分に戻っていきます。
大自然の摂理の一環として物的身体はそのパターンに従います。が、あなたそのものは存在し続けます。生き続けたくないと思っても生き続けます。自然の摂理で、あなたという霊的存在は生き続けるのです。
ある種の教義や信条を信じた者だけが永遠の生命を与えられると説いている宗教がありますが、永遠の生命は宗教や信仰や憧れや願いごととは無関係です。生き続けるということは変えようにも変えられない摂理であり、自動的にそうなっているのです。
そもそも人間は死んでから霊となるのではなくて、もともと霊であるものが地上へ肉体をまとって誕生し、その束の間の生活のためではなく、霊界という本来の住処へ戻ってからの生活のために備えた発達と開発をするのですから、死後も生き続けて当たり前なのです。
元の出発点へ帰るということであり、地上のものは地上に残して、宇宙の大機構の中であなたなりの役目を果たすために、霊界でそのまま生き続けるのです。
その無限の宇宙機構の中にあって神の子は、一人の例外もなく必ず何らかの役目があります。そして、それを果たそうとすると、いろいろと困難が生じます。が、それは正面から迎え撃って克服していくべき挑戦と心得るべきです。困難と障害は、霊性を発達させ進化させていく上において必要不可欠の要素なのです。
地上というところはバイブレーションが重く鈍く不活発で、退屈な世界です。それに引きかえ霊の世界は精妙で繊細で鋭敏です。その霊妙なエネルギーを地上に顕現させるには、各自に触媒となる体験が必要です。
太陽がさんさんと輝いている時、つまり富と財産に囲まれた生活を送っているようでは霊的真理は見出せません。何一つ難門が無いようでは霊的真理は理解できません。困苦の真っ只中に置かれてはじめて触媒が働くのです。
霊性の開発には青天よりも嵐の方がためになることがあるものです。鋼が鍛えられるのは火の中においてこそです。黄金が磨かれてそのまばゆいばかりの輝きを見せるようになるのは、破砕の過程を経てこそです。人間の霊性も同じです。何度も何度も鍛えられてはじめて、かつて発揮されたことのない、より大きな霊性が発現するのです。
黄金はそこに存在しているのです。しかしその純金が姿を見せるには原鉱を破砕して磨かねばなりません。鋼は溶鉱炉の中で焼き上げねばなりません。同じことが皆さん方すべてに言えるのです。
霊に関わるもの、あなたの永遠の財産であり、唯一の不変の実在である霊に関わるものに興味を抱くようになるには、それを受け入れるだけの用意ができなくてはなりません。そこで鋼と同じように試練を受けることが必要となるのです。
苦を味わわねばならないということです。不自由を忍ばねばなりません。それは病気である場合もあり、何らかの危機である場合もあります。それがあなたの魂、神の火花に点火し、美しい炎と燃え上がりはじめます。それ以外に方法はありません。
光を見出すのは闇の中においてこそです。知識を有難く思うのは無知の不自由を味わってこそです。人生は両極です。相対性といってもよろしい。要するに作用と反作用とが同等であると同時に正反対である状態のことです。
魂はその琴線に触れる体験を経るまでは目覚めないものです。その体験の中にあっては、あたかもこの世から希望が消え失せ、光明も導きも無くなったかに思えるものです。
絶望の淵にいる思いがします。ドン底に突き落とされ、もはや這い上がる可能性がないかに思える恐怖を味わいます。そこに至ってはじめて魂が目を覚ますのです。
ですから、私たち霊界の者は魂にその受け入れ準備ができるまで根気よく待つほかないのです。馬を水辺に連れて行くことはできても水を飲ませることはできない、という諺があります。本人がその気にならなければどうしようもないのです。
私には皆さんのどなたよりも長い経験があります。そのおかげで、われわれのすべてを包摂し全存在に配剤した自然法則の完璧さについて、皆さんよりも深く理解しております。
時おり私は地上の同志のもとを訪ねてみることがありますが、霊的知識をたずさえているはずの人が悩み、そして心配しているのを見て、不可解でならないことがあります。霊的知識は、永遠の霊にはいかなる危害も及ばないことを保証する基盤であるはずです。
霊的知識を手にした者は常に光の中に生き、明日を思い煩うことがあってはなりません。
地上には人間が思い煩う必要のあることは何一つありません。あなたの内部には霊的兵器───非常事態や危機に際して活用できる霊的資質が宿されているのです。その潜在力を呼び起こし、待機している霊に訴えれば、解決できない問題は何一つありません。
まえがき
人間は何のために生まれてくるのだろうか。死んだらどうなるのだろうか。もっと幸せで生き甲斐のある生活を送るにはどうすればよいのか。天地万物の背後には知的な〝こころ〟が存在するのだろうか。物的宇宙に、そして人間に、何か〝計画〟というものがあるのだろうか。
知性の芽生えとともに、人類はこうした謎を追求しつづけてきた。そして今その解答が、かつて同じこの地球で生活し今は一段と次元の高い世界へ進化して行っている人類の先輩霊の一人によってもたらされつつある。
その霊は人間の無知の暗闇を照らす松明の持ち手としての使命を引き受け、地上で語るための霊媒としてモーリス・バーバネルを選んだ。
間もなくそのバーバネルを通して語るメッセージに耳を傾ける小さなグループができた。そしてそのうちの一人で〝フリート街の法王〟(英国ジャーナリズム界の御意見番)の異名をもつハンネン・スワッハーの名を冠して〝ハンネン・スワッハー・ホームサークル〟を正式の名称とした。
そのメンバーのうちの三人は世襲的にはユダヤ教徒であり、さらに三人はキリスト教徒だった。が、シルバーバーチと名のるその霊は
「我々が忠誠を捧げるのは一つの教義でもなく、一冊の書物でもなく、一個の教会でもなく、生命の大霊とその永遠不変の大自然の摂理です」
と語るのだった。
一人の人間が人類全体の命運を左右することは現実に有りうることである。イエスがそうだったし、ヒトラーがそうだった。このモーリス・バーバネルとシルバーバーチという二つの世界にまたがるコンビは、以来、数え切れないほどの人々の人生を変え、悲しむ人には慰めを、絶望の淵に沈む人には希望を与え、今や世界のすみずみまでその愛好者が増えつつある。
ところで、そのシルバーバーチとはいったい何者であろうか。
それについては、最も身近かな存在である霊媒のバーバネルも、一九二〇年に始めて入神させられてシルバーバーチのマウスピースとなった時に何も知らなかったことは、間違いない事実である。そしてそれから六十一年後に他界するまで、もしかしたら知っていたかも知れないが、ひとことも口にしていない。
が、彼はその六十一年の歳月を支配霊シルバーバーチの語るメッセージを世界中に広めることに献身した。他界する当日まで倦むことなく忠実にその使命を全うし続けた。本書には彼による最後の交霊会の霊言が収録されている。
私はこの霊言集を次の三人の先達に捧げたい。すなわち優れた編集者であり、ジャーナリストであり、作家であり、また実業家としての才も見せた霊媒のモーリス・バーバネル、四十九年間にわたってその地上での良き伴侶であった奥さんのシルビア、そしてサークルのメンバーであり同時に霊言の速記者でもあったフランシス・ムーア女史である。 パム・リーバ
一章 シルバーバーチの挨拶
私たち霊団の者は、一種名状しがたい暗闇に包まれている地上各地において、大々的救済活動に従事しております。霊の光がその暗闇を突き破り、人間が全生命の根源──物質的に精神的に霊的に豊かにする崇高な霊力の恩恵にあずかれるようにしてあげなければならないのです。
進歩は遅々たるものです。克服しなければならない障害が山ほどあります。が、着実に進展しつつあります。各地に新しい橋頭堡が築かれつつあります。霊力はすでに地上に根づいております。それが、幾百万とも知れぬ人々に恩恵をもたらすことでしょう。
私をはじめ、私を補佐してくれる霊団の者、そして地上にあって私たちの道具となってくれるあなた方は、この気高い事業に奉仕する栄誉を担っているわけです。それ故にこそわれわれは、双肩に託された信頼をいかなる形にても汚すことのないように心掛ける責任があると言えます。
あなた方は霊力を活用する立場にあります。私も同じです。そして必要とあれば私は、こうして私たちがあなた方のために尽力しているように、あなた方が他人のために自分を役立てるための霊力を、さらに余分に引き出すこともできます。
これまでに啓示していただいた知識のおかげで、われわれは背後に控える力が地上のいかなる霊力よりも強大であるとの認識によって、常に楽観と希望をもって臨んでおります。敗北意識を抱いたり意気消沈したりする必要はありません。
すべて神の計画どおりに進行しており、今後もそれは変わりません。人間が邪魔することはできます。計画の進展を遅らせることはできます。が、宇宙最高の霊が地球救済のために開始した計画を台なしにしてしまうことはできません。
われわれが有難く思うべきことは、地上的なものが提供してくれるいかなるものにも優る、物質の領域を超えた、より大きくより美しい生命の世界をかいま見ることを可能にしてくれる霊的知識を手にしていることです。
その世界には、地上に豊かな恩恵をもたらす霊力の道具としての人間を援助し鼓舞し活用することを唯一の望みとしている、進化せる高級霊が存在することをわれわれは、信仰ではなく事実として認識しております。
その霊力は病気を癒やし、悲しむ人を慰め、道を失った人を導き、無知を知識に置きかえ、暗闇を光明に置きかえ、生きる意欲を失った人には元気を与え、真理に渇いた人の心をうるおし、真の自我を見出そうとする人には神の計画に基づいたガイドラインを提供してあげます。
援助を求める祈りが聞かれないままで終わるということはありません。人のために何か役立つことをしたいという願いが何の反応もなしに終ることはありません。霊界においては、自分より恵まれない人のために役立てる用意のある地上の人間を援助せんとして万全の態勢を整えております。
ただ単に霊感や啓示を手にすることができるというだけではありません。霊力という具体的なエネルギーの働きかけによって、受け入れる用意のできた魂にふんだんに恩恵がもたらされるのです。
その道具として、内部の神性をより多く発揮すべく、進化と発達と開発のために不断の努力を怠らないというのが、われわれの絶対的な義務です。
生命に死はありません。墓には生命を終わらせる力はありません。愛にも死はありません。なぜなら愛は死を超えたものだからです。この生命と愛こそ、われわれが所有しかつ利用することのできる大霊の絶対的神性の双子(ツイン)です。それを発達させ開発させることによって、われわれより恵まれない人々のために、他の資質とともに活用することができます。
今の地上は大霊すなわち宇宙の神よりも富の神マモンを崇拝する者の方が多くなっております。本来ならば人間生活を豊かにする霊的知識を携えた霊的指導者であるべきはずの宗教家がまずもって無知なのです。
霊的真理とは何の関係もない、人間が勝手にこしらえた教義や信条やドグマを信じ、それに束縛されているからです。洞察力に富んでいなければならない立場の人みずからが、悲しいかな、一寸先も見えなくなっているのです。
そのために、霊の力を地上に顕現させ、生命と愛とが永遠であるとの証拠を提供し、医者に見放された患者を治してあげることによって霊力の有難さを味わわせてあげるためには、いろいろとしなければならないことがあるわけです。
霊力の機能はそれ以外にもあります。日常の生活において他のすべての策が尽きたと思えた時の支えとなり、指示を与え、導きます。
宇宙機構の中における地上の人生の目的を認識することによって、各自がその本性を身体的に精神的に霊的に発揮できる道を見出し、かくして、たとえわずかな間とはいえ、この地上での旅によって、これ以後にかならず訪れる次のより大きい生命の世界に備えて、大自然の摂理の意図するままに生きられるように導いていきます。
自分はこれからどうなるだろうかという不安や恐怖を抱く必要はどこにもありません。霊は物質に勝るのです。大霊はいかなる地上の人間よりも強大な存在です。いつかは必ず神の計画どおりになるのです。
そのためには、あなた方人間の一人ひとりに果たすべき役割があります。いま住んでおられるところを、あなたがそこに存在するということによって明るく豊かにすることができるのです。そのための指針はあなたが霊的に受け入れる用意ができたときに授けられます。
いったん宇宙の最大の力とのつながりができたからには挫折は有り得ないことをご存知ならば、いつも明るく信念と希望に燃えてください。あなたを愛する霊たちがいつでも援助に参ります。
あなたと地上的な縁によってつながっている霊だけではありません。霊的知識を地上全体に広めるためにあなたを霊的通路として活用せんとしている上層界の霊である場合もあります。
私からのメッセージはいつも同じです───くよくよせずに元気をお出しなさい、ということです。毎朝が好機の訪れです。自己開発のための好機であると同時に、あなた自身ならびに縁によってあなたのもとを訪れる人々の地上での目的が成就される、その手段を提供してくれる好機の訪れでもあります。
シルバーバーチの祈り
私ども一同は、暗黒と無知と迷信と利己主義と暴力、そのほか地上のガンともいうべき恐ろしい害毒を駆逐することによって、神の永遠の創造活動にわれわれならではの役目を果たすことができますよう祈ります。
私どもの仕事は、そうした害毒に代わって、神の子等が内部にその可能性を宿している燦爛たる光輝を発揮させる崇高な知識を授けることです。
これまでに私どもが授かった恩恵への感謝の表明として、私どもは今後ともその崇高な叡智と霊力の通路たるにふさわしい存在であり続け、恵まれない人々を救い他の人々に救いの手を差しのべ、生き甲斐ある人生の送り方を教える、その影響力の及ぶ範囲を強化し、そしてますます広げていく上で少しでもお役に立ちたいと祈る者です。
ここに、常に己を役立てることのみを願うインディアンの祈りを捧げます。
Light from Silver Birch
Edited by Pam Riva
まえがき
人間は何のために生まれてくるのだろうか。死んだらどうなるのだろうか。もっと幸せで生き甲斐のある生活を送るにはどうすればよいのか。天地万物の背後には知的な〝こころ〟が存在するのだろうか。物的宇宙に、そして人間に、何か〝計画〟というものがあるのだろうか。
知性の芽生えとともに、人類はこうした謎を追求しつづけてきた。そして今その解答が、かつて同じこの地球で生活し今は一段と次元の高い世界へ進化して行っている人類の先輩霊の一人によってもたらされつつある。
その霊は人間の無知の暗闇を照らす松明の持ち手としての使命を引き受け、地上で語るための霊媒としてモーリス・バーバネルを選んだ。
間もなくそのバーバネルを通して語るメッセージに耳を傾ける小さなグループができた。そしてそのうちの一人で〝フリート街の法王〟(英国ジャーナリズム界の御意見番)の異名をもつハンネン・スワッハーの名を冠して〝ハンネン・スワッハー・ホームサークル〟を正式の名称とした。
そのメンバーのうちの三人は世襲的にはユダヤ教徒であり、さらに三人はキリスト教徒だった。が、シルバーバーチと名のるその霊は
「我々が忠誠を捧げるのは一つの教義でもなく、一冊の書物でもなく、一個の教会でもなく、生命の大霊とその永遠不変の大自然の摂理です」
と語るのだった。
一人の人間が人類全体の命運を左右することは現実に有りうることである。イエスがそうだったし、ヒトラーがそうだった。このモーリス・バーバネルとシルバーバーチという二つの世界にまたがるコンビは、以来、数え切れないほどの人々の人生を変え、悲しむ人には慰めを、絶望の淵に沈む人には希望を与え、今や世界のすみずみまでその愛好者が増えつつある。
ところで、そのシルバーバーチとはいったい何者であろうか。
それについては、最も身近かな存在である霊媒のバーバネルも、一九二〇年に始めて入神させられてシルバーバーチのマウスピースとなった時に何も知らなかったことは、間違いない事実である。そしてそれから六十一年後に他界するまで、もしかしたら知っていたかも知れないが、ひとことも口にしていない。
が、彼はその六十一年の歳月を支配霊シルバーバーチの語るメッセージを世界中に広めることに献身した。他界する当日まで倦むことなく忠実にその使命を全うし続けた。本書には彼による最後の交霊会の霊言が収録されている。
私はこの霊言集を次の三人の先達に捧げたい。すなわち優れた編集者であり、ジャーナリストであり、作家であり、また実業家としての才も見せた霊媒のモーリス・バーバネル、四十九年間にわたってその地上での良き伴侶であった奥さんのシルビア、そしてサークルのメンバーであり同時に霊言の速記者でもあったフランシス・ムーア女史である。 パム・リーバ
一章 シルバーバーチの挨拶
私たち霊団の者は、一種名状しがたい暗闇に包まれている地上各地において、大々的救済活動に従事しております。霊の光がその暗闇を突き破り、人間が全生命の根源──物質的に精神的に霊的に豊かにする崇高な霊力の恩恵にあずかれるようにしてあげなければならないのです。
進歩は遅々たるものです。克服しなければならない障害が山ほどあります。が、着実に進展しつつあります。各地に新しい橋頭堡が築かれつつあります。霊力はすでに地上に根づいております。それが、幾百万とも知れぬ人々に恩恵をもたらすことでしょう。
私をはじめ、私を補佐してくれる霊団の者、そして地上にあって私たちの道具となってくれるあなた方は、この気高い事業に奉仕する栄誉を担っているわけです。それ故にこそわれわれは、双肩に託された信頼をいかなる形にても汚すことのないように心掛ける責任があると言えます。
あなた方は霊力を活用する立場にあります。私も同じです。そして必要とあれば私は、こうして私たちがあなた方のために尽力しているように、あなた方が他人のために自分を役立てるための霊力を、さらに余分に引き出すこともできます。
これまでに啓示していただいた知識のおかげで、われわれは背後に控える力が地上のいかなる霊力よりも強大であるとの認識によって、常に楽観と希望をもって臨んでおります。敗北意識を抱いたり意気消沈したりする必要はありません。
すべて神の計画どおりに進行しており、今後もそれは変わりません。人間が邪魔することはできます。計画の進展を遅らせることはできます。が、宇宙最高の霊が地球救済のために開始した計画を台なしにしてしまうことはできません。
われわれが有難く思うべきことは、地上的なものが提供してくれるいかなるものにも優る、物質の領域を超えた、より大きくより美しい生命の世界をかいま見ることを可能にしてくれる霊的知識を手にしていることです。
その世界には、地上に豊かな恩恵をもたらす霊力の道具としての人間を援助し鼓舞し活用することを唯一の望みとしている、進化せる高級霊が存在することをわれわれは、信仰ではなく事実として認識しております。
その霊力は病気を癒やし、悲しむ人を慰め、道を失った人を導き、無知を知識に置きかえ、暗闇を光明に置きかえ、生きる意欲を失った人には元気を与え、真理に渇いた人の心をうるおし、真の自我を見出そうとする人には神の計画に基づいたガイドラインを提供してあげます。
援助を求める祈りが聞かれないままで終わるということはありません。人のために何か役立つことをしたいという願いが何の反応もなしに終ることはありません。霊界においては、自分より恵まれない人のために役立てる用意のある地上の人間を援助せんとして万全の態勢を整えております。
ただ単に霊感や啓示を手にすることができるというだけではありません。霊力という具体的なエネルギーの働きかけによって、受け入れる用意のできた魂にふんだんに恩恵がもたらされるのです。
その道具として、内部の神性をより多く発揮すべく、進化と発達と開発のために不断の努力を怠らないというのが、われわれの絶対的な義務です。
生命に死はありません。墓には生命を終わらせる力はありません。愛にも死はありません。なぜなら愛は死を超えたものだからです。この生命と愛こそ、われわれが所有しかつ利用することのできる大霊の絶対的神性の双子(ツイン)です。それを発達させ開発させることによって、われわれより恵まれない人々のために、他の資質とともに活用することができます。
今の地上は大霊すなわち宇宙の神よりも富の神マモンを崇拝する者の方が多くなっております。本来ならば人間生活を豊かにする霊的知識を携えた霊的指導者であるべきはずの宗教家がまずもって無知なのです。
霊的真理とは何の関係もない、人間が勝手にこしらえた教義や信条やドグマを信じ、それに束縛されているからです。洞察力に富んでいなければならない立場の人みずからが、悲しいかな、一寸先も見えなくなっているのです。
そのために、霊の力を地上に顕現させ、生命と愛とが永遠であるとの証拠を提供し、医者に見放された患者を治してあげることによって霊力の有難さを味わわせてあげるためには、いろいろとしなければならないことがあるわけです。
霊力の機能はそれ以外にもあります。日常の生活において他のすべての策が尽きたと思えた時の支えとなり、指示を与え、導きます。
宇宙機構の中における地上の人生の目的を認識することによって、各自がその本性を身体的に精神的に霊的に発揮できる道を見出し、かくして、たとえわずかな間とはいえ、この地上での旅によって、これ以後にかならず訪れる次のより大きい生命の世界に備えて、大自然の摂理の意図するままに生きられるように導いていきます。
自分はこれからどうなるだろうかという不安や恐怖を抱く必要はどこにもありません。霊は物質に勝るのです。大霊はいかなる地上の人間よりも強大な存在です。いつかは必ず神の計画どおりになるのです。
そのためには、あなた方人間の一人ひとりに果たすべき役割があります。いま住んでおられるところを、あなたがそこに存在するということによって明るく豊かにすることができるのです。そのための指針はあなたが霊的に受け入れる用意ができたときに授けられます。
いったん宇宙の最大の力とのつながりができたからには挫折は有り得ないことをご存知ならば、いつも明るく信念と希望に燃えてください。あなたを愛する霊たちがいつでも援助に参ります。
あなたと地上的な縁によってつながっている霊だけではありません。霊的知識を地上全体に広めるためにあなたを霊的通路として活用せんとしている上層界の霊である場合もあります。
私からのメッセージはいつも同じです───くよくよせずに元気をお出しなさい、ということです。毎朝が好機の訪れです。自己開発のための好機であると同時に、あなた自身ならびに縁によってあなたのもとを訪れる人々の地上での目的が成就される、その手段を提供してくれる好機の訪れでもあります。
シルバーバーチの祈り
私ども一同は、暗黒と無知と迷信と利己主義と暴力、そのほか地上のガンともいうべき恐ろしい害毒を駆逐することによって、神の永遠の創造活動にわれわれならではの役目を果たすことができますよう祈ります。
私どもの仕事は、そうした害毒に代わって、神の子等が内部にその可能性を宿している燦爛たる光輝を発揮させる崇高な知識を授けることです。
これまでに私どもが授かった恩恵への感謝の表明として、私どもは今後ともその崇高な叡智と霊力の通路たるにふさわしい存在であり続け、恵まれない人々を救い他の人々に救いの手を差しのべ、生き甲斐ある人生の送り方を教える、その影響力の及ぶ範囲を強化し、そしてますます広げていく上で少しでもお役に立ちたいと祈る者です。
ここに、常に己を役立てることのみを願うインディアンの祈りを捧げます。
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