問「たとえば脳神経が異常をきたしてノイローゼのような形で自殺したとします。霊界へ行けば脳がありませんから正常に戻ります。この場合は罪はないと考えてもよろしいでしょうか」
シルバー・バーチ「話をそういう風にもってこられると、私も答え方によほど慎重にならざるを得ません。答え方次第ではまるで自殺した人に同情しているかのような、あるいは、これからそういう手段に出る可能性のある人を勇気づけているようなことになりかねないからです。
もちろん私にはそんなつもりは毛頭ありません。いまのご質問でも、確かに結果的にみればノイローゼ気味になって自殺するケースはありますが、そういう事態に至るまでの経過を正直に見てみると、やはりスタートの時点において、私がさきほどから言っている〝責任からの逃避〟の心理が働いているのです。
もしもその人が何かにつまづいたその時点で〝オレは間違っていた。やり直そう。そのためにどんな責めを受けても男らしく立ち向かおう。絶対に背を向けないぞ〟と覚悟をきめていたら、不幸をつぼみのうちに摘み取ることが出来たはずです。
ところが人間というのは、窮地に陥るとつい姑息な手段に出ようとするものです。それが事態を大きくしてしまうのです。そこで神経的に参ってしまって正常な判断力が失われてきます。
ついにはノイローゼとなり、自分で自分がわからなくなっていくのです。問題はスタートの時点の心構えにあったのです」
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