Saturday, September 16, 2023

シアトルの初秋 そのすべてがあなたの無限なる根源的摂理によって規制され支配されていると説きます。

  I preach that all of this is regulated and controlled by your infinite fundamental providence.

シルバー・バーチの霊訓 新装版 10の通販/パム・リーバ/近藤 千雄 - 紙の本:honto本の通販ストア
 

神とは  

 ある日、交霊会が始まる前に、メンバーの間でキリスト教についての議論があり、その中でキリスト教の牧師には神とは何かの説明が出来る人がいないことが指摘された。やがて出現したシルバーバーチは冒頭の祈りの中で神の説明をした。それは明らかにメンバーの議論を踏まえたものだった。

(訳者注ーシルバーバーチは冒頭の祈り Invocation と終結の祈り Benediction とがある。前者は会の成功のための神の御加護を求めるものであり、後者は感謝と讃仰の祈りである)

 「神よ、あなたは一体どなたに御(おわ)し、いかなるお方に御すのでしょうか。いかなる属性をお具えなのでしょうか。
 
 私たち(霊界の者)はあなたを完璧なる摂理の働きであると説いております。たとえば宇宙に目を向けさせ、その構想の完璧さ、その組織の完璧さ、その経綸の完璧さを指摘いたします。そしてその完璧な宇宙の姿こそあなたの御業の鑑であり、あなたこそ宇宙の全生命を創造し給いし無限の心であると説いております。
 
 私たちには自然界の一つ一つの相、一つ一つの生命、一つ一つの草花、一つ一つのせせらぎ、小川、海、大洋、一つ一つの丘そして山、一つ一つの恒星と惑星、一つ一つの動物、一人一人の人間の目に向けさせ、そのすべてがあなたの無限なる根源的摂理によって規制され支配されていると説きます。

 私たちは宇宙間のすべての現象がその根源的摂理から派生したさまざまな次元での一連の法則によって支配され、かくしてその働きの完璧性が保たれているのであると認識している者でございます。

そのあなたには特別の寵愛者など一人もいないことを信じます。不偏不党であられると信じます。あなたのことを独裁者的で嫉妬心を持つ残忍なる暴君のごとく画いてきたこれまでの概念は誤りであると信じます。なぜなら、そのような人間的属性は無限なる神の概念にそぐわぬからでございます。

 これまで私たちは地上とは別個の世界においても同じあなたの摂理の働きを見出し、そしてそれがいついかなる時も寸分の狂いもないことを確認したが故にこそ、その摂理とそれを生み出された心に満腔の敬意を捧げ、その働きのすべて───物的、精神的、そして霊的な働きのすべてを説き明かさんと努めております。

なかんずく霊的なものを最も重要なものとして説くものです。なぜなら、すべての実在、すべての生命の根源は霊的世界にあるからでございます。

 あなたの子等のすべてかあなたの摂理を理解し、その摂理に従って生活を営むようになれば、すべての悲劇、すべての暗黒、すべての苦悩、すべての残虐行為、すべての憎悪、すべての戦争、すべての流血行為が地上から駆逐され、人間は平和と親善と愛の中で暮らすことになるものと信じます。

 ここに、ひたすらに人のために役立つことをのみ願うあなたの僕インディアンの祈りを──無意味な文句の繰り返しでなく、真理と叡知と光と理解力と寛容の心を広げる手段(人間)を一人でも多く見出したいとの願いとして──捧げ奉ります」 


 この祈りの後、シルバーバーチみずからその内容について次のように説明した。

 「この祈りには宇宙についての、地上の人間に理解できるかぎりの理性的かつ合理的説明が含まれております。人類が暗闇の生活を余儀なくさせられているのは、一方にはみずから真理に対して目を閉じたがる者が多く、また一方には既得の特権を死守せんとする者が多いからです。

すべての戦争は人間が摂理に背いた生き方をすること──一個の人間、一つの団体、一つの国家が誤った思想から、貪欲から、あるいは権勢欲から、支配欲から、神の摂理を無視した行為に出ることから生じるのです。直接の原因が何であれ、全ては宇宙の霊的法則についての無知に帰着します。

すべての者が霊的知識を具えた世界に独裁的支配はあり得ません。一人の人間が一国を支配することが不可能な組織となるからです。すべての者が霊的知識を具えた世界に流血はあり得ません。争いの起こり得ない体制となるからです。

 われわれの仕事はその霊的知識を広めることです。真実の意味での伝道者なのです。伝道の意味が今日の世の中では歪められてしまいましたが、真実の意味は真理または知識を広めることです。私たち霊団は今あなた方の世界で仕事をしておりますが、本来は別の世界の者です。

あなた方よりは一歩、二歩、もしかしたら、三歩ほど先を歩んでいるかも知れません。これまで幾つかの大自然の摂理を学んできました。そうして知ったことは、この世に奇跡は無く、神の特別の寵愛者もなく、選ばれし民もなく、唯一の神の子もいないということです。あるのはただ法則のみだということです。

 宇宙がいかに巨大にして荘厳であるとは言え、全てが絶対的法則によって支配されていることを知ったからこそ、こうしてその法則をお教えしようと努力しているわけです。

その法則とは、原因には必ずそれ相当の結果が伴うということです。自分が蒔いたタネは自分で刈り取るということです。所詮はごまかすことができない──なぜなら自分の言動がその性格と成長具合に消そうにも消せない印象を刻み込むからです。こうした真理を土台として真の宗教を築かねばなりません。

大主教の宮殿で何を説こうと、大聖堂で何を説こうと、寺院、教会堂、礼拝堂、その他、世界中いかなるところで何を説こうと、それが今述べた単純な基本的真理と矛盾したものであれば、それは誤りです。極めて簡単な真理なのです。

人生を霊的摂理が支配していること、お互いが扶けあうことが一ばん大切であること、それが霊を成長させ、性格を形成し、死後に待ち受ける新しい生活に霊的な備えを与えることになる───ただそれだけなのです。

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